神様が生まれた日に
ベンジャミン

神様が生まれた日に
僕は自分の始まりについて考える

蝋燭の炎がゆらゆらと時を刻み
その身体を縮めるようにして
わずなかな明かりを灯している


神様が生まれた日に
自分の存在以外に誇れるものをもたない
それだけを支えにして生きているのに


神様が生まれた日に
失われてゆく命は確かにあって
静かにそのことを思うとき

僕は寒さにふるえながら
冷たい指をくみかわしてみる

祈りはかたちを持たない

生と死にはさまれながら揺れる
あの炎のゆらめきに似た
温もりだけが伝えてくれる


神様が生まれた日に
街はとても明るく華やいでいて
それが悲しく思えそうなとき


神様が生まれた日に
誰かが僕の名前を呼んでいる


神様が生まれた日に
与えられたものは命だった


神様が生まれた日に
だから余計な不安にさいなまれても


神様が生まれた日に
僕は自分が生きていることを知る


神様が生まれた日に
街は明るく
イルミネイションはキラキラと

その輝きに負けないように

神様が生まれた日に
精一杯生きたいと願う


神様が生まれた日に


僕が感謝すべきことを
忘れてしまわないように



      


自由詩 神様が生まれた日に Copyright ベンジャミン 2005-12-25 07:35:25
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