電車とバスを乗り継いで
小川に沿って歩くと
土と石と木の古い家屋が見えてくる
あそこにおじいちゃんが住んでたの?
ええ、そうよ

埃を掃き出し
家の換気をする
ポンプの電源 ....
曇天の下、

足早に通り過ぎていた街並みが

ぱたんぱたんと倒れ出す

書き割りの如く呆気なく

次から次に倒れ出す

後に残っていたものは

果てなく続く大地のみ

俺は ....
黙って手の指を見つめる
いかにも繊細すぎる指が伸びる
まるで毛細血管のよう

心も考えも何もかもが細かく
脳のシナプスのように連なる

見えない何かに怯え
聞こえない神の声もキャッチす ....
目を離した隙に
幼い子供は大人になってしまい
取り返しのつかない歳月は
アルバムの中に閉じられた

明日へとかかる橋の欄干に寄りかかって
遠くに見える昨日の夕陽は
泪に霞んでしまう

 ....
みたこともない  
みなみのくににむかって
いっせいに とびたつ とり

ないかもしれない
あした にむかって
ゆめを 放つ

たどりつけるのかどうか
じつはわからない
ふゆのむこ ....
もしも、
ああ、もしも、ね
もしも願いが叶うなら
もしも、
ああ、
もしも許されるのなら、
今年のうちに

すべてを忘れてしまいたい

古い記憶から
あの日の寝室の記憶ま ....
わたしは粉々になった

わたしの破片をすべて集めても
貴女には成れない
貴女を粉々にして
わたしの持たない破片を拾っても
貴女には成れない

貴女がうらやましいと思ってしまったあの日
 ....
丹後富士の頂へ
うろこ雲が巻き上げられていくと
明日は雨が来るといつか聴いた
あれはだれの言葉だったのか

町を歩く人びとは明日の雨を思い
空を見上げることはないようで
誰もが今を足早に ....
手も足もでない
遠さを感じ
わたしは青空を見上げて
懐かしいイワシ雲を見つけた

ずーっと
見上げつづけているだけだと
わかっていたんだけど

見も知らずの人に
歌を褒められて ....
ぼんやり砂浜を眺める
ゆっくり砂浜を歩く

夏の潮騒は賑やかで元気いい
身も心も夏に染まって
「今」だからこそ輝ける

眩しい陽射しを浴びて暑くても
潮騒を聞けば涼しくなる感じ

 ....
怒れば父に似ていると言われ
黙っていれば父の父に似ていると言われ
笑っていると母に似ていると言われる
母方の田舎には老人ばかりで
外を歩けば何処のもんやと
わらわらと集まってきて
ほお、ほ ....
どうしようもなく
僕らは果てのない過程に生きる

欠損しながら生きている

全力で力むよ 今を、誤魔化すために

生きる事の苦しみ





生きる努力の対価に
人は意味 ....
うそと
なさに
溺れるんだよ
ぼく〜世界

みんな みんな 嘘なんだ

底のないプリンを
すくうように会話する

みんな
生きるための嘘のみ喋る
それ以外喋らない
本心とは
 ....
今宵、
白い部屋に
在るもの在るもの
自らの輪郭を鮮明にして
回流する澄み切った夜の空気に
すっかり馴染んで留まっている
横たわっている私もまた寛ぎ
在るものたちと繋がり合う
揺るぎな ....
粉雪が降って
誰もいない夜、

心の花を枯らした
おとなしい哀しみが
うつむく

林檎の木から
甘酸っぱい香りがする
幻想世界、
真っ新な空気が
喉の奥まで冷やしてくれる ....
きのう書いた詩を読み返してみた
苦笑いしかできなかった

命のない言葉の羅列だった

夕べに死んで 
今朝うまれた俺よ

何を思い、どう生きる

決して振り向くまい

今日は今 ....
食材と生活用品。
まとめては買わないから日々近所のスーパーマーケットに行く

私は詩人の真似事している。それはどこまでも真似事であって本物にはなり得ない。
私の妻は詩に興味もかんしんの欠片も見 ....
色画用紙をひろげて
影をうつす
木炭でなぞる
しばらく眺める
笑いがこみあげてくる
なんと へんなかたちなのだ
俺といふやつは
俺は笑つた
笑つて 笑つて
笑ひ尽くした
 ....
足で漕ぐのは
オルガン
という名の舟

音符の旅
息でつなぐ
ときおり苦しくなって
とぎれる
生きていたという波の上
気配だけになった猫
ふんわり鍵盤の上を渡る

秋の日は
 ....
炎の刻印が
街に押されて
ようやく
冷たい夜が明ける
街のマリア様たちは
眠い目をこすって
もう、
明日から振り返ったとすれば
何度目の
希望を
浪費しただろう

夜 ....
横断歩道の
真ん中辺りで
立ち止まる

逆行が背中に
突き刺さって
立ち止まる

誰にも気付かれず
すれ違っていく

自動販売機の
真横に立って
空を見上げる

夕日が瞳 ....
懐かしい未知は
遠く空へと続く道
気流の音が鳴り響く
大気圏を通過して
桜色した巻き貝の
トンネル抜けて
帰還します
叔母の葬儀が 教会で始まる  

司祭の語りかける 流暢な言葉に 深い人間愛を感じる

50年前に洗礼を受け 身を捧げて来た叔母の軌跡を 知らずに来た今

聖歌隊の 静かに漂う響きが 信者 ....
「私は告白すべきなのでしょうか。寒々とした六畳一間で一人で暮らすようになって八年が過ぎました。和製日本語のようで妙な名前のマンションで、マンションと言っても全く高級感のないものです。左右の隣室には差が .... 躰から流れ出て床を這い広がっていくのが言葉じゃなく、僕の意識を撃ち抜いた銃の口からうっすらと天に向かって立ち昇っている煙、それが言葉だ。

そうか、そこにあったのか。

無味の真っ赤なソースと ....
ノブちゃんはね。
むかしも今も女の人でした

私たちは偶然再会しました
その時ノブちゃんはね、鰻屋さんで働いてました
私はお客さん
勤め先の社長や同僚と食べに来ました

鰻重を運んで来 ....
絶望ノートを拾った
絶望的な内容が書かれていた
ゴミ箱に捨て駅に急いだ
  けだもの


ひとの声がする

空がなく
土もない
紙の色の月がうすく照らす
このわづかな世界に

やさしく
神々しく
いつくしみ深く
ひとの声がする

《祈りなさい ....
ぼうっと過ごしている
この午後の一時を

自動車の走行音
黄金に照り輝く瓦
微かに揺れる送電線
何処までも澄み渡る蒼穹
この私が今此処に存ること

この午後の一時を
ぼうっと過ごし ....
もしかしたら
ヒトの成分は
血と涙と汗だけで
てきているのかもわからない

喉が異常に渇く
「オーイお茶を」と妻に声をかけた
反応がない 無理もなかった 彼女の両の耳はイヤホーンで塞がれ ....
犬絵さんのおすすめリスト(199)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
森の家- mizunomadoka自由詩218-11-12
大地- ひだかた ...自由詩1218-11-12
手の指- あおいみ ...自由詩6*18-11-12
やがて沈む夕陽に- こたきひ ...自由詩618-11-12
球根- Lucy自由詩22*18-11-11
だまされたくない- 秋葉竹自由詩1118-11-11
破片- 卯月とわ ...自由詩518-11-11
伝えられてきた言葉- 帆場蔵人自由詩5*18-11-11
ただ遠い憧れ- 立見春香自由詩918-11-10
夏の潮騒- 夏川ゆう自由詩518-11-10
孫兵衛の顔- 帆場蔵人自由詩7*18-11-10
総称- ◇レキ自由詩3*18-11-9
無題- ◇レキ自由詩1*18-11-9
時の開け- ひだかた ...自由詩12*18-11-9
夜、その自由で自在な- 秋葉竹自由詩1018-11-9
日々新しく- あおいみ ...自由詩4*18-11-9
夕暮れの空から- こたきひ ...自由詩518-11-9
少々早い辞世の歌- 石村自由詩17*18-11-6
秋の部屋/えあーぽけっと- そらの珊 ...自由詩2218-11-5
ただ、歩く- 秋葉竹自由詩1318-11-3
トランスルーセント- 1486 106自由詩21+*18-11-2
巻き貝- ひだかた ...自由詩17*18-11-2
想いのかけらは_聖歌にのせて- むっちゃ ...自由詩10*18-11-2
嘘つき- 腰国改修散文(批評 ...3*18-11-2
ディナー- 山下ヤモ ...自由詩118-11-2
ノブちゃんは、ね。- こたきひ ...自由詩418-11-2
絶望ノート- 腰国改修自由詩3*18-11-2
けだもの・部屋- 石村自由詩29*18-10-29
二階の窓(改訂)- ひだかた ...自由詩11*18-10-28
血で血を涙で涙を汗で汗を- こたきひ ...短歌718-10-28

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