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すべてのものが露わになる前の世界
夜明け前の朝は、そうした匂いが感じられ
鳥は瞼を微動させて小さく羽毛を震わす
風は樹の洞に仕舞われて
リスの鼓動がすこしづつ増してゆく



時を軽 ....
盆の晩夏に浮かんだ重い雲の隙間から
かすかな青い空が
ひかえめにのぞいていた
いたるところに停車された鉄の馬たち
それぞれが夏の欠片をカートに入れて
手綱を引いていた
盆は静かに終わりをむ ....
山が私を待っているわけではない。山の作業が私を待っているのである。
朝からミンミンゼミは鳴いている。
心の洞窟に蝙蝠がぶら下がり、鬼蜘蛛がのそりと動く。
湿気のある岸壁に苔がむし、カマドウマのよ ....
 傘を差しても濡れてしまうほど豪雨だったが、今は止んでいる。風は緩やかに吹いて、となりの籾乾燥施設傍の、クルミの小径木に巻き付いた葛の葉が揺れている。ヒヨドリたちが鳴き始めたから雨は当分降らないのかも .... 彼の生活を、わたしはしらない
だけれど
きっと彼は排泄もせず
星のしずくを飲み
まれに息をするくらいな筈だ
そんな感じで
ネット詩人は生活をするでもなく
人差し指から滲み出る灰色のインク ....
 なぜこんなきつい仕事を請けてしまうのだろうか?自問自答しながら私は三条市吉ヶ平に車を走らせていた。
 次週に請け負った、二名の宿泊込み歴史の道八十里越道ガイドの仕事であったが、気分はまったく乗らな ....
分別のない緑が、近郊都市周辺の山々を埋め尽くし、
風は暑さのためか、動くことを忘れたかのようであった
どこかに存在する点と点は害虫のように動き回り、
線を描かせてはくれない
摩耗した歯車が軋み ....
どこかに
負の生命体が惹かれあう
磁場があるのだろうか

変化の胎動は
終焉の胎動でもあり
虫が先々を急ぎ
蠢きだしていたのだ

狡猾な罠に気付かず
煌く夢におびき出され
重鈍な ....
 傷口に触れないこと、これは治癒するためには大切なことなのかもしれない。会話を発することで、何かが変わるとは思えず、私と妻は口を開くこともなかった。
 土曜の早朝、私は五時前に県境の無人駅に出向き、 ....
 今年の冬は暇な時間が多くあり、読書に勤しんだ。本来、読書は楽しむものであり、勤しむものではないだろう。
 平井図書館長は本好きであると紹介させていただいたが、繰り返し少々彼を紹介する。図書館長とい ....
私は森の中を迷いながら彷徨っていた
山ふくろうの鳴き声と、おぼろ月夜がおびただしい夜をつくっていた
なぜここにいるのか
記憶を辿るが、なぜだか脳が反応を示さない
記憶の構造が気体のようにふわふ ....
結露した鉄管を登ると
冷気の上がる自家発電の貯水層があり
ミンミンゼミは狂いながら鳴いていた
夏はけたたましく光りをふりそそぎ
僕たちはしばしの夏に溶けていた
洗濯石鹸のにおいの残るバス ....
雪は身じろぎもせず降っていた
無人駅のホームはすでに雪で埋め尽くされ
その明るさはほんのりと
ともし火のように浮かんでいた

ストーブを消し、鍵を閉める
無人駅の除雪番からの帰りしな
積 ....
待っていたのは太陽光線を浴び始めた雪の結晶だった
億千の結晶の乱反射が
きら きら、きらと
生き物のように動きながら
わたしひとりの岳人のために
おびただしくひかりは踊っていた

駆り立 ....
マークアーモンドさんの山人さんおすすめリスト(14)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜明け前の朝- 山人自由詩6*23-3-3
町のスーパー- 山人自由詩4*22-8-15
山の細道- 山人自由詩6*22-8-10
強い雨の後の曇天- 山人散文(批評 ...5*22-7-23
ネット詩人A- 山人自由詩8*22-6-7
獣臭- 山人散文(批評 ...4*22-6-5
すべての物達の、とある夕刻- 山人自由詩5*22-5-29
変態- 山人自由詩6*22-3-28
雨の日の憂鬱- 山人散文(批評 ...2*22-3-20
読書における娯楽性と読破という苦痛について- 山人散文(批評 ...3*22-3-14
- 山人自由詩8*22-3-10
夏休み- 山人自由詩7*22-3-10
ともし火のような無人駅をあとにして- 山人自由詩15*22-2-5
稜線- 山人自由詩10*22-1-26

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