沈黙について書きたいと小説家は思う
  即物的な生々しさでショットグラスが輝く夜
  彼はそっとキーボードを叩く



  一年前恋人に見放され
  その二ヵ月後に右足を ....
口の中に微かに鉄の味がある
コートの袖口が擦り切れている
錆びたドラム缶からはいだして
月下の廃工場を後にする
奏者を失って久しい機械が
ほの青く光る一群の風琴になっていた

鳥が飛び立 ....
  世界にはトートロジーがあふれている



  僕が孤独を選んだ日
  君は化粧を点検していた
  他のことは知りようもない



  詩とは虚しいものだ
  哀しみは ....
  愛さない
  好きだなんて言わない
  あなたの太い指
  ひとつひとつを手にとって



  耳たぶの裏と
  へその中に置いた口づけ
  そうやって超えてゆく
   ....
ペンダントをください、 あの日共に見た赤い、
赤いずきんをかぶった女の子の飾りの付いた、
ペンダントを



いつの間にか馴れすぎたこの日常から離れる術が欲しいのです
あなたと笑った ....
  悲しみを悲しむなよ
  こんなにしずかに



  寂しさを寂しがるなよ
  だれもいないのに



  月があって
  光がある
  たったひとつ
  君がいて ....
  未来への現実的な不安と
  矮小でそれでいて強固な無知の塊
  それと あの娘のスカートの中の世界が
  十四の僕のすべてだった



  鼻がもげるような春の異臭は
   ....
便器の水面に浮かぶ吸殻が
ジブラルタルを指している

生きる事は苦しむ事だと教えられた
人に生まれて幸福なのだと教えられた
善い事を重ねれば
来世も人として生まれると教えられた
でも何処 ....
  雨に滲んだ九月の京都が
  空から町へ静かにふりそそぎ
  初めての懐かしさが
  消えそうな時を満たしてゆく
  この匂いは何処でも同じ
  この思いは今ここにだけ
  雨に ....
美術館前の石畳は冷たい雨に濡れ
慌てて開く折り畳み傘は
夢のなかから引き摺りだされたのを
ごねてでもいるのか
機嫌の悪さを隠そうともせず

冷えたこころをあたためてくれた
あなたの背中が ....
地震で潰れたのはお菓子の家だって
1976年に何が暴かれてしまったのか
その皺の無い脳ミソで考えてみると良い
世界が終わる頃には思い出せるかも

三本足のカラスが好きだったのは
時代遅れの ....
逃れんと 緩しを乞うに 兵の 踏み越ゆ骸 想うが如し

時として 矢刺しき人ぞ 道と化す 踊り疲れて 樹下に眠らん

標には 知らぬと刻め 墓の道 幾度契れど 糸も容易く

夢現 街灯のみ ....
WARNING!WARNING! (←無駄に英語。笑)

このページには人を不快にさせる表現が載っています。
自己の判断と責任でご覧ください。
あと、意外とテキトーなのでテキトーに見てください ....
 僕の書く詩に出てくる
 君という二人称は
 とくに中身をもたない
 かといって読む者ひとりひとりに
 語りかけるような無防備さも
 僕はけして持ち合わせていない
 いわばそれは揺 ....
来年の今頃も
聞こえている唄
うたう命を
知ることもなく
野たれ死んだわたしの
希望のように
これからはじまることは
まるで懐かしい
出来事のように
知っているかのようだ
今わたし ....
メアド変えました!
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kyosuke-maekara.suki-deshita@docomo.co.jp

-


メールアドレス変えました♪
登録変 ....
  中学生の想像力は
  万物を強姦している
  おさまるべき枠組みを求め
  有機的な快楽を知りたがり
  夕暮れの廊下を絶え間なく這い回る



  古惚けた水族館に
  佇む  ....
なぜ君ら
かかわって来るんだ
少し黙れよ


雨の日に
濡れる右肩
君に見とれる


必要ないんなら
教えてくれない
やめるから


青春時代の青臭い
どうにもやりきれ ....
こんなに空が綺麗だと

あなたを思い出します





お願いがあります

私もあと何十年かしたら

あなたに会いに行きます


それまで

左手の薬指

予約しておきます

あけといてください

あ ....
あさがきつづけている
まどのうちがわにひびきだす
こなたかなたのかげほうし

まったきへいげんに
たつものなどない
よこたわるかぞえうたのこえは
おびえるでもわらうでもなく

ゆうぎ ....
血を流しながら
涙を流しながら

それでも笑顔で
元気だよって言う貴方が

愛しくて
いとおしくて

ぎゅっと抱き締めたくなる

ぎゅっと抱き締めて
貴方の痛みや苦しみが
私 ....
  鈴虫が鳴いている
  求め合う淋しさの塊
  夜闇が僕をそっと押し包む



  黄金の月が揺れている
  煙のような薄い明日
  きりなく君を探し続ける



  ....
その時の感情は、諦めとも憂鬱ともつかない、郷愁にも良く似た、感情だった。

僕の視線が宙を彷徨い、何処からか飛んできたのか、花びらが横切る。


踵を返すと、また幾枚かの花びらが前を横切る。 ....
国境を越えた辺りで
煙草に火を点けた
ダーツの矢さえ有れば生きてゆけるから
ガソリンが切れそうなことなんて
然して問題じゃ無い

ブーツが汚れて
真っ直ぐ進んだ先に雨雲が見えたんだ
雷 ....
メリーメーカーばかりの周囲
それに一人 遅れをとったローキーな少年
何時しかそれが現実で そして真実で
静かに告げてくれた ロゼットを付けた少女
ふざけた内容の子守唄を歌う 選ばれたリアリステ ....
天国に一番近い場所と言う名の屋上で
翼の如く両腕伸ばしてみたりする
9番目の素数は23 逆数の循環節は22桁
次の素数までの差 あと6つのリズムでセレナーデ
ところで天ぷらのぷらって何ですか
 ....
切符を握った手が濡れてきたから
てのひらを上に向けて解放してやった
そうしたら切符は川になって
行き先はすっかり見えなくなっていた

川は
僕だけが感じる速度で流れ
薬指、から滝 ....
一つ一つ、弱くなっていく自分を意識した。
一つ一つ、見失っていく自分を理解した。
総てを薙ぎ払い、総てを捨てて、自分は戦場に立たねばならないのに、
自分は彼の残像を背負いそこに立つ。

これ ....
  明後日は明日の明日だから
  背伸びをしたら届きそうです
  明後日は明日の明日だから
  僕はぴんと張られた弓のようです



  期待しなければ落胆もない
  でも落胆 ....
  君のことを考えた
  深緑に閉じた公園で
  蝉時雨を頭から浴びて
  僕のことを考えた
  灰色と虹色の街の中
  唄いながら歩きながら



  僕は街に「好き」と言 ....
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