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灰色の街道沿いの
深く暗い井戸の底、
白く円かな女の顔が
微細に揺れ動きながら
切れ長の目を閉じ
浮かんでいる

死んでしまった死んでしまった!
わたしは戦慄のうちそう悟り
隣で無表 ....
私が喫茶店の一隅に座ると
非人称の意識が渦を巻き始めた

)眼前のアイスコーヒーはシャリシャリ音を立てて波打ち
)ガラス張りの向こうは久々の晴天で
)遠くで笑う老人の顔はとても幸せそうだ
 ....
森の向こうに空があり
私の思考が漂っている

地水火風はその中で
好き勝手に踊っている

私の感情の底に哀しみ溜まり
虚脱の寒気はいや増すばかり

自壊か決壊か知らないが
私の思考 ....
あ オチタ
あ オレタ
あ コロガッタ
あ キエタ


もう 何も無い
ただ 結果だけが
自由な行為の結果だけが
ひろくひらき広がっている
高曇りの薄白い空の許
モノクロームの大 ....
また夜になり
静けさ、
部屋に充満して
私は一人横たわる
人差し指より先に薬指が
ディスプレイに触れ
誤字が打たれていくのを
眺めながら

)アトランダムな文字列から
)生傷の如く ....
眼が在り映り凝視し続ける眼に
脳裏の戦場の消えない殺し合いか
眼前の草むらの子供らの激しい絡み合いか

展開され焼き付けられるその光景

草むらの草いきれも
左足にぐるぐる巻かれた包帯の ....
蒼い夜底の真ん中
白壁の沈黙、ふと途絶え

薄い格子戸開ける女の白手
手招き三度、ゆらゆら揺れる

傷だらけの幼子の抱擁
骨組み晒し、癒されぬまま

格子戸の向こうに開ける界
二体 ....
暗闇に蒼白い河原の
小石夥しく静まり返り
流れ動き澄む川は無音
黒く光る水面の異様
恐るべき氾濫を孕み
奥まった沈黙を保つ

決して終わらない不安は
この沈黙という深い謎に
剥き出し ....
底冷えする
夜に横たわり
祈っている
迫る闇が咆哮し
幾つもの夢が朽ちるとき、
心の奥処の祭壇に
火を絶やすことなく
灯して、灯して

)不眠の夜を透過する
)純白の雪を待ちながら ....
また夜になり
今日という日をカウントする

)お隣さんは明日で四十一、だという
)いただきます、いただきます
)白壁越しにやり取りして

カウントする先から
磨り減っていく肉身に
明 ....
かなしみの
青が降る
透明、
ただ透明に
なっていく
己の体
幾億もの幾兆もの者達が通った道
途、未知、溢れ
枯れ果て、移行する
闇の光の奥の
ふるふる震え揺れ
時の ....
無風に花瓶、
押し倒れ
転がる転がる
少女の手許

受け止める幼手
花瓶は砕け
甲高い笑い声
さも当然に

さも当然に、
笑い声響くたび
花瓶は粉々に
亀裂走っていく
円卓 ....
肉身の疼く
今宵の静けさに

心は乱れ不安に駆られ
詩と死と戯れる余裕すらなく

焼酎を二杯、三杯と

焼け付く視界に
蜘蛛の巣張り

払いのけても払いのけても
辺り一面の糸は ....
涙、溢れて
記憶は麻痺し

思い出せない、
いったい何があったのか

)幼いままの愛娘、
)夢で踊り飛び跳ねて

眠薬片手に
横たう今宵、

涙、溢れて
記憶は死に絶え

 ....
ナニカガ ウマレ ソウダ

言葉
宇を身籠もり
身籠もる言葉は
響く声また声の渦
何かが何かが ウマレテイル

夏の炎天下の縁側で
西瓜を食べている
兄と弟、汗流し
その頃青大将 ....
裏切りが
怒りが
失望が
ふっと静まる
この白い部屋で、
思いは萎えて郷愁が
弱った心に押し寄せる

遠い山のシルエット、
駆ける友の背を包み

それぞれの場所で
背負わされた ....
均衡は崩れている
もうとっくに

)大地の空の裂け目から
)鮮血に染まった手を伸ばす人、人、人
)同情でも訓戒でもなく
)ただ助けを求めて

  〇

独り冷え切った身体を震わせ
 ....
現の日常の表層が
呆気なく転覆される
その瞬間、
異界の地に
熱風吹き荒れ
在るものすべて
銀の粒子となり
交わり躍り離反する

)広がる広がる光の海!
)降って来る降って来る死者 ....
光、
光溢れて
空の青、
降って来る
この吉日に

遠い目をして
手をふる君、

いつのまにか
いなくなり
光の青だけ
揺れている
ふっと森の脇道に
消える女の
コートの裾が引き摺られ

土煙上がり
瞬間の
狂騒に黒い幹がそそり立つ

森はやがて雨に濡れ
ひっそり静まり返っている
変わらず
愛娘と手を繋いで歩いた
川沿いの遊歩道はあり
(愛娘だけ不在となり)
果てなく伸び行く
この年の瀬、
変わらず
私は独り生きて 居て
白い部屋で
晦日を迎える
変わらず
 ....
樹間から
覗く冬晴れの青、
ふるふる震え
落ち葉舞い散るこの夕べ、
時はすっかり透き通り
遠い記憶を辿りいく

)何があったか
)細かいことは忘れちまったが
)ただ喜びと懐かしさだけ ....
夜の入口にて
誰かと誰かが話している 

太陽が無限に没した後
地球という宝石箱はぶちまけられ

夜の入口にて
誰かと誰かが話している

蠢く闇に包まれて
密やかに、密やかに

 ....
パチンパチンと音がする
シュンシュン シュンシュン、音 響く

半端な冬の夜半過ぎ
黒ずみ弾ける二股鞘と
剥き出される真っ赤な種子
街灯に照らされアトランダムに
蒼い地面に撒き散らされ
 ....
荒波白波 眼底痛
堪え堪えて書いて書く
笑っておくれよ、地蔵虫
少しの集中で火を噴く目ん玉
だから書けるうちに刻み込む

生きているから痛いのさ?

そんな生半可な答えでは納得せぬ
 ....
木々は枯れて葉は落ちて
遠く鳥の群れが過るとき
裸木の梢に半月が
白銀の色を散らしながら
真冬の空を愛撫して
ぽっかりうっとり浮かんでいる

)あゝやっぱり今日もまた
)永劫宇宙の営み ....
叩きつけ合う鋼鉄
反響スル
この森に
霊魂をぶら下げ
午後五時に入る

 異界ノ息、
  異様ナ相、、
 移行ノ刻、、、

穿たれる
窪みに
今や鉛と化した
前頭葉をズブリ
 ....
灰の空、
カラスがカアカア鳴いてます

枯れ葉は落ちずに
枝に揺れ
終いの色を響かせて

遠く懐かし高曇り、
鉛の身体を引き摺って
今日も今日とて参ります






 ....
雲、流れ
流れ、雲が空をいく

ぽっかぽっかり青を裂き
気流の鳴る音、響かせて

澄み切る初冬の夕暮れに
荒れる呼吸を収めては

私の宇宙を横切って
流れ、雲が空をいく


 ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった

僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
朧月夜さんのひだかたけしさんおすすめリスト(1000)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
疎隔(改訂再録)- ひだかた ...自由詩420-1-30
呑まれる- ひだかた ...自由詩820-1-29
逃出- ひだかた ...自由詩320-1-27
補強- ひだかた ...自由詩420-1-26
ディスプレイ(改訂)- ひだかた ...自由詩520-1-24
露呈(改訂)- ひだかた ...自由詩920-1-21
夜底- ひだかた ...自由詩5*20-1-20
露呈(改訂)- ひだかた ...自由詩420-1-18
- ひだかた ...自由詩820-1-17
カウント- ひだかた ...自由詩4+20-1-16
青の部屋(改訂)- ひだかた ...自由詩520-1-16
さも当然に- ひだかた ...自由詩4*20-1-15
予兆(改訂)- ひだかた ...自由詩520-1-14
忘却1- ひだかた ...自由詩620-1-11
在るの根っこ言葉の根っこ(改訂再録)- ひだかた ...自由詩420-1-10
おもい- ひだかた ...自由詩320-1-5
墓石- ひだかた ...自由詩420-1-5
異界の地に(改訂)- ひだかた ...自由詩520-1-4
光の青- ひだかた ...自由詩320-1-3
- ひだかた ...自由詩619-12-30
変わらず- ひだかた ...自由詩3+19-12-29
遠い記憶(改訂)- ひだかた ...自由詩419-12-28
ある日- ひだかた ...自由詩419-12-27
繋ぐ命- ひだかた ...自由詩319-12-26
疼痛宿痾- ひだかた ...自由詩519-12-26
裸木- ひだかた ...自由詩519-12-25
狂騒の森- ひだかた ...自由詩619-12-24
Walk・on_20- ひだかた ...自由詩219-12-19
流れ、雲- ひだかた ...自由詩619-12-18
ヨラさん(改訂)- ひだかた ...自由詩5*19-12-16

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