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8つのおとうとは
私が夕飯時になっても
食卓に来ないので怒っている
8つのおとうとは
私を呼んでも返事もしないと
私の部屋のドアを蹴り
「何か悲しい物でも、隠しているのか」
と問 ....
障子を そりで 滑る
目で 滑る
黒い瞳は 夜で
誰かが つぶやいた
名前が 揺れて
ずっと そばにいるんだ
閉めた囲いの
中
すべっていくんだ
疑問符をつけてはいけません
押し付けてはいけません
まずい状況では
さらに状況が悪化することがあります
何かをねだるときに使うと
見透かされたときに危険です
正直、あまり使 ....
逢いたい
けど
逢うのは 怖い
知りたい
でも
知るだけ つらい
ゆらゆら
遠い
てんびん座
あなたと
わたし
つりあえないの
あいもかわらず
あたりはブルーベリーガムのにおいばかりしていて
もちろんそれもあなたのせいだった
ねえ
、と珍しく呼びかけてみると
暗闇の方にブーメランを飛ばしたみたいに
見え ....
ストローの紙袋を
できるだけ遠く
白く、吹いて
氷の空へ飛ばす
と
コツンとあたった
かすかな点から
ぱきぱき、と
空はひび割れて
肝油ドロップがふりそそぐ
雪乞いの
甘い甘い、 ....
せかいのきを
みつめていると
ああ おおきいね
だれにも
かぞえられないほど
えだわかれして
たいへんだね
ひとつひとつのえだに
はっぱがついて
あったかいね
ねもと ....
冬の木漏れ日の中で懐かしい歌を聴きました
懐かしくてももう泣けない自分がいました
それが寂しくてそっと瞳を閉じました
太陽が淡く輝いた冬の日のことです
太陽 ....
登校拒否をしようとしたのに
何年も前に卒業していたことを思い出した
しかたないので出社拒否をしようとしたら
数ヶ月前に退職していたことを思い出した
やけになって生きることを拒否しようと ....
白い雪をあなたに投げることもできないので
白い便箋白い封筒白紙の手紙を送る事にした
青い影が落ちる白雪は今日も惜しげなく降り
茶が見えていた土を枯れ色の木々を白に塗り
まだこれから長い ....
あなたの寝息をききながら
椅子に座ります
滑り落ちてゆく夕暮れを
読みかけの本に挟んで
あなたの寝顔を
こそりと見ます
....
夜中、目がさめて階下に降りると
君が僕を積み上げていた
たどたどしい手つきで慎重に積み上げ
途中で崩れると
ふうとため息をついてまたやり直す
時々どこか気に入らないようで
何か ....
たとえば の予防線
あなたのくしゃみとてもかわいい
それなのに
てをつなぐ あたたかい
哲学の蝶がひらり とまっても
むしです やさしいことがすきだから
ウインクのひびきに ....
雪が降る朝
こたつにもぐりこんで
みかんなど食べていると
外で誰かが
“あ”と
こんな寒い朝に
誰だろうと
障子を開けば
雪ともつかぬ
白い梅のつぼみ一つ
“あ”と
ほころび ....
あるいている
みどりのなかを
あるいている
あるいている
かぜをおって
あるいている
あるいている
ひかりのなかを
あるいている
あるいている
あめにうたれて
あるい ....
ブルーシートで窓の外が青い。青い。
午前六時。相変わらず薄暗い部屋。青いよ。
とーもろこしで明日を占う。
ひとつぶちぎって口に放り込む
「いい日」
つぎのひとつぶ
「わるい日」
またひとつぶ
「ちゅうくらいの日」
そうやって半時間
ひとつぶずつむしり食べる
....
俺は
あなたに会いたいけど
会えない
俺は
愚か者に与えられる
金の杯に入った酒を
飲み干してしまった
俺は
愚か者に与えられる
銀のさじ ....
俺は
思いが通じるとか
通じないとか
恋が叶うとか
叶わないとか
そんなことばかり思ってた
あなたのことが欲しかった
今は
ただ
あなたの ....
あの青空が
もし
嘘 だったとしたら
私という心も
嘘 になってしまうだろうか
一つの否定は
不安の輪となって
どこまでも どこまでも
同心円の 嘘
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ
いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
あぁ
からだフワフワ
喉パンパン
心臓バクバク
内蔵カチコチ
目トロトロ
頬ジュウジュウ
こりゃー
完全病気だと思ったら
恋だった
....
細い月のような{ルビ眼=まなこ}で
わたしを見上げ
気怠い午後
ちいさな女の子は
においで愛をおぼえ
耳、伏して
鼻、冷たい鼻
しっぽは昼間にある月を指して
わたしは、その背中 ....
ほどける
ほどけた
わたしの
こころは
もつれた
これから
わたしは
ほどけて
ここから
みている
いつもの
ばしょを
夏のあいだ
身を粉にして働いた
何も言ってはくれないが
役に立てていた
はずだ
もうじき
雪 ....
平らな地面で
あなたのほうに転がって行ったら
笑われてしまう
かたやま なごる くれた つき
ふさがる やみの さする かみ
とほうに さとす ひかる あさ
つづれぬ えふで かこう むね
星と星をむすんで
銀河の階段を
私の窓辺へ
サンタさんが
いちばん最初に
きてくれるように
それは
手
愛 の 簡
も ひらで 単
かなしく に
....
輝く街の灯りにジングルベルが鳴り響き
年の瀬に浮かれ始めている
煌びやかに飾り付けられた店先
どんな夢を売っているのだろう
人の波が溢れる
せわしなく行き交う人 ....
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