山より落ちる一粒の
わずかばかりの水なれど
一つ一つとまた一つ
上から押され下へゆく

岩から岩へ結ばれて
わずかばかりの道なれど
下へ下へとまた下へ
道はつくられ道はある

落ち ....
  笑い
                  2001/05/20
                 (現代詩フォーラム既出)

一人遊びの友は静かにほほえむ
彼の目にも明るい影が白く光り
 ....
   光を

真昼の太陽を 目に映す
視界は暗くなり
ただ一点太陽だけが白く浮かびあがる
そこから
視線を外すと
しばし辺りは暗転して
浮遊する幻覚となってしまった
私は
みずから ....
郵便受けに
故郷からの便りが
届いていたので
返信を認めて
ポストに投函しに
夕暮れの街に
足を向けた時には
五時の鐘の音を
久しぶりに聞いていた

その独特の匂いに
包まれるよ ....
{引用=
雪睫毛、って言葉を
貴方に送る手紙の冒頭に書きたくなって
意味も勿論分からないままに
便箋を箪笥から出してきました


「雪睫毛」


二〇〇六年 十二月 三十一日 大 ....
何も書かれていないノートに
想いを綴る
真っ白な小さいノートの中には
えんぴつでしか書かれていないけれど
そこには
色がある
歌がある
風がある

とても小さな平面の上には
とても ....
用がないのなら蔑んでほしい
花瓶に毒薬を満たしてほしい
洗浄された小さな濡れた手を無造作によこして
あの虜囚の唇をバラバラにしてほしい

街頭の窓からそぞろ歩きする骸骨をみたんだ
そいつは ....
息をすって
息をはいて
それを一緒に
森の中で

雨にぬれて
森の中で
息をすって
息をはいて

おまえのこころ
いばらのとげに
息をすって
息をはいて

 ....
あなたの心の手を広げてください
そして
風を抱きしめてください
ほら
やわらかい風が
あなたの微笑みに応えている
もしも
あなたが涙を流しそうになったら
ここに来て
大地に浮きましょ ....
目にいたい ふゆの青空 雪国の
                   広茂
遠い視線につらぬかれた夢のゆらぎに
ことりのさえずるこもれ日がそよぐ

おおきなまなこの
星夜のような瞳が
瞬きはせずに
宙をみつめている
しろい肌には
翼がしずかに舞いおりていた
 ....
カーテンの裏に潜んだ結露を
指でなぞると
するすると雫は流れ落ちて
行き場のない小さな水溜まりは
冬の外気と人の温みのあいだで戸惑っている

わたしはうっすらと冷えた指先を持て余しながら
 ....
冬の雨が上がって
しっとりと潤った空気に
小さな蕾が目覚め始める

春と呼ぶにはあまりに早く
陽射が弱々しく届いて
蕾の外側だけがほんのり白く染まる

冷酷な北風には
他愛もない出来 ....
月のしずかを詠むほどに

月を
寡黙に封じ込む


 聴きそびれていたかも知れない
 のに

 細い肩には雲をのせ
 風をたよりに
 風さえも
 去り


物云わ ....
ドロシー、カサブランカ、
喪中の君が
家の塀で遊んでいる
数台の引越しの車が側を通り
今日もどこかで引越しがあるのだ
と何となく感じる

言葉はまだ書けないから
でも言葉はもう口に出来 ....
それから(あ…

涙のさめる速度で
失ってゆく
かつての海原へ
予感する視線がまっすぐ立ち
地軸のかたむきをなぞる
そっと
(夢を瞳の奥に燃やしている核心
のぼっていった少しばかりの ....
海よりも深く
山よりも青く
ブックマークにも
恋の名残り
兄ちゃんのヘタクソなギターを思い出す
12月、寒い夜

妹は彼氏が出来たとはしゃいでた

東京には空もないし、星も見えないぞ
父ちゃんは乱暴に俺の頭をはたき
戻ってくるなと言った ....
青くかわいた微笑が枯れている
丸められた角を
階段とする
素数が熱せられながら
現象をのぼっていく

さようならは一度きりであって
すがすがしい光ならば
いつであろうともやわらかく待っ ....
なにがあろうと
時間はすぎてゆきます。
けれど
私はいまでも青年、少女
夜空の星をみあげるとき
風にゆれる花をかぐとき
山の小川で口をすすぎ
鳥の声に耳をすますとき。
そのとき、
こ ....
季節はもう冬支度なのに
たんぽぽの綿毛になるんだと
あなたは言った
過ぎ去った日々を惜しむかのように
ひとびとは
大きな樅の木の下に集いだす
そんな季節に
たんぽぽの綿毛になるんだと
 ....
ロシータっていうおばあちゃんは
サンホアンで一番年取ってて
猫にやさしくて
工房の隣の彼女の家には
いつも猫がたくさんいて
使い物にならないボートが
とまっている
 ....
夜寝る前に読書していると 
開いた本のなかから 
うっすらと光を帯びた手があらわれ 
わたしに差し出されていた 

その手を握ると 
不思議な想いが心に流れ 
明日に怯えるわたしの影は  ....
ふりしきる雨
雨してしまう
雨の
冷たい
季節
星夜

さく{ルビ夜=や}




影もなく
灯る
灯台の夜が
流体にひそみ
その吐息にふれれば
はち切れて ....
黄昏時には不意をついて
冬が何処からか現れ
桜の枝で褐色になった枯れ葉と
わたしのこころを繋いでしまう

ポケットに入れた手が
ほんのりと寂しさに温まる頃
去年届いた便りの
名前が消え ....
若駒引きて 闇惑う
若苗河の ほとりにて
割れては結ぶ 艶(あで)な縁
公魚(わかさぎ)の脇 浮かぶ月


沸かし冷ましの 湯女煙り
若燕一羽 迷いしは
湧き立つ女陰(ほと)に ....
ここは田舎町だから
電車の中はいつもの様子
ポツンポツンと
どこに座れば良いのか
迷ってしまう
どうせ辿り着いてしまう

ガタンゴトン
揺れる
窓の外には
見慣れているという
さ ....
本を開くと
そこは遠い昔の日本のお寺 
お金持の人々が行列をつくり 
次々と賽銭箱に大判小判を投げ入れて 
ぱん ぱん
と手を合わす 

そこへ 
ひとりの乞食があらわれて 
薄汚 ....
 若人は旅をする
 知らない逢ったことのない
 運命の人に出会うため
 
 時代の洗礼を受け
 今、潔く出発せよ
 
 長く続くだろう道の目的地は
 皆同じ
 どの道を辿ろうが
  ....
風に
どこまでゆくの?
と尋ねたら
 わからないけれど
 吹けるところまで
と返事をして
どこかへ行ってしまいました

雲に
どこまでゆくの?
と尋ねたら
 わからないけれど
 ....
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