草野春心



  鈴虫が鳴いている
  求め合う淋しさの塊
  夜闇が僕をそっと押し包む



  黄金の月が揺れている
  煙のような薄い明日
  きりなく君を探し続ける



  火の玉じゃない
  流れ星じゃない
  砂埃じゃない



  君のそばに居たいのは
  今そばに居たいのは
  僕だけだと思う



  蜂蜜模様の唄がきこえる
  とめどない安らぎと高揚
  秋の風が眠りを誘う



  夢の切なさに裂かれさまよう
  煙のような薄い感覚
  それでも止めようも無く……



自由詩Copyright 草野春心 2007-09-21 00:25:08
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