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遠い遠い場所
過去とも未来ともつかない時
銀のロケットは宇宙を渡った
ゆく先々には
驚くべき光景の数々があった
じつに多彩な星の世界が
めくるめくように展開していった
銀のロケットは
 ....
大人になった気がしない
かと言って
子供でもない
何だかよくわからない
思い出せない
昔のことが
ほとんど思い出せない
思い出せないなら
なんで生きてるんだろう
思い出せないのに
 ....
ここは

いや

ココも

遺跡なんだヨって

たくさんの詩が

歌っている

世界には

あんまり多くの発表会がある

けれども

孤独はいっこう

うまりそ ....
「星くず」

しんだらみんな
星くずさ
だからそんなに
泣かないで



「雨」

いま
雨の音を聴いている
雨を書くとは何だろう
雨のもたらす心象(イメージ)を表現したい ....
*

まず、赤いフタの大きなアルミ鍋に七分目まで水を入れ、中火と強火の間ぐらいの火加減で湯を沸かす。五分ほどすると、プツプツした細かい気泡が上昇し始め、水の表面が微かなプルプルに満たされるようにな ....
その辞書には意味が記されていない
ただ単語ばかりが延々と羅列され
一切の説明的言辞や背景や語源さえもが周到に省かれている
その辞書とは何かを
それを自然は
「世界」と位置付けている
何者 ....
もう、春

ユキヤナギの蕾も

いよいよ膨らみ始め

風もぬるい

連翹の

硬い蕾もそこはかとなく

黄の兆し

あまりに短絡にわいた

羽虫たちは

ふためきつ ....
最悪の悪徳。それを寿げ。すました顔で平然と血で汚れた手を差出すのだ。供物のように身を横たえよ、恐ろしい龍や番犬の牙に偉大にも身を捧げるため。そのようにして、いくつもの滅んだ帝國は歴史の溝に清らかにも棄 .... あんまり良い詩を書いちゃ心配よ

ウミネのおかあさんは言う
ウミネは
無花果の好きな島の男の子だ
ウミネは
時々
ひとりでぶらぶらと
白い砂浜にやってきて
波の音が
ズザザザァー ....
文章の森に
本の生る木があった
こっちの枝には推理もの
あっちの枝には時代もの
てっぺん辺りに専門書
棘の節には官能小説
若芽には児童書
ある日のことである
その木に甘い砂糖のような雷 ....
「海をすてた」

海をすてた
いっぱいだったから
外に捨てた
外は広いから
海はしずくにみえた
にんげんが
外にいったら
ちいさすぎて
なんだかバカみたいだ
だからぼくは
ここ ....
葉っぱが
ひとり遊んでる
くるんと
まるく
じぶんをすてて
も一度
ハラり
わらって泣いて
「おはよう雨さん」

細かな雨の

パラパラの

春の西風に煽られの

窓にカツカツの

それは

とてもとても

うつくしなじかん

ふふふ

半分ヤドカリ

 ....
あの日、ぼくは死期の近い人のそばにいた。基督教系のホスピスへ出入りし、ただその人の横に座っていた。モルヒネのせいで朦朧としたその人にとっての今は、50年前の初夏の昼下がりだった。そして、ホスピスは何十 .... たゆみない息吹に、おそれの、手のひらを翳せば、ひくひくと、なみうつ水晶の静脈。つづいて、間もなく、青が、光の葬送を連れてやってくる。はいだして来たばかりの、空の、欠片を綴りあわせ、ふたたび、まっさらの .... 野のはな風に
ゆれている

空は空ではぎましょう

消しゴムみたいな風に
ゆれている

うすでの雲となりましょう
{引用=じっと殻に背を丸め
春を待つ{ルビ蛹=さなぎ}のように森は
いまだ
あわい{ルビ揺曳=ようえい}の入江

冬木立のはざま
小橋のそでに
ゆたかな寝がえりをうつ
にがい{ルビ蕗= ....
「大地」

大地がぼくを落とさないでおくのは
それはやはり
大地がやさしいからだ
そうかんがえないと
「今」にいられない


「ゆきがふる」

あの子
ゆきにさわりたいから
 ....
波間に
かき置きして
いつもの行動範囲から
少しはみだしたところを
回遊して来たら
ぼくんちでは
ぼくの
葬式を出していた

しょうがないから
ぼくは
ぼくんちのまわりを
グル ....
我々に出来ることは待つこと以外にあるだろうか。
我々に出来ることは歩くこと以外にあるだろうか。
我々に出来ることは生きること以外にあるだろうか。



読む事の中に立ち込める不安の霧に透 ....
かつて健康だった時、責任も余り無かった時、自分の中のどろどろした感情を殆ど感じずに済んでいられた時、ぼくはよくピクニックへ出掛けたものだ。天気が良く、気持ちのいい風が踵を掠めるような土曜の朝などはとく .... 手のひらの丘を
橇に乗ったヒグマが滑って行く

なんとなく
ユング派にかかりたいと思う

未来の博物館では
ヒトの剥製が祀られるだろう

良い詩をたくさん知っている
ぼくは不眠症だ ....
春だ
かなり些細なことで
怒りを抑えられない自分が
凄く心配で
時々箍が外れる

春だ
少しでも複雑な計算が
きわめて苦手
黙っているから
誰も知らないけれど

春だ
月に一 ....
{引用=春は
ねぼけた白さぎの壁
意識のとり零し
たおやめの
すっくと仄闇立つすがた
{ルビ一夜=ひとよ}に二、三
酵母の乱れ
夜霧へおとなう
{ルビ紋付=もんつき}の{ルビ靈=れい} ....
「雨」

夜の雨の音がする
夜の雨の音の匂いがする
いや
夜の雨の音の匂いの音がする
ちがう
夜の音がする
うん
そういうことだ


「朝」


朝のくらさがある
ま ....
「おはな」

おはなさん
おはなさん
ひとりになっても
大丈夫?


「わすれない」

おそらから
ひとつぶ
ふたつぶ
みつぶ

ふるあめが
たまったものが
うみな ....
てぃっしゅぺいぱになりたい
てぃっしゅぺいぱは用途さまざま
なみだをぬぐえ
こぼしたお茶もすえ
はなもちんできる
こよりにしたら耳の水ぬきだって
かためてなげても危なくないし
お皿がなけ ....
体をつくる一個一個の原子はつねに入れ替わっているらしい。
一ヶ月経つと人間はまったく別の原子からできた別の人間になるんだというから驚きだ。

だから、「お変わりないですか?ええ。あなたもお変わり ....
一つの言葉の奥にせきとめられた逡巡の十をこえ
またひとつ雫のような朝の歌、のぽとり。

いちばんよわいものごと抱きとめて、糸の筋肉、糸の腱。それな御蔭で平和の夜の気球に乗ってゆける

(われ ....
早熟ではなかった

むしろ遅かった

休み時間のサッカーが大好きで

本はジャンプだった

十四の時に初めて詩を書いた

校庭の桜がこわくて仕方なかったから

寝袋は買ったが
 ....
ひだかたけしさんの道草次郎さんおすすめリスト(289)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
銀のロケット- 道草次郎自由詩8*21-3-23
悔やみ方が分からない- 道草次郎自由詩3*21-3-22
生きてあり- 道草次郎自由詩321-3-21
ついーと小詩集5- 道草次郎自由詩7*21-3-21
スパゲティのための試論- 道草次郎自由詩6*21-3-18
「レ」- 道草次郎自由詩3*21-3-17
もう、春- 道草次郎自由詩3*21-3-17
叛逆- 道草次郎自由詩5*21-3-16
ウミネ- 道草次郎自由詩3*21-3-15
文章の森での出来事- 道草次郎自由詩4*21-3-15
ついーと小詩集4- 道草次郎自由詩4*21-3-14
葉っぱ- 道草次郎自由詩6*21-3-14
おはよう詩集- 道草次郎自由詩2*21-3-13
夕焼けの記憶- 道草次郎散文(批評 ...5*21-3-11
春のハレーション- 道草次郎自由詩5*21-3-10
うらら- 道草次郎自由詩2*21-3-10
啓蟄と芽ふき- 道草次郎自由詩6*21-3-8
ついーと小詩集2- 道草次郎自由詩11*21-3-7
やわらかな痕跡- 道草次郎自由詩3*21-3-5
3.3.メモ- 道草次郎散文(批評 ...3*21-3-3
ピクニックへの餞- 道草次郎散文(批評 ...3*21-3-2
インソムニア- 道草次郎自由詩6*21-3-1
春だ- 道草次郎自由詩2*21-2-27
城と春- 道草次郎自由詩4*21-2-24
ついーと小詩集- 道草次郎自由詩6*21-2-23
おはな- 道草次郎自由詩8*21-2-22
てぃっしゅぺいぱ- 道草次郎自由詩4*21-2-22
ペンギンの赤ちゃんのふわふわなお尻- 道草次郎散文(批評 ...3*21-2-20
未生- 道草次郎自由詩2*21-2-20
セピア- 道草次郎自由詩3*21-2-19

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