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深夜、男友達から『お前のことずっと上海してた』と電話。ひどく
驚き、『ごめんなさい』とだけ応えて電話を切る。自分の言動を振
り返り、しばらく彼には会わないでおこうと決める。図らずも点と
点 ....
君の狐つきもすっかり板についた四月の日没さ
今日は良い天気だったんだね、ほら、宵の明星
という意味のケン、ケン、ケン、そしてJump!
君のJump!はいつもいい匂いがするね
だから僕の目 ....
春の電撃作戦。開始。
街のいたるところで僕らは耳に手をあてる
どかん
それは小さな破裂
作戦が始まった合図だ、ほら
そしてまた、どかん
コンビニで働くあの娘、最近きれいになったね
と ....
肉体を支えるものが骨であるならば
空を支えている骨は人の想念である
人が空を想うかぎり空は空であり続け
けして空は空から落ちてくることはない
つまりそれは
人が人であり続けることと同 ....
(?)

夜の路地裏で
また一歩
靴音が連れ去られていくのを見ていました
静寂の胎で
わたしは叫びにも満たないのです

壁にもたれて煙草を吸いながら遺された足跡に浮いた灰汁を眺めていた ....
ハロー、ハロー
周波数はあっているか、こちらはDJ
十三年ぶりに新種のサンショウウオが発見されたそうだよ、皆さん
サンショウウオが好きなDJとしては久しぶりに嬉しいニュースだ
寒い日が続く ....
あなたの背中に吹いた風が

ここまで届くようにと窓を開ける

どこからか

たどたどしいリコーダーの音が聞こえる

この星はとても小さい
日曜の朝刊はテレビ欄から読むのを習慣にしている
新しい連続ドラマなどやっていないだろうか、なんて
A4サイズに畳まれた新聞をA2まで広げたとき
私はテレビ欄に挟まれていた1本の髪の毛を発見し ....
夜が

よるが

よ る が

唇に夜

指でなぞって



来ている



+



夜は沈殿する夜
夜を沈殿する夜
夜に沈殿する夜

なん ....
夏、庭にアリクイが迷い込んだ
首輪をしていないところをみると
たぶん、野良アリクイだったのだろう

アリクイは庭で蟻を食べ続けた
長い口先から長い舌を蟻の巣めがけて伸ばし
舌に小石や砂 ....
ワイパーを身体につけたんだよ
ネジでさ、おへその穴に固定してね
勤続十五周年だもの
いろいろな人が去っていったもの
自分へのせめてものご褒美だもの

憧れていたんだ、ワイパーのある ....
それがほしいのだという
網の籠を背負って
捕まえて入れるのだという

静かな息に
舞い上がり漂ったのち
重さを感じて落ちてくる頃に
掴むのだという

小走りに途切れて
靴音の後ろか ....
君が積木など買ってくるものだから
僕らは積木遊びをするしかなかった

家をつくって
壊し
城をつくって
壊し
他につくるものなど知らない僕らは
やがて一つ一つを並べ
街をつくり始 ....
私はポツンだ
宇宙のポツンだ
名も無く朽ち果てていく
歴史のポツンだ

それでも大地に立ち
呼吸をし
飯を喰らい
排泄し続ける

この私という存在
母さん、
ほら、春の風が吹いて

そろそろ僕も
行こうかと思います

春の風は早足で駆け抜け
いつも、僕は一人残されてしまうから
風のすべてが海の向こうに渡る前に

そろそろ行 ....
(あ)


っという間もなく
それはもう

ではなかった

語られることのないおとぎ話は
ただ
さらさら
さらさら
と音めいていて

僕の両手はいつも
掴まえることが ....
さあ飲み込んでおくれ昼白色
いつだって
顔色は砂消しゴムに削り取られて
誰の表情も覚えられない
滲み出てくる血の色さえ
夕食のトマトにすりかわっている
トマトは嫌いだ。
それでもだ
夜 ....
ほの暗い駅
列車の中で一点を見つめている
あなたの眼差しを見送る

”お気をつけて”

その一言だけが伝えたかったのだけれど

ベルが鳴り止んで動き出したのは
列車ではなく
ホ ....
ししゃもはいいねぇ
そういって親方は
お弁当を頬張り
しわくちゃの目尻が
太陽でいっぱいになる
胃が四つに分裂しています
健康診断の結果、そう言われた
どういうことなのか理解できずにいる私に
つまりは反芻するということです
医者はたたみかけるように言う

反芻とはウシがするあ ....
悲しみは忘れた頃にやってくる

悲しみの上にも三年

悲しみ盆に返らず

千里の道も悲しみから

咽喉元過ぎれば悲しみ忘れる

悲しみの悲しみによる悲しみのための悲しみ

 ....
エミリー
あなたと最初に出会ったのは羊水の中
あなたは何も言わず
私を蹴って押し出してくれました
あなたはそれっきりそのままで
難産だったと語る母にあなたのことを訊いてみたのです ....
イメージするということ

たとえば

ゴキブリいっぱいのプールに放り投げられるということ

眠っている間に鼻の穴から寄生虫を入れられるということ


イメージするとい ....
少女が外に出てくると
夕焼けが昇りはじめ
朝となる彼女の世界
「いつだって始まりが終わりつづけている」
そう言って
細めた目の中で
全ての映像は押し潰されていった

塵となったものたち ....
自分の名前がついてるとも知らず
いわしは
雲を見ていた

自分の名前すら知らないままに
その赤く染まるのを
あの夜
たしかに家出は決行された

両親が寝静まるのを待ち
荷物は何も持たず
ズボンのポケットに
ありったけの小銭と札
そして中也の詩集をしのばせたあの夜
たしかに家出は決行された
 ....
父も母も老いた
しばらく会ってないきみの両親も
老いたことだろう

時々ふと、水洗いでかさかさになった
きみの手を握りしめたくなる
というのはかっこのつけすぎかもしれない

十年た ....
カーテンを開けると大雨だった

ひどく気が滅入る日曜日だ

さらに気が滅入ることに

カーテンを開けたのは彼女の方で

私は外で立ち尽くしていた
ある日突然
夜空に輝く星がすべて
音符になってしまった

街中の人々は目を凝らし
よく見たが
空にあったのは
2分だの、4分だの、8分だの
そんな音符たちばかり

テレビでの専門家 ....
回転寿司屋に入ると
寿司といっしょにジュースの缶が回っていた
しかもプルタブはあいていて
中身が入っていない

すいません、これ何ですか

ええっと、空き缶ですが

何の意味があ ....
tonpekepさんの自由詩おすすめリスト(1074)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
上海された- 石畑由紀 ...自由詩57*04-5-3
狐つき- たもつ自由詩6*04-4-19
春の電撃作戦- たもつ自由詩2004-4-15
空の骨- たもつ自由詩19*04-4-10
秒針とのコンポジション- 前方後円 ...自由詩604-3-19
ハロー、こちらDJ- たもつ自由詩2004-3-6
アノマロカリス- たもつ自由詩15*04-3-3
毎朝、新聞を読むためには- たもつ自由詩1604-2-10
夜への- たもつ自由詩1104-1-22
くぼみ- たもつ自由詩804-1-20
ワイパーのある生活- たもつ自由詩2204-1-15
蛍追い- 藤丘 香 ...自由詩40+*04-1-10
朝のこない団地- たもつ自由詩2304-1-6
存在- たもつ自由詩803-12-31
旅立つ- たもつ自由詩1603-12-28
「あいうえお」(「五十一のデッサン」より)- たもつ自由詩11*03-12-24
昼白色- 前方後円 ...自由詩303-12-21
発車ベル- たもつ自由詩3203-12-18
ししゃも- 前方後円 ...自由詩2203-12-16
モー- たもつ自由詩903-12-16
悲しみ- たもつ自由詩1403-11-28
エミリー・エミリー- いとう自由詩63+03-11-24
Imagine._And_imagine.- いとう自由詩3203-11-23
オレンジの朝- 前方後円 ...自由詩403-11-22
いわし雲- たもつ自由詩1603-11-19
あの夜- たもつ自由詩603-11-19
十年- たもつ自由詩1203-11-16
大雨- たもつ自由詩2603-11-13
ぱにっく☆は〜と♪- たもつ自由詩1203-11-13
空き缶- たもつ自由詩1003-11-9

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