雑歌
氷吐

逃れんと 緩しを乞うに 兵の 踏み越ゆ骸 想うが如し

時として 矢刺しき人ぞ 道と化す 踊り疲れて 樹下に眠らん

標には 知らぬと刻め 墓の道 幾度契れど 糸も容易く

夢現 街灯のみぞ 見し人よ 気の病なら 月の仕業と

罪ならば 再の河原も 積み疲れ 償う物か 贖う者か

古の 十字の神とは 異にして 事鳴る毎に 揺らぐ平面

焦がらしに 薔薇も咲かずば 摘まれまい 枯れて生きるを 恥じては詫びる

仰げども 涙零るる 春は去り 冬に閉ざして 二重の螺旋

徒なれど 独を喰らわば 更迄と 荊巻く幕 閉ざして眠れ

鴻も 立ち枯れの木にぞ 留まらぬと 湿気て薪にも 使えぬ飛散

狂い気の 凶つ器に 舞わさるる 積みては崩す 罪も屑なり


短歌 雑歌 Copyright 氷吐 2007-10-26 02:17:02
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