テーブルクロス
たもつ
コーヒーをいれました
二杯
一杯はわたしのために
そしてもう一杯はあなたのために
並木のイチョウは黄色く色づき
風が吹くと何かの音をさせる季節
けれども窓は閉じられていて
見ることも聞くこともできませんでした
一口含み
ああ、幸せだ
というあなたの言葉の意味がわからなくて
視線をテーブルに落としました
テーブルクロスの絵柄はカエルでした
彼らはオタマジャクシの時期を知りません
描かれたときから
すでにカエルだったから
どうしてこんなものを買ったんだろう
って
そんなことばかり考えているわたしに
コーヒーのことは言ってほしくなかった