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死なない日の朝は
母の優しさが欲しかった

歪な世界の片隅
私にしか見えない景色

いつも途中で終わる
意味不明の夢の経緯を
母は聞いてくれた

覚えていますか
夢の途中を

 ....
喫茶フィガロで食べたチキンカレー
オレンジ色の洪水が
厚めに切った玉葱とチキンとともに口の中でぶつかり合う
喉の奥で絡まる暑さと辛さ
まるで口腔全体が待ち受けたように全ての旨みを受け止める
 ....
sunoAIに夢中になっている僕を
冷めた目で見ている君のことを
薄々感じながら
のめり込んで
生成される楽曲の聴き比べ
楽曲スタイルの指示を
足し算引き算しながら
気色いい曲が弾き出さ ....
南の祖母は
星の名を教えてくれた
できの悪い生徒である私は
星の名をときどきまちがえた
そのたびに
牛乳をいれたコップが割れたり
黒猫が尿路結石になったり
母の眼鏡が折れたり
祖母は言 ....


僕らが互いに
傷つけあうことで

互いの心に
拳を打ちこむことで

五月の空に
広がっていく亀裂

それは、樹のようにも見える
幹の下から仰ぎ見る
真っ白な枝の広がりに ....
ひさしぶりにかえってきた娘が
玄関を開けて
いえのにおいがする、といった
ずっとこの家にいるわたしには
そのにおいがわからない
いいにおいかどうか
よくないにおいかどうかも
わたしが息を ....
僕の浮き沈みを見て
あんまり君が
泣いたり笑ったりを繰り返すもんだから
なんか楽しくなってきちゃって

もっと沈んでみましょうか
やめてくださいよ

他の誰のためでもない
自分のため ....
五月五日、
なかば強制されている春、
どうしてもせざるを得ない、
タイヤこうかん、
いっぴきの蜜蜂はわざわざ庭先にまで見学に来て、
となりの家の庭では、
紫と白、ツツジがいつの間にかもうす ....
人間の細胞はおよそ37兆個の細胞からなるという
元素は酸素・水素・炭素・窒素・カルシウム・リン
手元に残るのは焼骨のリン酸カルシウムくらいだけだ
残された者はそれを後生大事に故人を偲ぶ
大空に ....
写真を見て

昨夜は現実だったと知る


宵の口

光る田圃の中を走る

四方八方から蛙の声

紫のカーテンに囲まれて

きっと どこかに神仙がいるはず

豆のような ....
五月の緑が伝い合い
誰かが消えた満月のよる
なみだとずっとの約束を結んで
いくつもの場面を通り
ためらいなくわたしは生まれた
桜が咲いているのを最初に見かけた日
あくる日にはいつも激しい風が吹く
思い起こすと毎年そうだった気がする

咲いたばかりの桜は見かけによらず強情で
千切れそうで千切れず
散りそうでも散らな ....
散歩うた


毎日は似ているようで違う日々人も変われば立場もかわる

速すぎる子らの足どり尋ねれば実験室を飛び越えて

慟哭はすまいと誓ったあの日より甲殻類の共食い始まり

気がつけ ....
浮かんでは消えてゆく
言葉
ことば
コトバ

まるでシャボン玉みたいに弾けた

意味もなく意味を追いかけた

ゆめ
ユメ

詞に詰めた想い

すべてが幻想みたいに闇に吸い ....
どうしようもなかった
そう言われたらそうだ
それでも見殺しだろう
どのように死んだのか
膨らむ想像が胸に重く
良心が掻きむしられる
後ろめたさも心を乱す
忘れていたことも確か
それでも ....
白い牙を覗かせて、
獰猛なうねりが崩れ落ちる
老いた小舟は
海の奈落へ吸い込まれてゆく

ゴオオオーと大波は唸り、
水の壁をふたたび聳え立たせる
曇った空には、
騒ぎ啼く海鳥たちが浮か ....
 
  猫の尻を追いかけてる犬と僕

世の中には一分と待てない人間がいて、あの日の僕がそうだった。

お金の引き出しや振り込みに関して言えば人はクレイジーだ。

  今日引き落とされなけ ....
はてなはて
はてなはてはて
ぢっと手を見る
一握の階ぶん
ちかづくか

はてなはて
はてなはてはて
はてななては
はてなきはては
はてないて

いきのはて
はてのはて
 ....
失われつつあるものを思うことは、
まるで水のように渇望する、
真っ赤な炎に染まった夕焼けの光景だ、
その時になってそれは何と美しかったのだろうと、
その時になってようやく特別なかがやきを放って ....
強がりな若葉が芽生えたから
車を飛ばして海を見に行こう
お弁当はトマト・レタス・生ハム・チーズのサンド
カラシマヨネーズを効かせて

ほら 遠くに洋紅色の貨物船が浮かんでいるよ
きみは う ....
シャッターのおりた憂楽街
眠りに落ちた改札口
プラットフォームの底
沈んだレールから
明日が聴こえますように
誕生日に

チューリップの花束をもらった

ぜんぶ違う種類のチューリップ


〝電車だからね、ちょっと恥ずかしかった〟


広い肩幅と一八〇センチ以上ある 

その人は

 ....
あしたになれば
いちにち寿命がへるのに
あしたを待つのは
なぜだろう

お墓ビジネスの話をみて
とりあえずあたふたしてみたけど
いがいと長く続かず
逆にスンとなった

今日もど ....
かけちゃだめだけど
日々にあればいいもの
君が知るもの
誰も知らないもの

一服
匙で3杯
泡がくるくるまわって
つたないお点前
おかしは桜餅
よみひとしらず
すべての駅は
改札を捨てて
だれかのおとしたメロディを
つぎはいでゆく
終点が
ただよう終着駅へ
雲のヴェールを被り
君の瞳の輝きが霞む
昨日までの甘い囁き
ひんやりとした沈黙
言い訳めいた口調で
言葉が空に散り散り
曇り空に溶けていく
空が重く息を潜める
ざわめく心の隙間を
轟 ....
ぼくはなんという大馬鹿ものなんだろう
話はみなぼくのわがままばかりで
きみを深く傷つけた
欲しいものを正直に欲しいと言わず
何より大切なきみを失った
歳の差を気にして戸惑い嘘をついた
もっ ....
恥ずかしくらい若かった
初秋の街角から立ち込める金木犀の香り
今でもその匂いを求めてさまようことがある
その、樹木のある家を見たこともなく
たぶん老人が住んでいたのであろうか
おそらく猫もい ....
気のつよいのは、はは
泣きべそなのは、ちち
そんなふたりに、わたしはよく似てる

いつになってもこのかなしさは
変わることがない
いつになってもこのさみしさは
何にも代わることはない ....
深夜、ふと思い出し
夢の中でカレーライスの
分解を始める
専門の工具を使って
肉は脂身と赤身を分け
さらに赤身は一本一本
繊維のネジをはずしていく

ご飯の一粒は小さいけれど
 ....
夏井椋也さんの自由詩おすすめリスト(524)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
母へ- TwoRivers自由詩8*25-5-11
チキンカレー- 栗栖真理 ...自由詩8*25-5-10
sunoAI- 自由詩10*25-5-10
星の名- 尾内甲太 ...自由詩1625-5-10
ひび割れた空- まーつん自由詩6*25-5-10
いえのにおいがする- そらの珊 ...自由詩17*25-5-7
サブマリン- りゅうさ ...自由詩4+*25-5-6
初入道- 本田憲嵩自由詩13+25-5-6
生命- レタス自由詩6+*25-5-6
藤山- 花野誉自由詩7*25-5-4
初めて泣いた夜- 唐草フウ自由詩13*25-5-3
鬼女近影- ただのみ ...自由詩3*25-5-3
散歩うた- 足立らど ...自由詩7*25-5-3
ラヴレター- 栗栖真理 ...自由詩425-5-2
どうしようもなかった- 自由詩12*25-5-2
安らかな茫々- atsuchan69自由詩16*25-5-1
後藤くん、金髪先生はいつまでも待つよ- 洗貝新自由詩12*25-4-30
はてななては- wc自由詩625-4-29
夕焼けのアメンボ- 本田憲嵩自由詩1025-4-29
五月には- レタス自由詩6*25-4-28
夜の底- wc自由詩17*25-4-28
忘れられない花束- 花野誉自由詩325-4-23
溝とアーチ- 唐草フウ自由詩8*25-4-21
湯呑み- wc自由詩10*25-4-19
無色- wc自由詩9*25-4-12
風を祈る- 自由詩7*25-4-11
傷心- レタス自由詩8*25-4-11
金木犀- 山人自由詩13*25-4-11
陽が昇るまで- 唐草フウ自由詩8*25-4-11
カレーライスの分解- たもつ自由詩6*25-4-11

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