すべてのおすすめ
男が
美しいものだという事を 知った
骨ばった手も
厚い胸も
大きな足も
上着のポケットに突っこんだ手
そのときの肩から背中が
恋人を待って人混みの中を探す視線
そのときの首すじが ....
コンビニまで下を向いて歩く
ヤケに喉が渇く
紙パックのお茶だけを買う
コンビニにはおっちゃんが店員をしてる
お客がかたまると
テンぱるおっちゃん
マニュアル通りにで ....
この子 大きや
まろき頬を
背なにのせて
まどろむ 吾が子
金魚の べべ着て
へご帯
締めて
から ん ころ ん
赤い つまさき
鼻緒で
すれて
....
にわか雨は窓ガラスを叩く激しさで
海辺の汐臭さをわたしの部屋まで連れて来た
波音のひたひた寄せるテーブルで
いつか拾った貝殻の擦れる音色がする
ハンガーにかけたわたしの白いブラウス
温もりの ....
ぼくは詩を書きたい
盲目な心になっても
見えるものがある
今日もまた
朝の散歩をしていると
果樹たちに出会いました
いろいろな棚に
葡萄やキューウィたちが
体を巻く
....
笑ってたんだ
笑ってたんだ
きっと
あったかい土に抱かれて
優しい雨に愛されて
まだ見ぬ地上の風に憧れて
君たち 泥んこぼうず達は
笑って
幸せに
暮らしてたんだ
そして 素直に育 ....
レインコートを身にまとい
土砂降りの朝をゆく
雨の
一粒一粒は
私の中に入ろうとして
もがく
流れる
つたって落ちる
あなたは
ていねいになぞってくれた
私の中に入ろうとし ....
今朝卸したばかりのお洒落なパンプス
爽やかな淡い色合いのパンプス
新人さんと間違えられたくない思いで
ヒールをちょっと高めにしてみた
でもつま先はさっきからストッキング越しに
どこか逃げ道を ....
君の瞳に住む子犬は元気ですか?
ときどき聴こえてくる鳴き声は
わたしの胸をしめつけます
かわいかったたったひとりの親友
あの時かかえて逃げちゃえばよかったな
抱きつきすぎて嫌がら ....
丸みを帯びた光は
瞼を下ろすたび
その裏に
微かな影を描く
碧さを含んだ風が
誘いかけても
膝を抱えたままの両腕を
微動だにしないで
閉じたままでは
何も見えない
....
さつき晴れ
疏水を十石船が波しぶきをあげ
行き来する
子供達は太陽の子
眩しい日差しの中を飛びまわる
一人で佇む伏見港公園
柳が風に揺れている
僕の心のよ ....
うたかたの季節
移ろい行く時の雫
ためらいもなく見上げてもいい空
この星に生まれ立って
無数の色を目にして
見渡す限りのとおもろこし畑
その地平線
僕はちっぽけだ ....
毎日毎日待っている
どこかの国の誰かからの手紙
毎日毎日
ポストを覗く
やっぱり今日も着いてない
その手紙は幸せ召集令状
来ないかもしれない ....
点滅を繰り返す信号を
いくつ、くくれば
朝を迎えられるか試す夜
踊る、踊る
ステップを踏むのは
この足じゃなく
打ちつける雨
ゆらゆら揺れる
心ごと体ごと
壊してゆくリズム
....
ぼくは詩を書きたい
たとえ自分を見失ったとしても
進むべき道は必ず存在する
今日もまた
朝の散歩をしていると
静寂に出会いました
林の中
光をも遮り
薄暗いその空間は ....
昼間だどー
母さんが 声を張り上げて呼ぶ
私は はしごの五段目に上がったまま
はーい と こたえる
もう少しで この枝が終わるからね
小さな蕾を摘んで 大きな花を残す
良い林檎を ....
ぼくは詩人
人生には幾度となく
分かれ道があるが
そこで曲がらなければ
前には進まない
今日もまた
朝の散歩をしていると
分かれ道に出会いました
一つは林の中の坂をのぼ ....
意地悪な夜の妖精が
過去の映像を垣間見せ
胸元を締め付ける
真面目に生きることが
冷笑されてた幼少時代
僕の心は閉じられた
器用に生きることが出来る
友人に違和感 ....
一人で行った交通科学館からの帰り道
環状線で小学生の僕は
財布を落とした
鶴橋駅の連絡改札は
近鉄線の切符が必要で
連絡切符を買っていなかった僕は
家に帰れない
途方に暮れる僕に ....
目を閉じて見つめる
記憶の中・・・・
小さい頃のわたしが
若葉の蔭で
耳を澄ましている
「何を聴いているの」
と たずねたら
「こもれび」
と 言って上を向いた
....
名の無き道に
いつかふたりで
残した足跡を辿る
咲いた椿を
ひと目見たくて
斜陽にそっと
伸ばした指先
溢れた椿に
躊躇うばかり
枝先から
落ちた瞬間
名 ....
ぼくは詩人
失うものがあるということは
それだけ
生み出してきたということ
今日もまた
朝の散歩をしていると
詩に出会いました
失うものがあるということは
それだけ ....
雨の
始めの
ひと粒
ふた粒
私だけに
与えられた
もののように
この頬を濡らす
あなたの指先に
近い温度で
それは言葉にならない思いであった
母は母であった
息子は息子であった
いずれは離れ離れになる定めだった
『ふたりは生き別れる』
それは別段、不幸なことでもなく
いつまでも悔恨に捕らわれるこ ....
今宵も匠は
あざやかな手つきで
ガラス球をつるり
音もなく水槽に沈める
瑞々しい、青とグレイと白の珠
覗き込むたび
妖しく映ろう彩雲は
硬く閉じ込められていて
届きそうで、届か ....
ぼくは詩人
何かを理解したり習得してこそ
過去になる
今日もまた
朝の散歩をしていると
少女に出会いました
自分の知らない花の名前を
図鑑で調べる
彼女は現在に夢中
....
ぼくは詩人
共鳴は同情以上に
心に広がる
今日もまた
朝の散歩をしていると
不思議な玉に出会いました
野球のボールかと思う
大きさと白さ
やわらかい布でつくられた
....
ぼくは詩人
大胆にも謙虚さがあれば
それはそれで
その変化は大きくなる
今日もまた
朝の散歩をしていると
卯の花に出会いました
ここにも夏の訪れ
5枚の花びらを重ね ....
ハナミズキが総苞に
厳しかった冬の名残を残すように
ひとのことばの端々には
生きてきた人生の痕跡を引き摺って
それは醜さの現われでもあり
それはしがらみのようでもある
引き ....
ぼくは詩人
立派なことをするには
基本や初心を継続する努力が大切
今日もまた
朝の散歩をしていると
おじいさんに出会いました
お話好きなのか
自分のことをぼくにいろいろと ....
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