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カーテンを開けると大雨だった

ひどく気が滅入る日曜日だ

さらに気が滅入ることに

カーテンを開けたのは彼女の方で

私は外で立ち尽くしていた
私の体には
悪魔が憑いている

赤い悪魔は
常に私につきまとい
常に私を苦しめる

けれど
彼を失っては
私はたちまち死んでしまう

赤い悪魔は
私の血をすすり
私のために働 ....
牛乳を買ってきたつもりだったのに
袋に入っていたのは
それはそれは立派な
乳牛だった

妻は、こんなものどうするつもり、と怒りまくり
娘は、牛さんが来た、と大喜びをした

毎朝、新 ....
くちびるに海苔がついているから
愛してる
って言葉も
何だかシャケっぽい
芝生にはたくさんのシートがひかれて
僕らのピクニックは
その一番隅っこ
風で泳いでいかないように
いろいろ ....
「ずっと恋人でいましょう」
と言って 結婚をしました
結婚をして15年
ずっと敬語を使っていますね

「待たせました」
「出来ていますか」
が好きです

ついに私達の娘は
ロングス ....
透明な波が
どこからかやってきて
ささささあん、ささささあん
とうち寄せてくる

けれど
透明な波はあまりに透明だから
私はいつもそれに気づかない

例えば
静かな朝の食卓
箸を ....
こびとは手紙の最後に
「こびとより」とそえたあと
「こ」と「び」のあいだに
小さく「い」の字を書きくわえた

しばらくながめているうちに
恥ずかしくなったのだろうか
てのひらで手紙を丸め ....
妻と相談して
家にエレベーターを取りつけることにした
けれど、取りつけた後で
この家には二階も地下室も無いことに気が付いた

ボタンを押すと
チーン
と音がして扉が開く
上にまいりませ ....
彼女からの手紙が
炊飯器の中で見つかった
もう
ほっかほかの
ぐっちゃぐちゃで

炊きたてのご飯はうっすら黒く
食べると微妙にインクの味がする
時おりぐにゃりと繊維をかんだりもする ....
何気ない一言が
マッチ売りの少女の
最後の一本のように
胸に火を灯す

恋は
死んでしまったけれど
死に顔はきっと
幸せそうに違いない
人差し指に生えた翼が
大空に憧れるから
気がつくとわたしの左手は
空にまっすぐ伸びている
飛びたくても飛べない右手が
それにつかまって
わたしだけ一人
地面に足を生やしている
いっこうにかまわないよ
赤唐辛子まるごとでも
肉厚のにんにくひとかけ
適当に刻んで
汗ばんだ体温で茹でるスパゲッティ
沸騰する茹汁の泡々
鍋に浮かぶひとかたまりの雲に
見入ってしまう
 ....
二十数年前
大量の醤油を飲んで自らの命を絶った科学者がいる
それが私の父だ
いったいどれくらいの醤油を飲んだのか
警官が説明しようとすると
母はそれを遮り
私の手を引いて長い廊下を歩き ....
【透明人間の憂鬱】

透明人間の悩みは
最近、髪の毛が薄くなってきたこと
これでも若いころは
リーゼント、ヨロシクきめて
ハマのあたりでバリバリに透明だったぜ、ってなもんで
今ではバ ....
裏庭のトマトをもぐようにわたしはわたしになまえを
いくつもつける
(たとえばフランチェスカ、など)
そこにいるわたしテーブルのうえのわたし
わたしがすでにいないところにいるわたし
テーブルの ....
おはよう
クラスメイトのヒロコちゃんが
すこしだけ立ち止まってから
手をふって駆けていく
角をまがって見えなくなる

太陽に傘がかぶっているから
もうすぐ雨だ
ランドセルのなかみを ....
かなりやさんの自由詩おすすめリスト(106)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
大雨- たもつ自由詩2603-11-13
赤い悪魔- 春日野佐 ...自由詩103-11-11
一杯の牛乳のために- たもつ自由詩1903-11-2
ピクニック- たもつ自由詩603-10-27
告白- 山内緋呂 ...自由詩36*03-10-24
ぷかぷか日和- たもつ自由詩703-10-20
風にわたって- たもつ自由詩1403-10-20
世界エレベーター- たもつ自由詩3903-10-14
置き場- たもつ自由詩1803-9-30
恋の死に顔- primrose自由詩103-9-18
憧れ- たもつ自由詩303-9-8
ペペロンチーノ- 野島せり ...自由詩803-7-10
醤油- たもつ自由詩9203-7-9
透明人間と- たもつ自由詩4703-6-23
テーブルのうえのフランチェスカ- なを自由詩3203-6-18
学校- アンテ自由詩3*03-4-11

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