森の奥で一輪の花と出会う
落ち葉道に紛れ
ひっそり咲いている
慎ましく透明な花に

この感動を伝えたくて
スコップで根を掘り起こし
花瓶に生けて持ち帰る

机の上に置いて眺めた
不 ....
彼はまだ若いので
エネルギーの向かう方向が違うから

この先
立ち入り禁止

不器用になった私は
他人の害になるのでしょうか

弱気をふと
洩らしたくなる

けれど
尖がって ....
もう何も視たくは無いのだ。


赭い花を手折りたいと思い、庭へ降りたは良いが
一面の花の群れにふと恐ろしく成ってしまう。
どれを選んでも
触れた途端に枯れてしまいそうだ。
其れを嗤って見 ....
風のかたちになりたいのです
なのに
縫いつけておいたはずの秋風が
かたちをうばいました


(ほたる  湯けむり  はぐれ雲)


うばわれたと思ったのは勘違いでした
かたちがない ....
笑う父親
はしゃぐ母親

こうして家族が会うの3年振り。

当たり前にあったものが貴重になってしまった

これは嘆きではなく、

当たり前のことに喜べるようになったというそれぞれの人 ....
リビドーをひらく夜の帳が下りる
渇くからだが水を欲しがって熱を感じるの
つかんだ手はもうあたしのもの
二度と離さないこのままくれて
水も甘い果実も飲み干してあげるわ
独り寝れば枕が濡れる ....
月の夜にほろほろ酔い
虫の音聴いて踊り出す
モミジの葉陰の魔物たち

ヒガンバナが燃えてるよ
ワレモコウは眩しくて
そっと瞳を閉じている

秋の月夜はきれいだね
アケビの露を ....
砂礫の中から北極星をめざす
ひとつぶの光る種子から
一万年の大木の夕日の
たおれかかる夕暮れ

音もなく 静かに 闇

空を見上げる

希望をうつす鏡はいつも
目線より少し高いとこ ....
わたしは
ここから地上を見ている
大気で霞む昼にも
誰かが見つけてくれる
よく見れば味気ない天体であるのに
そんなに想うのは
わたしが最後の衛星だから

振り返らない
嘘の顔
嘘の ....
幼い頃に覚えた童謡を口ずさんでみれば
なぜか悲しい気持ちがわいてきて
もしかしたら
うたの歌詞が悲しいのかもしれないと
確かめるように繰り返してしまう


夏と秋のさかいめは
きっ ....
林檎の皮を剥きながら
表と裏について考えてみる
するすると螺旋を描いて落ちていく皮の
虚ろな赤と乳白色のコントラスト
刃を当てて表を削り取る
その先にはまた裏と表が出来上がる
ぐるぐる ぐ ....
怖い

夕闇が迫ってくる気がして
オレンジとグレーの空の下
時々振り向く

何かが追いかけてくる

私には時間は止められない
振り向いても
何も止められない

私の背中を ....
「夕日が落ちる前に、帰ってきなさい。」と母が言う
 私は、海が見たかった。
 秋の夕暮れる速度と思い出と川沿いを歩き
 橋の向こうまで。


スタートは、浅い川底の尾ひれで跳ね上げる小 ....
若いって
苦いと
同義だよね
字も似てるし
と口に出したとき

悲しいって
美しいと
同義だよね
と言った
君を思い出した

空は平均的に青い
わたしのキャンディーボックスは閉鎖的な雰囲気
零れ落ちるわたしの手のひらにはフェイク
あくまでアップルフレイバー
でも一粒舐めると甘い夢を遡上する
わたしの原始的回顧
エヴァは、何故、林檎を ....
風が吹いておりました
風が吹いている日に飲む野菜ジュースは哲学の香りがするのです
そんな日は詩を書きたくはないのです
空があまりに無知なので

わたしの青春としての位置づけは
もう随分と前 ....
そしてまた世界は
からっぽに明るくなる
このいたずらな明るさの中では
何かを見分けることなど出来やしない

事象たちが書き割りのように
意識に貼り付く
歩きたい道を見いだすことも困難なの ....
出涸らしのような夏が
のっぺりと緑に張り付いている

季節も針を進めるのを忘れたようで

時がとわに 流れていく

生まれ落ちた時代の旅人

その想いは 積っていく

 ....
朱色の雲が
いまだ蒼さの残る空に
虹を想わせる

嗚呼
今日は
こんなにも惜しく思う夕刻の空
地を這い回っていない時
君と見られたらよかった
飛んでいけるだろう
その色の中に溶けて ....
買い物は近くで
済ませたいのだが
近くの店はどこも
知り合いが働いていて
気がゆるんで
挨拶せねば
別人の顔を
見られてしまう
どう見ても
暇だから働いているようにしか見えない
暇 ....
夏の終りに埋められた小さな命の殻。
わたしはまだその場所を教えてもらえない。
わたしが泣くのは、自分の足元に生活があるからだ。
迷わず生活を選択しながら、
どう仕様もないじゃないかと言い訳 ....
十年日記をもらった
はじめる日が見つからず
十年過ぎた

色あせた表紙の中身は真っ白だが
ニュースはたくさんあった
書き留めておくべきことだったかもしれない
あのときの一大事も
三年後 ....
何もない処に秋がやってくるとき
ひっそりとして
わたしは言葉の行方を知らない
わたしはわたしを有りの侭にしている

夕くれに空はふりだし
空はそこらじゅうで実り始める
声を掬ったりすれば ....
むかしがありました
むかしはいつまでも待っておりました
風は砂時計のように
失ったものをひっくり返し
また失いはじめるのでした

たった一本の
傾いた光の下で
自分を整理整頓したりする ....
この夕くれのひかりのなかに
ぼくはぼくをみうしなったりするだろう
そらの彼方のやさしいもの音よ
秋の風にさえぼくはこころを揺らしたりする

ぼくのであったものごとの全てに
ぼくは話しかけた ....
湿った風が吹く朝に
君は薄い火を灯した幹から両手を離す


種の保存の掟は果たせたのだろうか
君の生き方は純粋で幸せだったのだろうか
最後は雲の切れ目から青空が見えたのだろうか


 ....
給料日

給料日

今日は25日で

給料日

健康保険が

年金が

所得税が

昼飯代が

いくら引かれてるかなんて

どうでもいいのさ

金額さ

手 ....
事象の先に 行き止まる 今

深く 古いところから 聞こえる声を
身体の底で 聞いてみたい

全てを統べるものなど いない 今

うたは 身体の奥深くにだけ 響く
うたは 身体が かた ....
夕日を映した紅色の花を、永遠にするために
透明な棺桶にアクリルを満たす

飼っていた犬の面影を、永遠にするために
AとT、GとC・・・塩基対の配列を玲瓏の棺桶に刻む

光の秘密を刻んだ虹色 ....
いとしくて
乳房を
丁寧に磨いた

紅い薔薇のように
柔らかで
寂しげで

うちあけましょう
あなたに
逢いたいのです

汗をかいて
髪も
ほどよく人の匂いがします

 ....
あるふぁさんのおすすめリスト(84)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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振り返るとき- tonpekep自由詩18*05-9-13
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永遠のようなもの、をたずさえて- たりぽん ...自由詩705-8-22
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