あなたは知っていましたか
すべての細胞は
自殺するということを
遺伝子の片すみに
小さな時計が隠れてて
もういいよってささやくと
それきり細胞は
すべての作業を放棄して
....
魂のやさしさなんてたてがみの獣の飢えにひきちぎられろ
その底のやさしさひとつひっそりと夕陽のなかの草に宿れる
きりきりと秋の深夜の草むらのなかにいっこの電池は鳴れり
留守電に君の英語のうつく ....
こすった赤い眼の中
おちていく太陽が
すぎこしていった
夜へ
さみしいのまえに
たいくつがある
考える脳のくらやみ
がある
明日はデートだ
そんなことを空想す
....
フゥー…ンと
電気で動く電車は走る
「兄弟仁義」を歌う
酔っぱらいのオジさん乗せて
オジさんをを見つめているのはサラリーマン
プリンスホテルの紙袋をぶら下げて
その紙袋 ....
破壊された石仏は遠くすりきれ、たくさんのにんげんたちのふみつけた顔の裂目から、何をみる ぼくは何を見い出す そう感じた日の部屋は、暗くなく。際限のないドリルの音がぼくの隙間だらけの体から染み出して ....
海の香りに目をさまし
ふと見れば 波
誰を待っているのか
どんな言葉を待っているのか
私
不思議な涙は
いくつも流れて空に消えた
君の香りがした
君は希望の香りがした
....
こんなんです こんなもんなんです なんて、この先のことどういうたら、ええかな? とりあえず僕の手前の電車が、人をはねたみたいです。環状線の弁天町駅ホームだと、つまりな ....
みこしまくり
聞こえてきた
中山道
夜店の前
すれ違った
白い着流し
そばを
とおると
あぶないよ
いま
からだじゅうの
ネジがとれそうなんだ
おっと
ほらほら
そんなこと
いいだした
いまでさえ
ぽろり からり
おとしそうに
....
水族の呼気を満たし
肋骨を開いて浮く
揺らぎのなかで
ターン
全身が
あの世へ行きたがっていた
いつものことなので
ただ床に寝ころんでいた
さすがに涙も出るが
しょうがないなとおもった
昼から夕暮れそして夜へと
寝ころびつづけた
....
ゆふぐれに君とふたりで春の墓地ここでひととき幽霊しようか
「五千年前の約束忘れたの?」花火しながら妹が問ふ
昆虫がふたりの為の出会いなど知らづに運ぶ花粉かな
警報機こわし ....
朝が来て 今日もまた君を知る至福
泣けぬ夜に君想う孤独 雨落ちる
そこにも
ここにも
きみがいると仮想して
毎日 生活しているぼく
テレビだって 一緒に見てるんだ
ソファも端っこに座ったりして
ペッドはひとつで我慢してよ
....
疲れた体を横たえる
君の上に
疲れた体を横たえる
君の肌と僕の肌が合うように
隙間の無いように
君を抱いて眠る
やっと
幸せだと思える
やっと
気 ....
浮かばない灰皿と程近い場所に 浮かぶ私がいる
沈まない煙を見上げた反動で 沈む私がいる
ここです ここです
私
ずっと
私のありかを伝えるために
耳のありかが知りたくて 知 ....
ほほに おちるなみだ
ないてないよって
まつげ ぱしぱし
おいはらっても
こころのかげりは
かくせません
ちへいせんに たたずむ
ひとつのかげ
きょうは あたたかいてが
せな ....
飾り気のおおい言葉やすがた
絵画や音楽が
人間にはなんと
奇妙に映ることだろう
眼に浮かべた悲しみは
人間の四倍
君の言葉のひとつひとつが
僕にはるかな記憶を喚起させる
僕 ....
ふたりしてはだかになってだきあい
てをからめあしをからめ
さけびながらのなみだあめ
ひごとよごとのむさぼりあい
おとことおんなのむみょうのせかい
えにかいたようながんじがらめ
あれはじ ....
掘り返された土。いずれ戻される時を待っていると思う。掘り返すための道具・掘り返された道具。限りの見える年代の差が捏造されようとしている現場。それは活動だ。曇天の元、眠りが等しくなる。死に? 死に。だ ....
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