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やい、てめえ
俺が
イケメンゴリラに似てるって
誉め言葉なのか?おお?
ことと次第によっちゃ
おまえの顔面
ドラミングするぞ!
無知のまま、知ろうともないで、
ぐりぐりと孔をまさぐるあなたは、
ややもするれば悪になってしまう。
あなたという私の憎悪を、
優しく抱きしめる、
あなたの腕が皮肉にあたたかい。
私はその腕 ....
160109
カードをかざしてください
ドアは開いて中に入れます
マイナンバーカードをかざすのだ
持参しなかった方は
残念ながら、お入りになれませんので
至急カー ....
晴れた日に
( )を捨てる それは
たったひとりだけで行う儀式のように
もう一度愛してから、という未練は
明るい光が消してくれる
洗いたての
( )を捨てる それが
慣れ親しんだ ....
冬になるたびに訪れる山荘のウッドデッキに霜がおりている。
木のテーブルを挟んで二脚の籐椅子が向かい合っている。
一方に腰かけている麦わら帽子はきっと誰かの忘れ物。
もう一方に腰かけた ....
可能な限り赤い空に
ぼくらがおもう神様がいた
ライトバンが光を揺らして
とぼとぼとぼとぼ道を行く
いき違いばかりの愛しさが
まかり通ってからから言う
からからか ....
ひとの心は果てしなく彷徨う
距離や時間を超えてゆく
痕跡にすぎないものに捉われ
憶測の触手をあすに伸ばしておののく
ときどき何かを削ぎ落しながら
変わってしまうことをおそれながらも
....
横顔とは
君の横顔が見える、という事は
なんと切ないものなのだろう
その視線が此方に向く事はない
僕は君の横顔を見ているだけで
それ以上、何も出来ない
膚の下の肺の中を
....
晴れた日の会場内に 用意された百脚の椅子
来賓者、関係者、招待者、出席者、
名簿に記載された ずらりと連なる固有名詞
司会者は叫ぶ
(百人満席、晴れた日に、)
新聞は語る ....
小さな袋に大きな希望
「育ってくれてありがとう」と心の中でつぶやきながら
姪っ子にお年玉を手渡した
重たいドアを押して外に出ると
階段を数段上ったところで
思わず立ち止まる
百貨店の屋上は
すっかり様変わりしていた
複雑な段差を組み合わせた
明るい色調のウッドデッキ
オリー ....
空と海の混沌に
突き刺さる黒い陸の先端
に白い少女が立っている
淡い彩りが現れ
生まれた風が海を押す
押されて海は岬に駆けのぼり
少女に白い言葉を飛沫く
潮鳴りにひそむ遠い記憶の ....
160106
どういうわけか唯一神のイスラム教の
シーア派とスンニ派は仲が悪いことがある
圧倒的少数派のシーア派は何処の誰にでも
仕合わせをもたらすような普遍性を追求 ....
互いを忘れるなら
どんな日でもいい
仲睦まじく歩く人々を背に
うつむ気加減に歩いている
初めて出会った特別な日は
何もかもが新鮮だった
置き去りに過ぎてゆく奈落を思えば
今一つの恋にしが ....
出勤前に洗面所の前に立ち鏡を見た
「今日も疲れた顔してるな自分」
とふと笑いがこみ上げた
そんなあきれた笑顔でも
少し元気が出た気がしたのだ
外灯のつらなりを見つめていたいんだ
隠れることができるような闇が街にはなかった
だあれも探してなんかくれてないのに
ありがとう
探してます
丁寧でした
外灯 ....
眠れない夜は
いろいろなことを考える
明日のご飯や
さっき読んだ本の続き
ここ最近の心配事や
死んだペットの事。
普段気にしないことでも
眠れない夜だと大事に感じる
きっと目を ....
孤独がコトリと音たてて
薄いオリオン座拝みます
恨みもせず
妬きもせず
孤独がコトリと音たてて
街が滲んで見えるのです
避けもせず
罵りもせず
孤独がコ ....
きつねうどんの
お揚げさんが甘過ぎると
正月早々
ダイエー金沢八景店内の
フードコートにある
丸亀製麺で暴れた
ロックグループ小太鼓のリーダー
ミッキー吉野家こと
吉野幹也(32)が
....
自分のからだを抱きしめてみる
季節が逝こうとしていているから?
いいえ
この借り物のなかで
巡り巡っているものの温かさを
確かめてみたいから
けれど取り出したとたん
あっけなくそれは
....
寝たきり老人が
家族の厄介者であることは
偽らざる真実だが
だからと言って
正月に
「よし子さん、ちょっと
そこら辺散歩してくるわ」
と家を出てったきり
5年間音信不通のじいさんが
....
覚悟を持て 覚悟を持て
覚悟とはギリギリの命の欠片の端くれを
決してはなさない心の態度
心には態度が必要なのだ
今日を見るのは目であるが
明日を見るのは心の中だ
動いているものを見るの ....
蟹は、
何かの匂いを感じると、
月をぐるぐるまわるように、
先へ先へと急ぐ。
何かの匂い。
それは芳しい花の香りではない。
じっとりとした、
タールのような
油 ....
クリスマスイブの前夜に
ようやく恋人が
同じ携帯電話に
一緒に乗り換えることを
わかってくれる
港町に降りしきる
小雨に濡れて
まるで外国から
貿易船で運ばれた
苺のフランボワー ....
かろうじて寒い冬
かろうじて家族なわたし
かろうじて踏みとどまるポールシフト
かろうじて激情に殉じるわたし
いま核ミサイルが発射された
大義などいくつでも作れる
....
寝息が
夜のカーテンを揺らす
いつくしみという
どこかに潜む母性が呼吸をはじめる
白い肌のわが子の
すーっと通る鼻すじに口づける
溶ける音がした気がした
抱きしめるものがある ....
米粒より小さな私がいる
足元の草よりも小さな私は
厳かで巨大な荒削りの岩の上に立つ
海風が吹き荒れる
米粒程度の私を試すかのように
青い地平線が広がる
米粒程度の私を包み込むか ....
乗客の少ない
駅員不在のことも多い駅に
子供が取り残されて泣いていた
所々「ママ」「ママ」の混じった
ほぼ聞き取れない泣きながらの声は
受けとるもう一人の声がないままに
モノクロームの ....
子供をたくさん産んだ 女友達
男を連れた 同級生
女が皆で ぼくの、ママになりたがる
オマエハ、デキノ、ワルイ、コ、ダカラ
(だったら、見なきゃいいのに
オマエハ ....
薄曇り
灰色のやわらかなシーツの上
鳥たちが矢印で年のゆくえを示す
あなたがじっと見ている
薄緑の瓶の中にオレンジの蝶
と思えば炎
お湯の中に重い身体を沈めたら
ふかふかタオルで ....
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