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いつか遠い日に出会う音
誰かの死んだ鍵の
大理石に落ちる音
すでに決せられた、今
・・・を巡りあいと呼ぶのなら
遠すぎて忘れてしまうほど
遠い日の約束を、
型録に載ってる幸 ....
砂浜で小さな砂山が削られている
誰かの作った小さなでっぱりだ
波は届いたり
届かなかったり
白かったり黒かったりしながら
砂を暗い海に流そうとする
流れていく流れていく
泡のような名残に ....
今日死んだ太陽の
お仕着せな光を反転させて
月が夜を奪う偽物の夜
太陽を復活させる呪文
水晶を微電流で虐めて
僕たちも一緒に
ふるえる
言葉が聞きたかった
なのに
誰 ....
岬の先の夕暮れ
小さな星を示して
十光年離れているから
あれは十年前の光だ
と、言う君は
教科書のようだ
でも今見えている星は
そのまま今
の、{ルビ一番星=シリウス}
足摺 ....
私の中で水銀が蒸発していくようだ
体温で沸騰して犯されていく肺だ
今日も湿原は私以外のものでできている
鷺の仲間が冷たい水面で啼くのも
空を刺す枯れ草が雲に巻かれるのも
ふいに思い出すキ ....
僕は、女が欲しい
女のかたちではなく、女というものだ
できれば女のかたちに入っていると
うれしいが
それが別のかたちでもかまわない
君がもしも男だとしたら
僕は女というものになりた ....
紙屋町から橋を渡ると
折り鶴に祈りを捧げるための
順番待ちの列
それは確かに祈りのかたちだが
朝夕の公園掃除とは
似てもにつかない
ベンチに座り
おにぎりを取り出すと
えらそうに鳩 ....
一人で行った交通科学館からの帰り道
環状線で小学生の僕は
財布を落とした
鶴橋駅の連絡改札は
近鉄線の切符が必要で
連絡切符を買っていなかった僕は
家に帰れない
途方に暮れる僕に ....
誰のものでない足跡が
泥のような海に向かっている
きっと
闇の生まれるところ、
果てと呼ばれる
光、奪われる場所の
刹那の真実を知りたくて
、対消滅
小さな声でつぶやく
今日も遠 ....
失ってしまったと
知らせに突かれて
霧雨の中へ飛び出したから
取り込み損ねた洗濯物のように
さびしく湿ってしまった
時計は無慈悲に
時を奪っていく装置
刻んで ....
学割九千八百円の
上海行きの船が岸壁から離れていく
思っていたよりも船は速く
もう見送りの姿も遠く
そのくせ船はゆっくりすすみ
行方は遙かにかすんでいるので
夢をもて ....
雨の降る夜の帰路
高速を降りてからの長い田舎道
前照灯が照らす小さな視界に
跳ねるものがあるのだ
灯火の中それは白く見え
雨粒とは違う動きで
ぬれたアスファルトの上を
道一面に跳ねる ....
狭苦しい世界から
こぼれ落ちてしまいそうに
鳥は横切っていく
この胸をしめつける病なのか
握った手のひらを湿らせるだけで
つたうものぬぐいもせず
鳥よ、名も知らぬ猛禽よ
あいつの ....
君と
君の子供と
駝鳥牧場に卵を買いに行く
大きな鳥に
君も
君の子供もはしゃいで
{ルビ接写=マクロ}切り忘れて
携帯で駝鳥と撮った写真は
すべてがぼやけて
僕らの風景 ....
抱きしめると
あなたが
ガラス玉の寄せ細工に
思え
はじけ飛ぶ
その寸前を確かめたくて
そっとぎゅっと
力を入れる
と、
あなたは
小さな咳をするので
腕をゆるめて
顔 ....
湿気ばかり多くて
気温が上がらない夜は虫なんかの
季節を送る歌など気にせずに
眠ってしまえばいい
閉じた瞼の裏が
奇妙な色に透けるのはまだ生きている
証だと思えるのなら
眠ってしまえ ....
バーボンだ、もっと
バーボンを焚け
今日 なにを焦がそう
もう 骨しか残っちゃいない
それでも
小さな炎で
じりっと炙れば
ピシ ピシと
春の芽吹きの ....
忍者のように
美しく
妖しい
魔を呼んではいけない
呪いの言葉で
欲しかったのは、技じゃない
求めたのはその先にある
{ルビ術=すべ}
彼方で
....
飛砂を焼こうと
たどり着く海岸で
瞼を閉じたときに
ひらく{ルビ瞳=アイリス}
あかいのは
すべてが染まる音で
あなたとの間には
愛以外のなにかが潜んでいた
....
沈んだまま明日のこない
深海に揺れる一群れの
長い、深い闇
地縛された肉体の
閉じる奥の扉
なにかのなまえで封じられ
こたえを閉じこめ ....
春に降る雨で
体のかたすみが
ざりざりです
暗闇に体を置いて
ぬくもりだけに委ねれば
心の対流で
とりもどす
ほんとうのすがたで
触れようと指を伸ばすと ....
手帳の中で森は
もう少しだけ明るかったろうと
右手の温もりを
むせかえる羊歯の
暗闇からたぐってみる
いつか満たされると思い
満たされたがっていた
月が
ま ....
舗装された道の
ペイントされた、とまれ
踏みつけられた骨の色の
見上げる季節の樹香
舞い散ってへばりつく
美しいという名の死骸
立ち上がれない
ペイントされた、とまれ
月が ....
桜土手通りの
ほんとうの季節
夜、春香を写しとる水面に
ひとの本性があばかれる
だから秘密は
誰にも知られないように
星の遠めがねを峠に据えて
のぞき見る未来への深淵
みんななぜか震えていたね
体温を奪ったのは
外套をはためかせて
丘を吹き昇る風ではなかったんだ
風のゆくえを仰ぎ見る先に
透明に ....
墓標に刻んだ自分の名前に背を向けて
てのひらはいつまでもとどかないのです
生きることの意味を知らされないこぶしが
硬く握られたその先で照らして
夕日が水平線を越えて旅立つこの場所で
朝日 ....
踏みつけていた
いつの間にか踏みつけていた
{ルビ直線歯車=ラックレール}
きれぎれにされた
人生のように
強さだけを必要とされて
ずっとつながっていました
峠を越えるの ....
想いを何度も
辿るから刻まれる
傷という名の痛みが
証だというのならば
想いを何度辿っても刻まないもの
{ルビ轍=わだち}も残さず
同じ道のりを
落下し続けることに
....
鏡に映せない
言葉は綺麗な現象
だから私には
似合わないのです
指をつたう血が
涙と同じ温もり
人の温度と気づくから
生きると言うことは
{ルビ連星=アルビレオ}を見る ....
君はいろいろだね
幾何学を解明しようと
君にキスをしてみる
そのたびに知らないかたち
騙し絵のようで
のぼったりおりたりする君は
いろいろなかたち
そんなことは
説明なんて ....
ルナクさんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト
(276)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
邂逅(或いはエフィメラ)
-
たりぽん ...
自由詩
10*
06-6-3
流砂、風ではなく波に
-
たりぽん ...
自由詩
10
06-5-30
矢文、我に放て
-
たりぽん ...
自由詩
12*
06-5-29
星よ、ほしよ
-
たりぽん ...
自由詩
13
06-5-25
おまえらでできている!
-
たりぽん ...
自由詩
8*
06-5-25
きみのかたち、ぼくのかたち
-
たりぽん ...
自由詩
14*
06-5-23
使者とは呼ばない、鳩よ
-
たりぽん ...
自由詩
12*
06-5-22
駅・鶴橋
-
たりぽん ...
自由詩
17*
06-5-18
波にむかう足跡、僕のものではなく
-
たりぽん ...
自由詩
14*
06-5-16
湿った夜の回折格子
-
たりぽん ...
自由詩
15*
06-5-13
埠頭・小さな決意の
-
たりぽん ...
自由詩
9+*
06-5-7
蛙の日
-
たりぽん ...
自由詩
13*
06-5-7
鳥瞰図、私の胸に
-
たりぽん ...
自由詩
13*
06-5-5
駝鳥牧場に卵を買いに行く
-
たりぽん ...
自由詩
12*
06-5-4
臨界点
-
たりぽん ...
自由詩
14*
06-5-3
眠ってしまえばいい_(_2006_)
-
たりぽん ...
自由詩
10*
06-5-2
蛍よ、焦がれては
-
たりぽん ...
自由詩
12*
06-4-28
技術という方法
-
たりぽん ...
未詩・独白
8*
06-4-27
外燃するわたし
-
たりぽん ...
自由詩
16*
06-4-23
封印
-
たりぽん ...
自由詩
12
06-4-20
雨、あばかれる黄砂に
-
たりぽん ...
自由詩
13
06-4-15
プテラスピス
-
たりぽん ...
自由詩
13*
06-4-13
踏みつけてふりあおぐ、春
-
たりぽん ...
自由詩
16*
06-4-11
春の本性
-
たりぽん ...
携帯写真+ ...
11*
06-4-11
夜空の微熱
-
たりぽん ...
自由詩
11*
06-4-8
漕ぎ出す春、夕日へ
-
たりぽん ...
自由詩
14*
06-4-7
駅・軽井沢
-
たりぽん ...
自由詩
16*
06-4-5
星空の轍
-
たりぽん ...
自由詩
10
06-4-4
鏡のナイフは似合わない
-
たりぽん ...
自由詩
10
06-4-2
かたち、君のかたち
-
たりぽん ...
自由詩
9
06-3-31
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
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