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他を照らせぬ光が集まり
枯れ木の夜を編みあげる
ゆらぐ景
降りそそぐ火
ふるえ よろこび
まばゆい鈍
それら 夜の鳥の浮力のすべて
融けるように溶けふたたび潜る
....
背を追いたてる響きがある
歪みを映す光がある
遠い道から見つめるものの目
暗く乾いた熱のような目
異なる滴は異なるまま
鏡を流れ落ちてゆく
やわらかくはならない
....
夜
なにもかもが
羽のようにわかり
涙する
遠くの火が
空を揺らす
ねむりつづける花
ねむりつづける草
不夜を誇るものたちに
とどかない原の火
....
何かを描こうとした手のひらが
冷たい膝の上にひろがる
消えてゆく言葉に涙するとき
ふいに指先に触れてくるもの
遠い雷
遠い花火が
水の笛のなかにあり
ゆうるりとゆうる ....