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もう
あなたにかけることばを
私は持たない

あなたは
私を傷つけない

薄墨を
重ねるみたいに
記憶
コアになるはずの
つないだ手

それさえ


もう一度咲くころ ....
天窓から降りてくる自然光で
満たされた
新しいホールのエントランスで
君は未来の話をして笑っている

ただ与えられた職務を全うするだけの犬が
大理石の廊下に
爪の音を響かせんばかりに存在 ....
冷たい水に耐え切れずに
何を思って息絶えたのだろう
異国の水の中で何を思っただろうか

そこに愛がなかったのは必然的なことで
涙がでないのは不思議でも何でもなくて
きっとそれはエゴに象られ ....
わたしを
離れない嘘たちが、ある

それはかならずしも
苦しみではないゆえに
より果てしなく
むしばむ、
わたし


どこをどうすれば
間違えてきたものを正せるだろうか、 ....
 
、広がる、の。
 
 
(メランコリックガール)
 
不確かなのだ、と
爪先はなぞる
拡散するテレビだとか
縮小を重ねるパルスに
耳を澄ましたままで
 
 
一語。
  ....
後悔を糧に生きる者は
満腹中枢が後悔のリミッタを感じなくなる
周りのものすべてが後悔に見え
見えては食い食っては探す
何が美味しい後悔なのか分からなくなる



単位時間当たりの後悔の ....
雑踏で喫煙をしていると
衛生的な感じの服を着て
酸素マスクを付けた人たちが
群れを成してやって来て
あなたはどうして煙草を吸うのか
と言う
くちごもっていると
健康の為に今すぐにやめ ....
とうりゃんせ と唄われた
神社の裏手
一本の老樹が
わずかに肩をいからせながら
両手を広げ
しどけなく枝先を垂らす


関所と謂われたこの地で
何のためらいもなく
敷きつめられた白 ....
フィチカ、雨の国。

春には雨の花が咲き
夏にはきらめく雨がふる
秋には雨も紅葉し
冬には白い雨がふる

   (誰か)が「冷たかろう」と言い
   (誰か)が「寂しかろう」と言う
 ....
瞳を震わす息吹を
すべからく
祈り、と、呼ぶ
 
そんな
少女の小さなまつげは
時折、瞬きとは別に
揺らぐことがあるという
 
胸元で組んだ手の
その周りに、
祈りは宿るのだろう ....
外から
窓を叩いている
さむかぜが吹いている
部屋のなかで
ふくらんだふうせんが
飛んでいる
鍵はかかっている
入れる扉もない
窓を叩き割ることも
思いつかなかった
ふうせ ....
ふうっと息を吹きかけて
数えるはずだった花を散らせた
数えながら、あなたを想って
この恋を呪って
待ち続けた自分にさよならして
優しい空気を胸いっぱいに吸い込み
明日にジャンプする

 ....
水中ではうたもうたえない
だけど泣いたってわからない
ささやかなゆれはわたしの体温になって

さかなたちの集うよるがくれば
ふやけた指先からあふれていく
あらゆる目線の延長上 ....
ときどき、せかい、が踏み入ってくる
身長167cm/体重53kg/脂肪率12%
のせかいに
いきなりすぎて鳥肌になっちゃうから
ノックくらいしてほしいな
でもそんなせかいは興ざめだろ
って ....
夏ごとに
おしゃれになってゆくおまえが
自慢のミュールで前を行く
{引用=
(なぁ、おまえが選んだっていう
(このお父さんの水着
(ちょっと
(トロピカル過ぎやしないか

いつか
 ....
ひと足踏み入れば
彩る花弁の甘い香りが
しあわせの時を与えてくれる

いつの日も
六月の雨に濡れている足が
軽やかに茨を縫って進み
見え隠れする背中を追う
赤い薔薇、白い薔薇、あなたの ....
.

母が死んだ日の翌朝
わたしはいつもの時間に起きて
いつものようにご飯を食べた


横たわった母の手を
そっと、さわる
(つめたい、手)
(瞼はかたく閉じられていて)
これが ....
まいちゃんが
リストカットをやめさせるにはどうすればいいかなぁ、なんて言うから
驚いて問いただしてしまった
彼氏が、やめないんだって
顔も知らないあんたの男をぶん殴ってやりたいと思った

 ....
ある日
贈り物をしようと出掛けた
セーターを買いに行き
サイズを聞かれた
わたしは答えられない

靴屋に行き
やはりサイズを聞かれ
答えられない

ネクタイを買いに行って
好みの ....
あれから
いくつ春を
数えたかしら
わたしの中に眠るあなたは
春ごとに目覚める


黒と白の斑尾模様の猫が
出迎えてくれた細い路地
人の気配が消え
静まり返った石畳
入り組んだ奥 ....
安吾がありったけのはっか煙草を持って私の部屋の押入れに住み着いた
部屋がヤニ臭いのは元からだからまぁいいとして
夜中に私のビールをくすねるのはやめてほしい


   安吾、安吾
   なん ....
わたしたちも歳をとったね
幼い頃に持ってた可能性なんて大して活かせずに大人になっちゃった
だって昔から
泳ぐのは上手かったんだから


何が欲しい?
酸素と食べ物と寝る場所はもう当たり前 ....
稲妻でみんな酔って終われるって言うから此処に来た
だから早くそれを出せばいい
そう言いながら手を傷つけて血を流しながら
貝殻を握りつぶしている友達を笑って見ている
俺たちはライトアップ ....
つないだ手を
そっ、と離して
春までの距離を
歩数で測っていた君は
三十一歩でくるり、と振り返って
僕に何かを伝えてきた

如月駅を走り出した始発列車が
僕を追い越して
君を ....
あの日
砂利道で蹴り上げたものは
小石 なんかじゃなくて
はっきりしない哀しさだった

どこかに行けそうな気がするのに
行くべきだと思うのに
どこにも行けない自分だった

何 ....
ああ
そういえば

と今頃思い出す

あとは
瀬戸の秋月だけだね

って言った日からもう
どれくらいの鴉が鳴いたのか
運河の景色は
みんな同じになって
しまった

七 ....
押入れの中で目覚めると
いつものように優しくなってる
手も足もおもいっきり伸ばして
指先の細かい部品までもが
思いやりに溢れている
感謝の言葉は誰に対しても
正確に発することができ ....
いつまでも気付かなければ良かった
と思うことがある
熱帯夜の寝苦しさに目をふと覚ますと
わたしの知らないおとこのひとが
わたしの横で寝ていて
二つ並んだお揃いの枕と
ふたりで寝るには狭いベ ....
   
{引用=  あのひとの記憶がしずむ海は、いつしか防砂林で見えなくなった
  越えられない高さに、すこし安心した}   





砂が、降って
深く深く沈んで 底まで
皮膚 ....
魚が膜を突き破る
なにも啼かず座り込む鳥
船はゆっくりと線をひいて
そのしたにはひっそりと海
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