すべてのおすすめ
食べても
食べても
満たされないの
溢れるくらいの
優しさも
もったいくらいの
気遣いも
まだ
まだ、まだ
まだ
足りないの
....
造られた仮面は
私の傍に転がっていて
「さぁ、お好きなのを選びなさい」と。
私は傍にある仮面を片っ端からかき集めて
全部ちょうだい、と言って笑ってみせた
....
手が、震える
繋がる術を、なくしてしまった
温かい手はなくしてしまった
あぁ、手が震える
この手を握ってほくない
と、言ったら嘘になる
....
午前1時
待ち焦がれるは
君だけの着信音
部屋中に鳴り響く
君だけの着信音
気まぐれな君の事だから
「一時間も何してたの?」なんて
責められない
惚れてしまった私の負け ....
先生?
ちゃんと見てよ
小さなSOS
見て見ないフリしないで。
先生?
『イジメられる方も悪い』
って?
あぁ、そうだね。
私にも原因が ....
捨てないで、なんて
自己中心的な話
おいていかないで、なんて
迷惑な話
君の手に、なんて
すがりつけない
頼らない
でも、もし私が
壊れてしまったら
....
敵の居場所は知っている
私の中の私自身
不細工な顔でこちらをみてる
敵の居場所は知っている
私の中の私自身
敵が憎い
敵が嫌い
敵は無力
....
ぼくは潜水艦になる
押し入れのハッチを閉じて
ながいながい航海にでる
まっ暗の中のひとすじの光は
消えることのない流れ星
ぼくは潜水艦になる
黒いごみ袋に入って
埠頭についたパパとマ ....
たくさんの鳥
そして少しの懐かしい人を乗せ
他に何も無いような空港から
飛行機は飛び去って行った
覚えていることと
忘れていないことは
常に等量ではない
夏の敷石の上で ....
俺はマイナスイオンを浴びようと思った
おだやかに泳ぐブルーギルたちを眺めながら
支流にある光明の滝をめざし
七北田川を自転車でさかのぼった。
野村で湯葉専門店の看板を見つけ
自転車から降りて ....
階段が出港する
上る人も下る人も
その時だけ水夫になるのだった
ドラを打ち鳴らす男、今日も支配人
石の庭に椅子を出して座ると
どちらが本当の笑い話か
ほとんど区別がない
階段の近くで生まれました
階段で話をして
それから歌い
お互いの名前を呼び合い
Tシャツ、セーター、靴下、下着の類
何度も着替えをしました
時々触れて
時々離れて
おしなべてそのどちら ....
カブトエビ、という
小さな甲殻類がいるそうですが
さっきから門の前では
牛に良く似た人と
人に良く似た牛とが
縄跳びをしています
縄跳びが終わったらあの人と牛に
カブトエビの話を聞い ....
2007/03/06
アラビア風に
目の下を
コール粉で
黒く塗る
世紀末の
ガングロの起源かと思ったら
直射日光の
眩しい反射を遮って
目を
....
隔たりを埋めるために
どこまでもどこまでも下ってやるんだと思っている
今数々の生き物たちと別れを告げて
新しい出会いと別れという
いわゆるお涙頂戴を繰り返しながら
たまに ....
国際的なホテルの前には、立派なスーツを着たベルボーイが立っていた。
駐車場から出る車の警告音が鳴らされる。
人々は、まだ見ぬ車の姿におびえ、左右どちらかに少しばかり、ずれる。
大きな旗と、大 ....
空からは 降りてくる
土からは 起きあがる
手をさしのべて
のびをして
あくびする
呼ぶ声にこたえる
うつくしく
わらう
{ ....
1
スタンドミラーの前に彼女は立っていた。
肩越しに覗くと、ブロンドの髪の少女と目が合った。
女装クラブの更衣室は、何故かG・K・チェスタトン「木曜の男」を思い出させた。
2
....
昼時とはいえ、冬だというのに大変な暖かさだった。
コンビニエンスストアで買った500円未満の弁当を手に持って、ベンチに腰を下ろす。
さすがに、風が吹けば体は凍える。冷たい空気は固まっている。
....
頁をめくる指に
降る水がある
温度とそうでないものとが混在し
それは仄かな懐かしさで
やがて積もっていく
一月の末日
漢方の匂いが漂う診療所の待合室
あなたはまだ誰にも知られていない
....
南極のオゾン・ホールが日本の面積の約80倍に....
そんな現実感のとぼけたニュース・テロップを軽く読み流しつつ
某建物の二階にあるコーヒーショップの窓辺からこの文章を書いています。
窓 ....
重工業集積地域を有する日本海に面した地方都市を、分断するように突き抜ける主要幹線道路国道8号線。その通りにある大型電機店の二階、超高画質薄型液晶テレビの前で私は見知らぬ年若いロシア人と隣り合って同じ画 ....
・
夕暮れの遠くに霞む
四台のクレーン車は
輪を描くように向かい合って
なんだか
太古の昔に滅んだ恐竜の
弔いをしているように見える
・
朝に洗濯物を干す母親は
太陽に両腕を広げ ....
酒は止めよう
テンション上げて
暴れて楽しい夜もあったが
最近は愚痴率がかなり高くなった
恋愛話なんか
今さらだし
それを語り出せば
結局昔話になってしまうし
飲むと頭の回 ....
霧雨の夜に、歩道橋の上で見た淀む街は幻のようだった。
息絶えた夜の、ぬめっとした幼い声が聞こえてくる。
修学旅行の記念写真。 片腕の小さな幼馴染。
3tトラックが走る過ぎる風の振動で ....
青空や涙や鉄や靴
そのようなものと
血が繋がっている子
白昼のなかに
いつかのおまえは佇む
姿かたちはみえないのに
挨拶する声が聴こえる
十二月の終わり
終業式を終えた ....
山に囲まれた盆地で、水を集めて田を耕す友人は、
帰り際に、果物をくれた。
中学時代、いやもっと幼いころ。小学校に通う頃か。
唯一の国道113号線が、地吹雪で渋滞を起こした。
雪 ....
部屋の隅で金を拾い
北海道にスキーにゆく
大きな河の中で溺れるのは
明日の昼過ぎだろう
隣の猫の眼にも百年前の
魚が泳いでいるのが見える
俺の顔も猫になって
阿武隈川の清流で溺れ ....
正午、部屋は光に満ちる。
時計の針がセットされた時間に辿り着く。
耳障りな音がする。
木造の匂いが嫌だ
と、公園のベンチで眠るわけではない。
布団で寝たら、起きれないのだ。
明 ....
振り返る
後ろから来る君がはぐれないか
振り返ること
振り返る
君がいなくても
他にはぐれた人がいないか
振り返ること
多分そんなことを教わったのだと思う
それが本当の愛な ....
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