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三日月の夜にだけ零れ落ちる
月の雫を浴びた花のことを
この地では月花と呼ぶ

その花を煎じて作られた秘薬は
古くから健康長寿の源として
月夜の民に親しまれてきた

真面目に働き旅人にも ....
変わらないものなんてあるのかな
不意の呟きの真意が分からなくて
曖昧に微笑んでみせた水曜日の夜

降り始めた雨に不安になったのか
ざわめくように木々が揺れていた

変わらないものなんてあ ....
 毎日見ている通りの街並み

 その変化に気づいていない

 今の景色を目蓋のシャッターで留め置いて

 昔の景色を見るチャンスがあったら気づく

 こんなに変化しているのに

 ....
ネットでの写真サークルは 初飛行
進路も省みず 飛び急ぎ 無我夢中で空撮 投稿の巡航

嵐の真っ黒い 積乱雲へまっしぐら
突然 管制官からの警告 ルール違反の厳しいコメント

進路変更の為 ....
水を
飲み干す

きれいに
戻れるの


過去は
穢されて
きれいは
きえはてて


水を
飲み干す

涙も
流れるの


過去の
ゆるせない
じぶんも ....
キッチンにて
大きな柿を4等分に切り分けて
手づかみで頬張り
私は猿になる
風が匂い
そのまま森林から抜け出す
あたたかい草原で転んだ
目の前に
健気に花が咲いていた
それは美しい
 ....
お気に入りの場所バラ園
何十種類もあり
魅力的な香りに酔いしれる

広いバラ園は長くこの場所にある
カフェなどもありちょっとした観光地

若者たちよりも
初老の夫婦をよく見かける
バ ....
愛してくれるひとがいるのに死にたいと口にするのはただの贅沢、贅沢なんだよってあの子が泣いていた。返事をする代わりになだらかな夜を撫でた。ビロードの手触りがわたしの心を穏やかにして、わたしの世界、きみの .... アップル シナモン 川の岸辺
小さなブロックに腰掛けて
気に入らなかったから地面に寝転んだ
あっと思う間もなくマネキンになっていた
拾われて生活が始まってその色とオーダーに染められた
抵抗は ....
  或る秋


切り取られた空が

造り酒屋の軒先にひつかかつて

はたはた ゆれてゐる

おかつぱの姉さんと

坊主頭の弟が

口をまんまるにして

それを見つ ....
潮の匂いが染みついたレストラン
周りに民家などは全くない

レストランの前は国道
その前は瀬戸内海
風光明媚な場所にある

雑誌やテレビの取材などで
いつの間にか人気のレストランになっ ....
 とある街で

金木犀が香る
だけど金木犀はみあたらない
探しているうち
何年経ったろう
すっかり風向きは変わってしまった
行きついた先で
仕舞い忘れられた
軒先の風鈴が鳴った

 ....
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で
(金木犀の花が軌道を舞い
秋の大気が生まれるところ)

遠く ....
ブランコに乗って
何処行こう
ブランコに乗って
飛べるかな
白い雲と
青い空
ピクニックの気分
おにぎり忘れたよ


ブランコに乗って
何処行こう
ブランコに乗って
潜れるか ....
  お月見


少女は青い服を着て

ひと晩ぢゆう恋文をかかずにゐた

姉さんの形見のコーヒーカツプに

月をうかべて


{引用=(二〇一八年九月二十五日)}

 ....
その人は
一生の間に六匹の猫に出会うのだという
わたしが知っているのは
九回生まれ変わるという言い伝え

あなたに会いたくて
も一度生まれてきたんだろうか?

昔死んだしろちゃんに
 ....
秋の雨はしとしとと降る

仄かな月明かりを纏い
冷たい風を誘う

闇がじわじわと迫り来るのを
背後に感じながら

長靴を履いて
せめて足取りを軽くして
色づく落ち葉が降り積もる
 ....
自覚がないというのは空恐ろしく
左の足を引き摺っていることも
左の目から流血していることも
認識していないと声高に謳う君の
声がボクに届くことはない
その右の小指は後もう少しで
天の縁に届 ....
いつぽんの川がながれてゐる。

川べりの道は夏枯れた草に覆はれてゐる。

川はゆつたりと蛇行して その先はうつすらと 野のはてにきえ

太古の記憶へとつづいてゐる と村びとたち ....
赤い線が
皮膚の上に浮かび上がる
今朝
バラのとげが作った傷が


わたしのからだの中の
赤いこびとたちが
あたふたと
いっせいに傷をめざして
走っていることだろう

猫を飼 ....
立見春香さんの自由詩おすすめリスト(290)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
月花- 1486 106自由詩9*18-10-25
スターチス- 1486 106自由詩4*18-10-24
気づけない変化- 佐白光自由詩4*18-10-21
不時着の果に- むっちゃ ...自由詩6*18-10-21
- 犬絵自由詩1418-10-21
キッチンにて- 腰国改修自由詩5*18-10-21
天国のようなバラ園- 夏川ゆう自由詩418-10-20
わたしをひとりにしない滅亡- 青花みち自由詩6*18-10-13
アップル_シナモン- 腰国改修自由詩3*18-10-13
或る秋・連絡船- 石村自由詩20*18-10-6
海辺のレストラン- 夏川ゆう自由詩618-10-6
ダイアリー- そらの珊 ...自由詩16*18-10-5
憧れ・続- ひだかた ...自由詩13*18-10-3
ブランコ- 腰国改修自由詩2*18-9-28
掌編二題- 石村自由詩19*18-9-28
六番目の猫- Lucy自由詩22*18-9-27
秋雨- 坂本瞳子自由詩4*18-9-25
まだ見ぬキミよ- 坂本瞳子自由詩3*18-9-22
小さな村で見た- 石村自由詩22*18-9-20
猫とバラ- そらの珊 ...自由詩25*18-9-19

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