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とっくに別れた女と
まだ電波の手紙で
やりとりしてたが
やっと僕の根本が
伝わって
あきらめて
関係ぜんめつみさいる
そんな朝だ
ノーコメント
言葉は今ぼくに
強すぎて
だか ....
たとえば
わたしが沈むとき
くるくるとつむじをなでる
てのひら
がほしいのです
たとえば
わたしがつまづくとき
ついとおでこを押える
てのひら
がほしいのです
たとえば
....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする
抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ
産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした
今も少し
する
....
「人間はおおきくわけると2種類にわけられる」
村上春樹の小説に良く出てくる言葉だ。
僕の中で
2つに分けられる人間は?
それは
「人間は2つに分けられる
君か君以外」
....
一時間に一本だけの電車の中で居眠りをしてみると
回想の中で自分の自分に逢えるので
もう一度と思ってみても
一時間に一本なものだから
すごく困ってしまう
ぼくらは、たまに
どうしよう ....
まわる杖のなぞる
たりない 言葉
目には まだ
うつらない
誰に 誰を重ねる
どこにも いない
今は まだ
今日は 暑かった
今日は 忙しかったと
なにげなく 言い合う
いつもの 二人の会話に
今日も かなしかった と
言うのは やはり
重すぎるので
二人とも
....
こころは ならんでいたい
ゆったりと てをつないで
ならんでいたい
できれば たくさん
ならんでいたい
むりなら せめてふたつは
ならんでいたい
そと ....
午後からの黄色い日差しが
薬指を切断して
といっても痛くはなかったけれど
そこからこぼれてしまったから
月はなかなか登場できない
こぼれたものを
みんなが拾って来てくれた
といっても ....
暗い道に
落ちているもの
気になるけど
拾わない
これまで何度も
何度も
拾った
それらは拾って持ち帰ると
どれも
黒くなった
わたしは悲しかった
暗い道に
落 ....
かぜをたべて
いきているとりを
たべて
かぜは
なんだか
かなしいきもちになった
ほうっておかれて、いいのだ。
忘れていてくれたほうが
ほっとするのだ。
猫じゃらしなんかを
そよがせて
雲の影を
ひたいに映して
空想していたいのだ。
ゆうぐれが
ひとつずつ死んでいく
さよなら、それでも
また明日
会えるといい。
と
なんども手をふる
彼は
東ばかりを見る
橙の
奥 ふかく
つめたく
や ....
小さな小さな
記憶の粒たちが
まるで雪のように
目覚めたての
僕に降る
だけどそれは
とても暖かで
だけどそれは
確かに優しくて
「おかえりなさい」
と ....
スチュワーデスさん、とスチュワーデスに声をかけると
私にはケイコという名前があるんです、とそっぽを向かれる
今度こそ間違いの無いように、ケイコさん、と呼ぶのだが
ケイコは押し黙ってしまう ....
からだが どうん、まばたきしたときの
あのせかいが まっぷたつ から、ゆうぐれて
頭から 地球の中心に ぐん、と押されると
わたし、いつも きまって あやまってしまう
ごめんなさい、ごめんなさ ....
このままどこかに行ってしまおうか
帰りの車中でそんなことを言っていた二人は
どこにも行けないことは知っていたけれど
その言葉だけで十分満足だった
今、僕らは三人になって車も一回 ....
この花は
この花は
もう
やはり
枯れてしまう
水やりを
忘れただけかな
わから ....
「水、持ってこいよ。」
シンちゃんが言ったから
公園の入り口にある水飲み場まで
バケツを片手にダッシュ
焼けた砂まみれの腕に
午後の陽射しは痛い
水飲み場につくと
犬を連れたおじ ....
本当を言うと
おまえは 少し こわかった
祈るように欲得なく
好きというだけで
なにもかもほうりだして
入り込んでゆく おまえに
私が 壊されそうで
少し こわかった
それ ....
霧の森をぬけると
朝朱の陽が射し
湖はゼリーで
きらきらと波打っていた
向こう側へ行きたいの
今がたぶんその時だって わかるから
手をつないでね
ほら、
標識だって あるわ
....
今ここに熟した食べ頃のバナナがあると仮定する
しかし、そのバナナをあなたは食べることができない
何故なら
そのバナナは仮定の話の中でしか存在できないからだ
例えが悪かったかもしれない
....
銀河の天秤がゆっくりと傾いて
月がかろやかに昇ってゆきます
夏の星座の中心へです
澄んだ湖面は夜空をうつし
魚が背びれに月明かりをうけて
チカリ、チカリと輝きながら泳ぎ
まるで流星のよ ....
ゆうやけ こやけ あかねいろ
かごめかごめの こどものわ
ながく のびてく かげのかず
なんだか ひとつ おおいみたい
なんだか ひとり おおいみたい
みんな しってる ....
実家に帰った妻から電話があった
私はその時一人で部屋にいた
お互いの今日の無事を確認した後
私は巨人が広島に負けていると告げた
長距離電話
他に話すこともあるだろうに妻は
清原の調子はどう ....
ひつじが鳴いていた
ひまわりが咲いていた
人がいた 好きだった
目を閉じる
陽だまりのなか
明日なら
死んでも良かった
くろいうさぎが
よりみちしてる
しろいうさぎが
さがしにいった
くろいうさぎが
まいごになった
しろいうさぎも
まいごになった
だけどどこかで
にひきはで ....
あのね もう
いけないと おもったの
だって どろだらけで
おひざ も いたいの
こんな きたなくなったら
あそんでくれないと おもったの
でもね どうしたのって
....
水びたしの指で
コンセントに差しこもうとした
叱られた
しらない世界はいっぱいある
目のまえのオーブンの火照りもしらない
けれど追いかけたりしない
食パンにまかせて
いいとおもう
....
吉岡君
電車の中で思わず声をかけそうになった
よく考えてみれば
こんな時間、こんな場所に
吉岡君がいるはずもないというのに
あの日と同じ顔
学生服のままで
そんな僕はまだ
....
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