蛍よ、焦がれては
たりぽん(大理 奔)

 
   バーボンだ、もっと
   バーボンを焚け

今日 なにを焦がそう
もう 骨しか残っちゃいない
それでも 
小さな炎で 
じりっと炙れば

ピシ ピシと

春の芽吹きの音で
きっとあなたを
呼ぶのだろう

   バーボンだ、もっと
   バーボンを焚け

いとしい 
と聞こえれば
胸に届くだろうか

にくい
と聞こえれば
胸を突くだろうか、それとも

   バーボンだ、もっと
   バーボンを焚け

パシと
夏の音にまぎれて
ほたるの火の粉に
もどってしまうだろうか




自由詩 蛍よ、焦がれては Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-04-28 17:58:03
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