涙するとき
いつも
側にいてくれた
いつも
優しく
抱きしめてくれた
耳元で
そっと声を
かけてくれた
今宵
頬を伝う涙
出ないのは
悲しくないからじゃない
側にいてくれる
....
私の
二本の足は
何のために
あるの
明日へ
歩き出すために
あるのなら
あなたが
明日に
存在することを
証明して
あなたが
未来にいないのなら
私は
歩みなど
止めて ....
真っ昼間の北新地を歩くのが好きだ。
北新地というのは、大阪キタの高級クラブやスナックがひしめきあう歓楽街だ。バブルのころは、それこそ“座っただけでウン万円”という店がごろごろしていたらしいが ....
私小説というものがほぼ死に絶え、小説はエンタテイメントとして書かれ・読まれ・消費されるものになって久しい。それに対して、詩というものは、未だに“私詩”とでも呼ぶべきものが大半を占めているように思える。 ....
あの日から
わたしのからだは
透明なゼリーに
くるまれていて
それはずっと
あなたの温度を保っている
その感触は
やさしくて あたたかで ぷるるん
いつまでも
その中にいては ....
土砂降りで
街は
真っ白に
光っていて
おれは
雨の終わる場所を
ずっと
探し続けている
ねぇ、アリス
貴女が居なくなっても
この世界は続くと思っているでしょう
ここは
たまたま落ちた夢の国
だから
たまたまなんて
二度と起きたりしないのよ
ねぇ、アリ ....
あの歌を聴いた
その日の夜に
耳から
目の形の芽が出て
鼻の形の大きな花が咲いて
口の形になって朽ち果てて
あとには
小さな種子が一つ残りました
種は蒔くのが恐くて
大事 ....
素直になれず
一人
苦しむ
不器用な
あなたを
愛してしまった
もう
苦しまないで
いいから
僕の側で
ありのままの
自分を見せて
無理して
笑ったりなんか
しなくていい
....
まどろみの中で貴方の去る気配感じてみぢかき夜を恨みぬ
白肌のうるおう術も知らぬまま落ち逝く沙羅の姿さやけし
雨の矢に毒を塗りたし恋ごころ睡蓮泣きて梅雨雲を呼ぶ
星合ひの前夜に胸の ....
どうしようもないくらいの
空の返還が
わたしに帰ってきた
わたしの唇は青いことでいっぱいになる
空に着歴がある
それは長い長い数列
雲は遠くの蒸気と会話したりするけど
やがて話が尽き ....
涙が流せない
側にいて
励ましてくれた
あなたを
失ったから
パラパラとガラスをたたく
大地から沸き上がるあつさと
ねつの滴りに
味サイが帽子を揺らす
アスファルトは硝煙のかおり
かさのはながさく
しばし 追憶にまどろむ
透明はいよいよ流線型に歪み
ところで季節も
そろそろ夜がいいではないですか
わたしの体の真ん中に
小さな芽が
顔を出しました
わたしはその芽を
大切に大切に
育てようと思いました
その芽は私の体から
養分を取るので
わたしは土になりました
数ヶ月 ....
君に触れたことはない。
君を弾いたこともない。
だけどこんなに心惹かれてる。
これは君のため息。
心弾かれて、今夜も音を愛撫する。
....
母が死んだ
夢を見た
病院でオムツをしながらも
うまい物が食べたいと叫ぶのが
私の母であることは間違いない
自分のことしか眼中になく
子供の声がテレビの雑音にかき消されてい ....
まっすぐ、ね
すすもうとしてるんだけど
うしろをみれば
くねくねと
ついている
あしあと
つまさき だちして
あなたとすれちがった
あたりをながめてみる
あら?ころんだあと
か ....
六月は私を
饒舌にする
こちらにおいでと
手招きする から
とむらわなくてはいけません
あやうく
道路の真ん中に
立っているから自分で怖い
輪郭だけが強くなり
私もい ....
私よりあなたが
あなたより私が
愛していると
愛の深さを
背比べ
この東京に久しぶりに降った雪の後の空は
どうにもいつも見ている空と違い溜息が出る。
こんなに綺麗な空にも関わらず
山手線を走る電車は今日も止まった。
それはつまり、また1人この世界からいな ....
埃っぽい風が立つ
ざわめきの中浮かんでは消えるように
表情たちが行き交う
楽しげでも悲しげでも
逃れがたい虚ろに巣喰われたまま
とめどなく流れつづける
呼び声や歌声が
ざわめきに尾を引い ....
私に
水を下さい
あなたの
笑顔を
優しさを
私に
全て下さい
私は
道端に
咲く
花のように
誰にも
気がつかれないまま
枯れたくないのです
私に
水を下さい
他の誰 ....
強くなると言う事は
自分の弱さに
うまく付き合っていけるようになる事。
私たちは
恋に夢中になっていた
愛はやきもち焼いて
私たちを別れさせた。
からっぽだから
蒼いの
とうめいな翅を
ふるわせて
飛んでいったから
からっぽなの
埋めようとして
あなたが
抱いてくれたとしても
満たされないの
満たされない ....
爆発する新型グランドピアノ型爆弾
ディナーの真っ最中に爆発する新型グランドピアノ型爆弾
ピアニストもろとも木っ端微塵に爆発する新型グランドピアノ型爆弾
+ + + + + + + + + + ....
夜を飛ぶサーチライトをUFOと信じる子には光るシールを
映写機に撃ち落とされた銀幕の穴の向こうの月が綺麗だ
始発にて人気女優のクローンのような女と飛行場まで
新品のアメリカ製のス ....
針はやがて
真っ直ぐに
体に 落ちて
朝は はじまるんだろう
道に ふさわしい風が
崩れた後を 戸締りする
大切なものは 隠され
破けないものは 消した
時刻は
....
一日に一回
空は夕焼けに染まる。
晴れていたなら、だけど。もちろん。
夕暮れてゆく世界は私の手の中にあって
私は一杯のコーヒーを飲み干すみたいに
簡単に
それを飲み干す。
でも確 ....
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