君は脱ぐ
同時に着る
どんなに脱いでも
君は君の核心から遠ざかっていく
まばゆい光の中
生まれたての姿になり
男たちの暗い瞳でできたプールを泳ぐ
淵に腰掛けていた男たちは
....
いつだって
君はその場しのぎで生きている
辻褄合わせに行き詰まると
多段式ロケットのように
それまでの人生を切り離し
昨日までの生活
昨日までの人間関係を
リセットするかのように生きてき ....
私という形がなくなってゆく
壊れた時計の螺子は緩んだまま
閉じた瞼に踊る蒼白の輪に
何かを託そうと指を動かすけれど
心はいつもの空へと還ろうとする
私を破り捨てて昇る世界は
思うより華 ....
ふらふらと酔っ払いの千鳥足
さみしがり屋のピエロは口笛吹いて
今宵も月夜の道を歩いています
膝を落とし 手を差しのべ 愛を乞う
寒がりな裸の心を胸に{ルビ潜=ひそ}めて
夜空 ....
まず考えなければならないのは、このフォーラムも官警により管理されている(若しくは、
される危険性がある)という事、そして、その事により管理者である片野さんにご迷惑を
おかけする可能性が多分にあると ....
駆け抜けろ!今の奇跡を
唸る肉体に熱いボディを載せて
光るうねりの中
喝采はまだまだ早い
スタートダッシュが決まれば
後は走り抜けるだけ
煌めきを乗せて突き進む
嬌声をあげて突き進む ....
殺風景な通路のソファに座って小説を読んでいた。見渡す限り廊下で窓からの光が心地よい。他に誰も見当たらない。
そこへ、黒く細長い布を持った天使が僕の前で立ち止まった。僕を舐めるようにまじまじと見 ....
基本給渡して
それで終わり
基本給の愛情は
変換すると「亜衣嬢」って出る
君にとっては
おもちゃみたいなもの
シックスセンスよりセックスセンスが欲しい
と思ったけど
僕たちいつかは ....
ヒロシマを忘れるな、と
私はうたわない
ナガサキを思い出せ、と
私はうたわない
アウシュビッツに吹いた風を
私はうたわない
東京のくらい空の波を
私はうたわない
私がう ....
高温のベランダ。光が照らす形。光に溶けていく体。ここから先へはいけない。夜が待っている。
蛙は水田で鳴く。鳥は空で鳴く。人は蛙と鳥のあいだで鳴く。ここから先へはいけない。朝が待っている。
芸術 ....
ふと、気づけば 星々は消えてゆく
ふと、気づけば 星々は生まれゆく
死と生を正味する確かな空間の中で
嘘もすっと透き通る夜の無のように
嘘さえも返って来ない虚空のように
優しい嘘つき ....
2.4インチの覗き窓から
フォーラムの様子を覗くと
姿かたちは一切弾き飛ばされて
創ろうとする心模様が
際立って見えてくる
格好なんか気にしない
生まれたて ....
オレンジ色の光が長い影を作って
ひび割れたアスファルトに 残る
赤いランドセルが自慢
こんなに綺麗に使っていたのは私だけだったから
なのに もうこんなに汚れてしまったのね
引っ掻 ....
この箱には、物は入らないよ
なにが入るのかという問いかけには
言葉ではあらわし難いな
この箱は小さくて、しかもガラスよりも壊れやすいのさ
色は、透明で時が経つと周りの環境によって変わるんだ ....
太陽は ハルシオンになり
満月の 夜 墓標は
デパスとなる
太陽を つかめ
「酩酊感、王冠を 被れるよ ピカピカの 脳 睡眠障害の 王者
逃れられなくなる 昔は 一杯いたのにね
....
いつの頃からか覚えた喜びという形
空を見上げたら本当は逆さまだという事に気付いた日
悲しみの水辺から這い上がったあの瞬間
そこに無言で立っていたのはキミの影
何かに圧倒されて押し出された街 ....
刈り入れ、葉、枯れ
わたしたち。
貧窮は カタカタ 呼ばわる
明るさについて。
茎が折れ、そのあたりを、
嗅ぐ。 鼻孔、ひらき、
足も萎え、
何度もなぐられた ....
ジャンボと呼ばれて
恥ずかしそうに
笑顔を向ける
強いプロレスラー
無敵なのはブリキのクルマ
強すぎる季節限定の清涼飲料水が
宣伝中の富くじ
裸でも過ごせる夏は
死人が ....
高見を目指す為に
飛ぶ為に
沈み込む事もあるだろう
墜ちる事を目的とは決してせず
重力に翻弄されるようなものでなく
沈むなら
堕ちるくらいなら
闇を突き破る勢いで跳べ
心底闇 ....
もずくがすきなのだ、と 初対面で言い放った
うみ育ちのあなた に コロリ
わたしは どこまででも わたしだから
かならずしも 噛み合うばかりが さだめじゃないの
ラララ どこかで聞いた ....
願わくば彼女が
オレのことを「愛してる」なんて言わなくてもいいから
オレ以外の男を罵ってくれれば
オレよりカッコいいヤツのことをボロクソ言ってくれれば
それでいい
それい ....
コンサート打ち上げの夜
僕はあなたに 誘われる
あなたは知っているくせに
知らぬ振りが得意
女の武器 口元に仄めかし
手招きの指先 鳥かごの扉を開け放つ
誰も見てないはずだった
誰も ....
帰り道に迷って
泣いてる子羊
あの空の羊雲は
違うよ
君の帰るところじゃない
涙を拭いてよく見てごらん
発見はいつも
ほんの足元からはじまるんだ
背伸びをしてると
ほんと ....
愛しのフランケンシュタイン様
あなたに隠していたことがあります。
あなたをそのような愚鈍な怪物に
創り上げたのは私なのです。
ただわたしだけを見るように
ただわた ....
白くふちどられた白の中で
僕は病身だった
看護婦の中の
とびきりのセクシーは
ボタン一つで僕のベッドにやって来る
赤い口紅
赤いマニキュア
....
君は針のように尖っていて
僕の心に突き刺さる
あまりにも
細くて尖っているものだから
君が僕の心に突き刺さっていることなんて
とうの昔に忘れていたよ
けれども君は君で
いつまでも僕の心に ....
寄ってきた子供達に
お菓子をふるまってた 米兵に
自爆テロがつっこみ
多数の子供と兵士が
亡くなられたという
手をだす子らは
わざと 足止めしたわけではないにせよ
いつもそう ....
俺はある女を好きになった
愛していたと言ってもまだ足りないくらいに
だが彼女は他の男を選んだ
俺とは違う別の男を
彼女といる時間だけが俺の全てだった
一生それは変わらないとも
信じてい ....
恋に目覚めたとき
君は書くだろう
恋に焦がれた
男の詩を
愛に恵まれているなら
君は書くだろう
優しさ満ちた
日々の詩を
性に欲望したとき
君は書くだろう
交尾に狂う
獣 ....
妄執の日々
愚弄かつて
家族が失った苦しみ
他の誰かが抱く
鉄よりも冷たい
透明な角材
緊張に彩られた
角形のビーカーに
半分ぐらい水を張り
一気に墨汁を流したような
暗い部屋
....
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