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降りそそぐ雨に濡れた道の上
白々と曇る空を{ルビ仰向=あおむ}けでみつめる
一匹の{ルビ蝉=せみ}

七日間の命を一心に鳴き続けた
体はすでに白く{ルビ濁=にご}りはじめ
六本の細足は宙に ....
今日も額に汗を滲ませて
門前払いは覚悟の上
蝉の鳴き声しか聞こえない
住宅地のあちらこちらを歩く私は一匹のありんこ

無数のピンポンを押して
ようやく玄関のドアは開いて
満面の笑みと話術 ....
ある日、仕事を終えて
更衣室のロッカーを開くと
取り付けの小さい鏡の下に
お守りのようにぶらさげていた
5センチのくまのプーさんが姿を消していた

プーさんは
うまくいった日も
へまを ....
ふらふらと酔っ払いの千鳥足
さみしがり屋のピエロは口笛吹いて
今宵も月夜の道を歩いています

膝を落とし 手を差しのべ 愛を乞う
寒がりな裸の心を胸に{ルビ潜=ひそ}めて

夜空 ....
{ルビ痩=や}せっぽちな
私の体の奥のほうで
一匹の虎が
牙を光らせ吠えている

今にもこの胸から溢れ出しそうな怒りの炎が
魂の{ルビ器=うつわ}を青い光で染め上げている

 ....
境内の裏に入ると
空間を埋め尽くす
しなやかな竹林の足元を縫うように
白い石畳の道を辿る

少女は
ひしめきあう竹の頂を仰ぎ
さやぐ笹の葉の隙間の青をみつめ
木漏れ日を浴びる{ルビ女 ....
銀猫さんの服部 剛さんおすすめリスト(276)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
蝉の臨終- 服部 剛自由詩6*05-8-13
昼休みのラーメン屋にて_〜ありんこ営業マンの夏〜- 服部 剛自由詩8*05-8-9
プー子さんの退職- 服部 剛自由詩17*05-8-1
月夜の散歩- 服部 剛自由詩16*05-7-21
月へ昇る虎- 服部 剛自由詩8*05-7-21
鎌倉・報国寺にて- 服部 剛自由詩5*04-7-31

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