すべてのおすすめ
ようやくもの心地ついたよ
って
一旦やめる
一旦やめることを始める
一旦やめることをやめる
そう
こんなもんかって
帰れない夜に
ぐるぐるまわって
溶けるように
こんな ....
角の本屋さんの奥で万年筆を売っている
仕事帰りの女がそっとのぞきこんだ
くもりひとつない飾り棚は
そんな町が好きだった
ゆっくりと溶け始めるアスファルトが
蟻や落ち葉を運んで ....
悪人である私善人である私
どちらでもない私
これらみんなが私
いかがかしら?
とんぼが負ける
こえは たましい
漂っ ている
こえは
森の
乾けない
空
ひきずられる 影
あ
....
目が覚める
生存しているのは誰か
私とは誰なのか
空気の中を漂って
街道に迷子している
雲間に揺れている
教えてくれないか
何処にいるのか
誰がいるのか
今も何 ....
生ぬるい水滴が顔に当たる
スコールのせいでグロテスクに地面が陥没する
逃げるように
雨を避けて
ヤモリがへばりついてる
軒下のアクアリウム
傘を忘れたから
家に帰れない
....
水浸しの草原に黒い鳥たちがいる
どこまでも濡れた大地に星が映っていた
シマウマに乗って宇宙へ行く
果てしなく遠い、天地の境を行けば
そこに揺らめく虚空の入口がある
朝が来れば揺らめきは消えて ....
新しい病院へ向かう車の後部座席で寝転がっ
て、窓の向こうを見ていた。お泊りはもうい
やなんだけど、もう、指を銜えるほどちっち
ゃい子供でもない。やがてドアが開き、傘を
さしながら「ゴメン」と言 ....
私はゴリラ 悪口でいうところのゴリラ
可愛いものに囲まれて生きる ドラミングは控えてる
猫に小判? 可愛いだけでいいじゃない
こっちはゴリラにハイヒールよ 前足はつかないわ
晩 ....
いいにおいがするよ
ひとがゆくところ
いいにおいがいっぱいするよな
かぜにさそわれ
やさいがやさしくいためられ
そっとおはしがならんで
みずまきのてをやすめると
....
・{引用
⚪︎}
波音 のない夜の海の
靴底の湿りけ。
波の 、{ルビ音=ね}に
{引用=
𝘹 }
{引用=なにも 想うことは ....
ひとつ物音が消えてなくなれば、かき消され
ていた音が聞こえてきます。テレビを消して
みましょうか。ちょうど今頃は庭先から、み
なさんがよく知ってるものや、そうではない
虫の音も聞こえてきます。 ....
白い、
そして少し青みがかった雪に身を投ずれば、
はるか昔の少年がいる
そういえば私は昔、少年だった。
と言葉を発する
誰にでもない、
おびただしく佇んだ雪達に向かって
私は ....
草が草の記憶を語りだすと
風の結晶はふと風に溶けていく
掌で温めていた卵が消えてしまった時
わたしは初めて言葉を知った
その日の夕方
新しいベッドを買ってもらった
感謝の気持ちを伝 ....
宇宙のどこかで超新星が爆発している頃
ぼくは縁側で爪を切っている
我々という混沌を気にもせず
おはようございますと近所を装う
猫が欲しい 人も欲しい お金も欲しい
そろそろ寝ますか
それと ....
ちいさくて固い 心臓が
そっと弛まるように
白い雲は
もう 空の高さを競わなくなった
風が足跡をうずめるように
虫達も その聲を次第に顰ませて
次つぎと落ちて プリズムの ....
ダイヤモンドの針をそっと置く
行っておいで
想い出は遠くなるばかりで
美化されたがっているのはなぜだろうか
この溝は
なぞられれば現れる道だ
ふたたび
さみしさの琴線に音を咲かせ ....
十九
土間のかおりが濃い風の中で
今もまだ鏡を磨くその人は
母方の大叔父だった
茶摘みが好きな
ハモニカの上手が
無口な夏の
終わらぬ波の狭間へ
時の流 ....
私たちは畔にいる
この川に隔てられ
あなたとわたし
大空の下 太陽の下
絶え間なく絶え間なく
落ち続けて昇り続けて
洋上で過ごすように
日がな一日、
畔で待ち続けて
絶えず思い出 ....
砂を、食べている
無限に広がる
砂漠で
時々蜘蛛を、見つける
その、内臓も食べる。
そうして今日も
照りつける太陽に焼かれて
流れ出る汗と熱に
揺れる視界に
方向感覚 ....
汗が目をつたい
塩辛さが痛い
草は水を失い
根無し草を被っている
ミンミンゼミは狂い鳴き
一日のはじまりから終わりまで
命の終末まで生を主張する
夏は終わろうとしていた
....
○「想定外の時代」
今は
心配していることよりも
心配してないことの方が
起きる時代である
心配症の人も
心配してないことまでは
考えられない
○「しあわせ」
まだ歩ける
しあ ....
私の人生退屈知らずで
色々な物事が
毎日起きる
合間にほっとして
こころで零す涙
涙の成分には
悲しみ
喜び
色々なのがある
人生の味わい
小さな手花火
火をつけられたら
そこからはじまる
儀式
一瞬燃えたあと
丸く赤い心臓が生まれ
酸素を吸って
チカチカと
この世ではじける
火の花
いっときの命
えいえんには続か ....
{引用=
ぼく に は わ
かる 、
きみの かわい とこ
が 、
何処かで 失われた
ないぶが
表皮の裏側で
うずくまって いる
....
○「じいさんのできること」
「ありがとう!」の一言
勃起しなくなったじいさんのできること
ただそれだけだよ
今日も読んでくれてありがとう!
昔は僕も若かった
どんぶり飯にラーメン大盛
コーラはオームサイズ
昔は僕も若かった
100メートルを全力で走っていた
マラソンを完走していた
昔は僕も若かった
朝立ち昼立ち夕立ち
いつ ....
○「生きる」
鳥たちも
虫たちも
草木たちも
それぞれの生を
迷いなく
生きている
○「今ある幸せ」
今ある幸せに
感謝しよう
今ある幸せに感謝できる人は
幸せだ
○「 ....
暑気 夕暮れ ぶらりぶらぶら
細道の向こう 畏き門構え 雀はかしこみ羽休め
窓から祈る老婆 目が合って はにかんで 愛を知り
古い家 唐突な二階のドア なぜに階段がなくなって
....
子どもが さけぶ 肺をからにして
名前を奪われた 動物を確かめ
さけぶ こめかみをふるわせ
おなじ靴、おなじ服
好きになれない 名前 みなひとまとめに
ぬぎ捨て駆ける
さ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44