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また一つ
約束を破った
夕涼む縁側
うちわ
ねつ
におい
笑うしかないと
娘は知っている
そいつは何を間違ったか「仲好しこよし」ってしかいわないんだ。
だから、嫌いなものとも「仲好しこよし」
好きなやつとも「仲好しこよし」
誰も、そいつが「仲好しこよし」ってしかしゃべれないなんて ....
夢なんて、
全て描いた絵みたいなモノよ
彼の後ろ姿を見たわ
少し猫背で頼りなさそう
飛べそうにないの
地平線まで駆けていく
風をきってゆく
そして私はおもしろ半分で手を広げたよ
....
コンビニ店員の手を握り締めて
愛を語ろうとしたけどダメだったんだ
あの子は、袋の中身を知っていたかもしれないし
カップラーメンほどの栄養価でしかない僕のエナジーを
あまり良くは思えなかった ....
錦糸町駅で停車した総武線快速に
一匹のナナホシテントウが迷い込んだ
光に向かって飛ぼうとするが
むなしく窓ガラスにぶつかるだけだ
外に出してあげようにも
列車は地下に入ってしまって
....
真っ白な 階段の、背の高い イチョウの木。
見えない ふりをして かくれんぼを続けよう。
「日本最高気温をぬりかえた日」
たいようは 不死身で、僕は 貧弱だった。
君は、砂ほこりを ....
午前三時の一号線を原チャリで走っている
気分はイルカの群れのなかに迷い込んだ小さなクラゲ
あるいはタンカーの間で右往左往する小さなタグボート
とにかく僕は泳いでいて、流れる街灯は揺れる灯台のよう ....
降りかかって立つものがわずかしかありません。 空を見上げるのは、いろいろな事です、そして、するのが可能であるなら、1つを変更する必需品はキックを見ます。 , そしてそして、母が再び星になって、例えば、 ....
校長は絶好調!俺は田舎侍、
辻斬りするの、ザウルス
すべからく太もも弾け、
今日は良き日であるの、ザウルス
あっぱれ、俺は因数を分解する、
分解し続ける、ズシン
が、因数は俺を ....
絶望的なぬるさに
コーティングされているだろう
言葉は発した先からグズグズにとろけていくだ、け、だ
乳母車が坂道から転げ落ちて転倒、泣き喚く母親、宙を飛ぶ乳児。
小さいときに見たサーカスと潰れ ....
朝、布団から勢いよく跳ね起きる。
頭の中に張り付いた夢から現実を奪回せよ!時計の針は九時十分。ジャスミン茶三杯分の時間は残されている。
ビルの屋上の景色。
空とコンク ....
燃え尽きていくのが僕の本能で
輝いているのが君の理性さ
ジャガー・ジョガー
出入りする毎日がすこしずつ見えたらいいのに
割り出した住所を削っていく
テープデッキなら僕が持っているよ
ジャガ ....
永遠に来ない地下鉄の、プラットホームの彼女の声。
青いレンガの双璧が、僕に届く音のすべてを断ち切っていく。
港の、船の、煙の、消える、空の、僕の、小さな、声は、
永遠を知りはしない。
....
涙する者は
死んだあと
青いかなしみとなって
宇宙遠方の
つめたいの霧のなかを
何かを考えてるふうに 歩き続けます
ひとが何光年もの希薄のなかを
さまようはずは ないです ....
木製の、キシキシ音のする、大きな橋。
緑色の柳が揺れるたび、懐かしく思い出す建物。
透明な、湖の、湖上に浮かぶ、大きな橋。
鉄製の、熱を忘れた、冷ややかな橋。
茜色の夕焼けに、灰色の幻影が ....
空には幾世代もの飛翔した軌跡が
白く重なり
海には幾世代もの尾鰭の跡が
果てるともない波を繰り返している
そしてぼくらはときどき
幾世代もの記憶の上に立って
詩を書いていたりする
ち ....
白の終わり
マラソンコースが変わった後も毎朝堤防まで走る
その道程の 掻き曇るどころじゃない
レモン臭い息たち
ゆずの終わり
できたばかりの新しい大きな橋が
デートスポット扱い ....
頭の悪い子がいます
頭の悪い子は
トイレにいます
床の間にもいます
押し入れにもいます
でも
頭が悪いので
とりあえずそこで生きることしかできません
頭の悪い子がいます
頭の悪い子に ....
おおきい かあさん おおきいな
ちいさい とうさん ちいさいな
ひるね ひるね らいおん ひるね
おしろのてっぺん こうじちゅう
+
さとうと えんぴつ けんかし ....
生きていても仕方がないとか
楽しみが全然ないの、とかうるせぇな
それより、そのドリンクホルダーから
腐りかかったコーラを取ってくれないかい?
目障りな顔がすこしは優しくなるなら、かけてやるよお ....
聖地の方角へ向けて祈る
巡礼者のような面持ちで
私は此処に立っていた
星たちの第五待合室
そこにある伝言板に
私が一行書き加えると
誰かが四行詩で返信する
....
バス 食いてえ
ツートン・カラーとか たっぷりの水分を含んだ 薄皮に包まれて
タイヤは曲がったゴムの匂い うは やっぱり
バス 食いてえ
運転手が禁忌する交差点の手旗信号
それ ....
駅から少し外れた道端で
たまごを並べて座り込む少女に
声をかけるものは無く
産み落とされて
孵ることの難しさを
感じながら
帰路
理解されないまま
ひとつずつ
落とし ....
イライザ・ダルムー女史が
口角泡をとばして
答弁するには
その男には確かに翼があって
足は馬の蹄で
胸毛がやけにすごかった
ということだ
でも僕は信じない
自分を売り込むのに一番便利な ....
あわくふくよかな海洋特急列車
が ぼくらを南へはこぶ
間断なく規則正しいマリンバのエンジン音
海に敷かれたレールをゆっくりと
エルスール エルスール エルスール
仲間は海に喰われた
....
久方の親の家にて
車を借りて
まだ新しいそれは気分がいい
エンジンの音
窓の開きかたも
カセットから流れてきた音楽まで
フォーエバーヤング
65を過ぎた父が
免許を取ったのは5年前 ....
あたしは絶対に忘れないだろう
この心を刺す気持ち
きっとたくさん時が経とうとも
またあたしを締め付けるに違いない
何故だろうか
あたしは弱いのに誰かを守りたいと
いつも強く思ってい ....
僕の隣を35度線が貫いていて
本線から外れたところで
あなたがうつむいていた
ような気がして
振り向いてみると
変わらずに
距離は隠してしまう
あなたの隣を36度線が貫いてい ....
いったいなにを鳴いているのだろう
夜の底が蛙の声で沸き立っている
半球はいつも夜のこの星で
絶え間なく鳴き続ける声はいつか
太陽系の外側の宇宙にむけて溢れ出すのだろう
何億年のあいだ ....
遠い国で鳥があの娘を
拾って育てる
鳥はあの娘に名前をつける
あの娘は鳥に名前をつけることを考えている
鳥はあの娘に
おいしいお粥を作らせる
あの娘は庭のいちじくを
鳥にもいで来させ ....
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