せみ時雨夏の心は風誘い
剥き出しの肩陽に揺らぎゆく
通い合う心模様を重ねれば
枕に添えるタオル直して
向日葵の風の音遥か陽に遊ぶ
日 ....
君は芝生の上でバランスを取る。
一糸まとわぬ露わな姿で
豊かな乳房を宙へ向けて解放つ。
日差しは、もう秋の方に傾き加減で
夏の終わりを告げている。
時代の息吹を君は背 ....
きっとずっと昔から変わらないんだよね
れんげ畑に座っていたあの頃から
茜色の空は繰り返し
私を迎えてくれていたんよね
いつの間にか見なくなった
忘 ....
明解な文法で
あなたが残した言葉より
文法にすらならない衝動で
あなたが放った言葉の方が
私の胸を揺さぶっていました。
あなたが
ほっぺに砂糖をつけて、なお
....
それが誰なのか、
記憶を探れば出てくるが、
誰が誰であったか、
この部屋では関係ない。
窓の向こうに手を伸ばそうとも、
扉の向こうに声を掛けようとも、
ひとつも ....
灼熱に
世界は崩れて
全てを見失いそうで
棒立ちしたまま動けず
あたしは今にも発火しそうよ
だけど炎上するならあなたの前で
遠のいていく意識に直接触れてくれたら
同じ火炎の中心で
....
夜
なにもかもが
羽のようにわかり
涙する
遠くの火が
空を揺らす
ねむりつづける花
ねむりつづける草
不夜を誇るものたちに
とどかない原の火
....
舌足らずで
勝気
痩せすぎだよ
負けん気だけは
強いんだ
負けるが
勝ちって
嫌いでしょ
私
そっちだから
爬虫類の顔だよね
もしかして
人間の皮をかぶった ....
今の今まで、
自分の口から出た言葉は、
自分の言葉であると思っていた。
定型の、お決まりの文句以外は、そうであると。
たとえばそれが詩であったり、
文学であったり、などと。
だがしかし ....
何かを描こうとした手のひらが
冷たい膝の上にひろがる
消えてゆく言葉に涙するとき
ふいに指先に触れてくるもの
遠い雷
遠い花火が
水の笛のなかにあり
ゆうるりとゆうる ....
一点の翳りも見えぬ空の下白さを競う百合とTシャツ
軒下でチリリと唄うびーどろは風に撫でられ恋を煩う
結い上げた髪にかんざし挿してみる すこし淫らなおんなを気取る
誰がため ....
暑い夏
公園の白いブランコに
佇む老人
こんな日にも
汗ばまない掌眺めて
寂しげな笑みをこぼす
本気で愛したあの人も
今は遠い空
自分を知るものさえ
誰もいなくなって・・・
....
木陰を探して足を向ければ、蝉時雨が暑さとともに降り注ぎます。
木に寄りかかりじっとしていると蝉の声が耳鳴りのように体の中から聞こえてくるような錯覚を覚えました。
繁った葉の間からちらちらと陽が射し ....
あたりじゅうすべてが蜃気楼と化してしまいそうな
夏の午後
裾の長い木綿の部屋着に包まれ
籐の長椅子で微睡む一個の
流線型の生命体
窓からのゆるい風が
肌にときおり触れて過ぎる
ほの甘くあ ....
触れることも触れられることも
拒んでいた手
そんなことすら
忘れてしまった手を不意に繋ぐ
温かさ
そんな空想が
思考の隙間に挟まって
消え
誰も
何も知らない私を
存在させ ....
わたし、ほんとうはせみが大嫌いなのに
せみを見つけるのが
とてもじょうずで
命あるものみなとうとい
なんて嘘
目にみえるものすべていとしい
なんて、嘘
わたしはせみが嫌いで
で ....
苦労を取り戻す日々
網戸に半日も止まったセミをみる
見られている
セミの鳴き声に囲まれてそのセミは哭かない
なぜだろう
なぜ止まっているんだろう
網戸ごしにつついてみる。
死んでいな ....
くもひとつない
あおぞらも
すきだけど
よるにみせる
ふかいあおが
もっとすき
ふかくて
ふかくて
ずっとみてるうちに
くろにかわって
でも
そんなへんかにも ....
ねぇ そこの人
そんな中途半端なとこで止まってないで
思い切って
落ちるとこまで落ちてみたら?
そうしら逆に
見えてくるものがあるかもしれないよ
掴めるものがあるかもしれないよ ....
今日は ね
なんだかぷわぷわ
ああ
雲がふわふわ あなたみたいね
ふわふわわたがし
でも あなたの言葉のほうが甘いの
i'm not alone
ね え
君は ひとりじゃな ....
わたしはあなたといると
バカになる
何もしたくなくなるし
行きたいところもなくなるし
見たい映画も読みたい本もなくなる
あなたは面白い
あなたは最高の刺激
わたしを燃え上がらせて ....
熱い吐息に
幼い印象の前髪は
こころなしか
ゆれてしまって
ほほえんでいればよかった
時空の過失
それがゆるさなかった
遠く
白鳥座の
あれはなんだったか
暗く重く奥ゆかし ....
十代のころ
風呂で毎日肌を磨いていた
それは
白蛇のようになまめかしく
女というものは
綺麗であるべきもの
愛されるために生きるもの
それだけでよかった
なのに
酷いのですよ
....
からだの曲線にそって
あなたは
かんたんなじゅもんなのだと指を折った
てのひらをそっとひらいて
りゆうもなさそうにわらった時
すこしだけ
えんえんとつづいてゆく
朝の風景を おもいだして ....
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