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 冬になるたびに訪れる山荘のウッドデッキに霜がおりている。
 木のテーブルを挟んで二脚の籐椅子が向かい合っている。
 一方に腰かけている麦わら帽子はきっと誰かの忘れ物。
 もう一方に腰かけた ....
 時の歩みに歩幅を合わせると見えてくる現実。
 
 真夜中に息を潜めると聞こえてくる騒音。

 眠りを妨げる得体の知れないものたち。

 そろそろ今年も終わる。

 新たな年には新 ....
 懐かしさを覚える町並みに深いため息をつく。
 明日に向き合う為のはっきりとした記憶。
 永い旅路を終えるとき、
 思い出すのはきっとそんなものだろう。

 青空がどこまでも澄んで見える ....
 私の机上で白バラが咲いている。
 窓の外では白い雪が降る。
 壁に掛かる絵画には白鷺が息づいている。
 この世は白いと初めて感じる。

 透明だと感じていたものが全て白になる。
 娘 ....
 風になびく黒髪があなたの横顔を隠す。
 あなたは細い指で優しくその髪を撫でる。
 そんな仕草が愛おしくて私は泣いた。
 愛情があなたの存在そのものになった。

 あなたは絵画に描かれた ....
 私の窓辺に晩秋の風がやってくる。
 あの山の麓の村にもそれは訪れただろうか。
 恋しくてたまらない。
 我が半身は今どこを旅しているのだろう。

 想像の翼を広げてみれば新たな地図が必要ら ....
 晩秋の風は悩みをはらみながら私の窓辺にやってくる。
 ああ、悩ましい。私は上手に言葉を紡げない。
 限界を超えたところに真実があるのなら私はそれを見たいと願う。
 私の存在に真実があるのな ....
 庭の緑に紛れて自己主張する名も知れぬ花々。
 鮮やかな色は私の心をわくわくさせる。
 天気は良好、テラスで飲むアールグレイもまた楽しい。
 部屋の奥からベートーヴェンのピアノソナタが聴こえ ....
 すっかり秋色に染まった道を歩いていた。
 足元を覗くと落ち葉にも色々な色があることに気づく。
 こんな事にも気が付かなかったのか。
 秋は徐々に深まってゆくのだ。
 
 最初から難しい ....
 
夕暮れだろうか、明け方だろうか。
深い森の中に薄紫色の光が差している。
薄い霧のかかるどこか懐かしい空間で
いくつもの死と生命の誕生とが
上品な絹のように織り交ぜになっている。
遠くか ....
 木々の隙間を縫って滑り込む木漏れ日に太陽と緑の匂いを嗅ぐ。
 足元の緑はいつしか真っ白な絨毯になる。
 気がつけば木々の葉も色付きはじめている。
 夏は過ぎ去ったのだ。

 秋を想い、 ....
 夏の日差しを浴びて影が私の前を歩いてゆく。
 大通りから一本中に入った林道に避暑客は少ない。
 挨拶を交わすのは老人だけで見知らぬ若い友人たちは
 まるで私を影だと思っているのだろう。
 ....
 港町を照らす外灯が昨日の過ちを優しく包み込む。
 日ごと繰り返される真夜中の徘徊に彼は意識を組み込もうとしている。
 苦しみは土着し、天を仰げば悲しみに満ちていた。
 振り向くと死が彼の背 ....
 絶望のたゆたう夜空に黄緑色の言の葉は寄り添い、
 音楽を友として今まさに昇天しようとする魂よ。
 君のその美しい羽はなんであるか。
 此岸より望む大河の流れに身を任せるのか。

 ああ ....
 清らかな小川の流れに言葉は産まれ消えてゆく。
 願いは祈りになりあの山の向こうへ放たれる。
 初夏の訪れと共にやってくる想像を
 使い古した手帳に書き留める。

 白樺の林の中で虫たち ....
陽向∮さんのヒヤシンスさんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬の詩- ヒヤシン ...自由詩9*16-1-9
ご挨拶の詩- ヒヤシン ...自由詩10*15-12-30
見知らぬ町並みから- ヒヤシン ...自由詩12*15-12-22
白い世界- ヒヤシン ...自由詩8*15-12-19
記録者- ヒヤシン ...自由詩10*15-12-13
ため息ひとつ- ヒヤシン ...自由詩13*15-11-7
救いのない・・・- ヒヤシン ...自由詩9*15-10-29
愛する人へ- ヒヤシン ...自由詩14*15-10-17
- ヒヤシン ...自由詩8*15-10-10
幻光- ヒヤシン ...自由詩9*15-10-3
秋を想う- ヒヤシン ...自由詩10*15-9-26
スナップ写真- ヒヤシン ...自由詩8*15-8-1
横浜港にて- ヒヤシン ...自由詩6*15-7-25
夜会- ヒヤシン ...自由詩11*15-7-18
蛍の光- ヒヤシン ...自由詩14*15-7-11

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