すべてのおすすめ
なんの魂胆かしらないけれど 鬼って悪い奴じゃなかったよ
たましいにも ふたつある魂と魄って書くんだって
どうやら 魂は精神を支えていて、魄は肉体を支えているらしいよ
どちらにも 鬼がいるよ ....
静かな時の流れ
空白を充たし
ズレていく思念と思念の
溝を埋める
子供達のはしゃぐ声
花はカンバスに咲き
瑠璃色鳥が跳び出し飛び立つ
続く晴天、遠い ....
眠れない夜が不気味に笑っている
見知らぬ者が訪ねてきた
滅多に聞けない月の唄と
尖った山頂にしか咲かないという一輪と
いつ終わるのかと不安になるくらい
異国の砂漠の話を嬉しそうに続けていたが
僕は安眠剤を取り出して ....
ユキがフッた!
アタリつもって
デンシャ止まって
カイシャ困った
ユキにフラれた
つもりで当たって
あわれ荒れアレ
おわる恋かな
風吹くママに
ユキは降り降り
フリフリチラリ
シ ....
名もいらぬ
我
一個のエキストラ
これは若さ故の、
若気の至りというか
最終電車が無くなっても
チャリンコで飛ばせば
簡単に会いにいけるんじゃないか
とか
むしろ真夜中でも
ひたすら願っていれば
夢 ....
虹色の配列をよく覚えていないのと同じように
震災後のインフラの復旧の順番が思い出せない
トムソーヤならどう思うのだろう
のび太くんならどう思うのだろう
配列や順番なんか忘れてし ....
たなごころにスマホ
便利な無力感が軽すぎる朝
瞳に飛びこむ首のない鳩
飛沫で君の顔はぐしょぐしょになる
また一人死んだ
霧雨が沈黙を湿らせて
僕らが知っていることは
きっと一 ....
溜め池の波紋が大きく揺れた
葦原に身を隠してはこちらの様子を伺っていた餓鬼どもが小石を投げ入れたのかと思った
そうか、いつまでも泣いてばかりは居られないのだ
ここから先はこの御玉ヶ淵に架 ....
自分が言ったことで笑う
周囲の苦笑いや無表情をよそに
強いて言うと
あんたは
そんな感じですな
ゼロです、ゼロ!
糖質、プリン体以下です!
ロストワールドで
宇宙空間に ....
熟柿の臭いにおぼれる眼底
海の深み遙かに沈んだ蓚酸の
記憶がこみあげ喉を焼く
都会の底をさまよう脳が
見上げた夜空の淵に
人魚の嬌声が泡立ち
怒りで放った銛は
領巾にから ....
君の指先の温度を
以前触れて測ったのに忘れてしまった
まだ火のついた吸い殻 逆再生される夢
千円札は五百円玉二枚にはならないし
五百円玉二枚は千円札にはなれない
....
武蔵野の林に分け入り
小鳥のさえずりを聴きながら
止まった時計を垣間見る
足と手のひらが石化する夕方の不安から逃れ
商店街の何時もの食堂
今夜は大盛の鯖味噌定食にたっぷりとした豚汁
俺はた ....
この時間
どこを歩いてみても
ラーメン屋はやっていない
乾燥したファミレスが灯りを灯しているだけで
目的のラーメンは何処にもない
彼らもきっと眠いのだろう
けれど
キツネ顔のチャルメ ....
これは引退した松井から直接聞いた話しでもなく誰かしらのフィクションなのだが
本人が引退を決意した翌日の練習は鬱蒼とした曇り空で自分の打った打球が運わるくネットの角に当たり金魚飴のように跳ね返った ....
この腕にしがみついた、
性という薄皮の、
一枚一枚をゆっくりと剥いでいく。
そこには薄く赤みを帯びた痛みが咲いている。
煙で見えなくなった、
風呂場の鏡に映る、
あらわになった腕や脚、 ....
明け方 季節を忘れた
冷え行く寒さの中で
冬は姿を消し
沈黙は空気を透明に染めた
朝 差し込む光を浴びて
言葉を忘れた
荒涼とした会話が砕かれ
鳥の鳴き声は静寂に木霊した
昼 ....
今日もまた
子供が
虐待されて死んだ
捕まったのは
内縁の夫だと言う
世の中に
内縁の夫が
何人いるのか知らないが
善人の内縁の夫って
どれくらいいるのだろうか?
内縁の妻 ....
珈琲の混ざった粘膜に唾液が滲みる
先刻の鳩の血液も蹴り足から鼻腔を貫いたか
公園で撒いたパンにありついた鳩を執拗に追い回していた
追手の鳩を蹴ったのは気紛れ
砂糖のない珈琲では消えない後味
....
冷たい風が太陽を輝かせるだけだなんて考えは生真面目過ぎるからだろう?
運命が君の思い通りに運ばないのは
逆に世界の凡てが君の考える方向に動かされているからなんだ
、と
自分の死をまえに ....
ほんとに星になっちまったのかい スターマン
空で待ってくれてたんじゃないのかい スターマン
でも泣かないでいいようにソウルを残してくれたんだね スターマン
風は呼ぶものではない。
風はじっと待つものだ。
あの日、
あなたは泣きながら、
私にすがりながらそう言っていた。
娘である私の拳は震えていた。
握りしめた拳は赤く腫れ上がり
皮が剥け ....
「真面目」を『キモい』と言い
「ポエム」を『キモい』と遠ざける
そんな今時の普通たちが
自分の好きな音楽を
『歌詞が特にいい』
と話し合う
その真面目に書かれたはず ....
オンコロコロセンダリマトウギソワカ
薬師如来の御真言だそうだ
仏経の事はよくわからないが
どうやら御真言の意味は秘密らしい
オンコロコロセンダリマトウギソワカ
パゴダには薬師如来 ....
初夢はどんな夢を見ましたか
すべての夢は もろ刃のつるぎ
かざして何を想いましょうや
松飾をつけた車が 走っていた
正月だというのに梅が咲いている不思議な一日
うつくしさを か ....
ひとを見て
ひとに触れて
ひとと関わって
ひとから聞いて
そう(理想)なりたい自分や
そう(願望)なれない自分が
顕れて
それはまるで物語のようだ
....
聖夜に雪や星が降る
水平線にひかりの島
薬をビールで流し込む
キリストみたいな世捨て人
聖歌が夜にこだまする
車は30年前ので充分
それは見間違いかも
糞 ....
雑踏をかき分けながら
正午の鐘が鳴る
おなかも鳴れば
そこは立ち食い蕎麦屋
千円札を差し込み
天玉そばの食券がポロリと落ちてくる
ジャラジャラとおつりの音
男たちの背中をかきわけ
....
三年前にどうにも眠れなくて
三か月半の入院をした
そして今度はどうにも食べられなくなって
また入院する
そこはさまざまな動物が生息しているジャングルだが
静謐な時間が過ぎる場所
い ....
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