すべてのおすすめ
ワイパーを身体につけたんだよ
ネジでさ、おへその穴に固定してね
勤続十五周年だもの
いろいろな人が去っていったもの
自分へのせめてものご褒美だもの

憧れていたんだ、ワイパーのある ....
君が積木など買ってくるものだから
僕らは積木遊びをするしかなかった

家をつくって
壊し
城をつくって
壊し
他につくるものなど知らない僕らは
やがて一つ一つを並べ
街をつくり始 ....
起きたら
三島由紀夫だった

下唇を噛んだら血が出て
三島由紀夫の血はこんな味なのか とか
白くて小さめの歯は けっこう硬いのだ とか

会ったことないのに懐かしむ

せっかくだから ....
 うまれた時に にぎっていたのは
 青いちいさな さみし石

 てのひらからもぐりこんだそれは
 ぼくの ひざっこぞうになった


 ときどき いたいの
 とっちゃいたいと おもう ....
 おかあさまに叱られました
 穴など開けてはいけないよと
 でも もう 私はすでに
 頭といわず 心といわず
 いろいろなところに
 穴を穿たれてしまいました


 すうすう寒いのです ....
足のないネクタイは
人の首にぶらさがって移動する
それも不便だろう
足をつけてあげると
嬉しそうに部屋をかけまわり始めた
帰ってきたら
スキップの仕方を教えてやらねば
今日も足のつい ....
陽は傾き 窓辺にからみつくアイビー
逆光の影   開け放った窓

私のため息があなたに届くころ
西の空はしずかに今年の終わりを告げる

もうニ度と会いたくありません
無理して告げる機会も ....
寝返りをしたら
ごめんねと言われたので
うんと言った
ああ そうだ
とびきりのイイ男の彼氏と寝れば
マニキュアの爪を
しげしげとながめたりする

ミネストローネをすすって
口紅つけて ....
私はあなたを失いたくないと
思っていたけれど
あの頃 あなたを失えるのは
確かに私だけだった

私はあなたに
遠くになんて行って欲しくないと
思っていたけれど
あの瞬間 あなたを遠くに ....
母さん、
ほら、春の風が吹いて

そろそろ僕も
行こうかと思います

春の風は早足で駆け抜け
いつも、僕は一人残されてしまうから
風のすべてが海の向こうに渡る前に

そろそろ行 ....
ほくろが動いてないかたしかめる。

玄関へ行って
あなたの靴に 足を入れる。

私は帽子かけの帽子になってしまったのだろうか。

りんどうを掴む

足首に捲く。
コーヒーをいれました
二杯
一杯はわたしのために
そしてもう一杯はあなたのために

並木のイチョウは黄色く色づき
風が吹くと何かの音をさせる季節
けれども窓は閉じられていて
見るこ ....
  


いや

つぶやくようにふるえると
夕焼け

きみのくちびるが夕焼け

のように
まわりの景色をちょうどいい速度で染めてゆき
滲ませ

くちびるから夕焼け

 ....
三食昼寝つき

おやつもつき

まいにち決まったお散歩コース

決定権は

打算と好奇心に基づいているため

決まったように見えなくとも

忠実なのである



初潮を ....
二月ぶりに実家に帰り
仏教徒のくせにクリスマスに会う
きみはいつもの通りアニメソングを口ずさんでいて
まるで昨日別れたようにわたしに声をかける

いつものように15分遅れて
待ち合わせ場所 ....
みかがみが
てらり、と照らすので
波紋がまぶしそうに空気をつたっていく
みだれ飛ぶひかりがひとしずく
手のひらに落ちた
代わりにチェリーをひとつぶ落として
みなもを揺らし、くり返す

 ....
(あ)


っという間もなく
それはもう

ではなかった

語られることのないおとぎ話は
ただ
さらさら
さらさら
と音めいていて

僕の両手はいつも
掴まえることが ....
ほの暗い駅
列車の中で一点を見つめている
あなたの眼差しを見送る

”お気をつけて”

その一言だけが伝えたかったのだけれど

ベルが鳴り止んで動き出したのは
列車ではなく
ホ ....
胃が四つに分裂しています
健康診断の結果、そう言われた
どういうことなのか理解できずにいる私に
つまりは反芻するということです
医者はたたみかけるように言う

反芻とはウシがするあ ....
すばらしい日は
目から はちみつが出る

下を見れば
青い空き缶が吸い殻入れ
もたれかかれば、白い壁はやわらかい

ドアをあけると
黒壁に詰まった、赤い自販機

吸い殻入れの隣に
 ....
彼はにんじんだが
私がおろしてしまった

まな板のすみに にんじんのおろし
主人の好きな きんぴらをつくらなければいけないので
いつもより速く ごぼうを切る
トマト 枝豆も切る

その ....
彼は ニンジンだが
私が すりおろした

まな板のすみに ニンジンのおろし
三角コーナーの裏に 皮

ステンレスにはりついたオレンジのひし形は
彼が
私に言いたかった唯一のことなので
 ....
夢を食べて生きてはいけない?

この季節、月はとても高いところを通る。
もちを食べていたら
中から
ラケット二本と
シャトルが一つでてきた

正月は羽子板だよね
とか言いながら
僕らはいつまでも
バトミントンをし続けた

あの日
何回まで数えるこ ....
真っ白な画用紙の
その真ん中に

僕は

しま

と書いた

画用紙の海で遭難した船乗りが
泳ぎ疲れないように

ある日、画用紙の海で遭難した僕は
後悔することになる
 ....
あんちゃん大学出の新人か
ゆくゆくは幹部やな
まあ研修期間は「ご安全に」やな

あ〜
かっこ悪う
そんなピチっとした作業服にするさかい
ちょっと踏ん張っただけでケツが破れてまうねん
ま ....
古本屋の女主人は
若くて
美しくて
両の目の間が人より少し離れている

本をめくりながら
チラリとその方を見たりすると
何故自分が生きているのか
時々わからなくなる
ゆらゆら揺らめく
かげろうの下にある水に入りたくて
僕は走り出そうとする

遠くに行っちゃだめよ

手を引き寄せられた
夏の日のいつか

日傘を差した母を困らせるなんて
したく ....
あの夜
たしかに家出は決行された

両親が寝静まるのを待ち
荷物は何も持たず
ズボンのポケットに
ありったけの小銭と札
そして中也の詩集をしのばせたあの夜
たしかに家出は決行された
 ....
こたつの中でぼくは、猫を見つけました。
その猫はこたつの中であっちへ行ったりこっちへ行ったりしていました。
ぼくは、こたつの布団をめくりつつ、尋ねました。
「何してるの?」
「今日と明日の境目 ....
かなりやさんの自由詩おすすめリスト(106)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ワイパーのある生活- たもつ自由詩2204-1-15
朝のこない団地- たもつ自由詩2304-1-6
服と裸- 山内緋呂 ...自由詩36*04-1-5
さみし石- こん自由詩504-1-3
ピアス- こん自由詩5*04-1-3
ネクタイ- たもつ自由詩904-1-2
陽のあたる部屋- 野島せり ...自由詩103-12-31
深紅のペディキュア- 野島せり ...自由詩4*03-12-29
壁のない部屋- 野島せり ...自由詩3*03-12-29
旅立つ- たもつ自由詩1603-12-28
- 山内緋呂 ...自由詩5*03-12-27
テーブルクロス- たもつ自由詩803-12-26
夕焼けが足りない_9- AB(な ...自由詩503-12-26
サンクチュアリ- あみ自由詩203-12-26
プレゼント- 竹節一二 ...自由詩403-12-26
隠れる湖- からふ自由詩503-12-25
「あいうえお」(「五十一のデッサン」より)- たもつ自由詩11*03-12-24
発車ベル- たもつ自由詩3203-12-18
モー- たもつ自由詩903-12-16
はちみつ- 山内緋呂 ...自由詩703-12-15
一品料理(既婚編)- 山内緋呂 ...自由詩403-12-13
一品料理(独身編)- 山内緋呂 ...自由詩203-12-13
ぼく、ばく。- 小池房枝自由詩6*03-12-12
もち- たもつ自由詩12+03-12-11
- たもつ自由詩803-12-8
ネジ締めたろか- AB(な ...自由詩1703-12-6
- たもつ自由詩903-12-5
かげろう- たもつ自由詩803-12-3
あの夜- たもつ自由詩603-11-19
こたつの中で。- 千翔自由詩203-11-18

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