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まるで白昼夢だ
満月の頃
青空に黒い月が浮かんでいるように
胸には小さな宇宙のような穴が開いていて
埋める星の金平糖を探し続けていた
潮の香りの染みついた
大きな河の静かな照り返し ....
うす汚れた
けだものの涎が熱い
この顔に
塗りたくられる
情熱の匂いがする
ねばつく息がくさい
それを
好ましいと思ってしまった
わたしの心臓が早い
いだきたい背中に ....
ずっとずっとかかわっていたい
気持ち
痛い
腐れ縁とかいったっけ
ふたりがふたり
好き同士でも
ふたりの
ためにならない
好きもあるものね
そんな恋って
しっく ....
寂しいのは怖いんです
心や
言葉まで
寒くなってしまうから
寒いのはいやなんです
子供のころの
冷たい雨に打たれた
終業式の日が思い出されて
通知簿を仕舞い込んで
悩んでいた ....
手も足もでない
遠さを感じ
わたしは青空を見上げて
懐かしいイワシ雲を見つけた
ずーっと
見上げつづけているだけだと
わかっていたんだけど
見も知らずの人に
歌を褒められて ....
立っている
緑の丘陵の木の下に
落ちた葉っぱが風に舞う
どこからか聴こえてくる
ギターの練習のメロディー
ほんのすこしだけ
オレンジの香りがする
どの山から舞い降りてきた ....
ほんとうなら、あの夜は
晴れて、きれいに星が見えるはずだった
それで、ほんのりと酔っぱらって
ふたりむかしみたいに、仲良くなれるはずだった
けれど降った雨を
うらんでなんかいない
傘を ....