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この手を離れた風船が/何処かで破裂するのを/僕は/見ない/ / //。
悲劇が必要だ/みんな悲しい想いができるように/甘えてる/なんて意味の無い言葉が零れないように/ / //。 ....
さなぎになることにした
沈黙と言う薄い布をまとう
触れないで下さい
生まれる前に蝶が死ぬわ
「宗谷岬」
夏だというのに随分冷える
ここは北の最果てです
朝には郷土の歌が響き
夜には地碑が緑色に照らされます
運が良ければ
樺太が水平線に浮かびます
「 ....
あるあさ きみはやってきた
12階の べらんだに
こっちを ちらり みてみては
つゆでできた こーひーを
おいしそうに のんでいた
ちゃいろの とれんちこーと きた
おしゃれ ....
男は書店で物理の参考書を買った。大学を卒業し就職して既に十数年が経っている。文系出の男にとって物理など縁遠いものであったし、特段の興味があったわけでもない。それでも男は物理の参考書を買ってしまった。「 ....
平らな地面で
あなたのほうに転がって行ったら
笑われてしまう
ねえ、
こんなふうに光る
赤信号の交差点でも
きみは
遠い場所へはせるの
さっきまで
胸をかげらせていたニュースも
アドバルーンの空気といっしょに
ぷすぷすと
消えてしまった
....
金星に
咲く花が
一向に散る
気配を見せず
ちらり
ちらりと
倒錯する
2つ3つが
1つに重なり
その時
僕は
嘲笑を思い知った
アイスクリームが
抉り取られ
空いた隙 ....
泣かない水色を見つけた日
出来る限り手元に集めた
最後に残るのは
この水色だろうと予感した
泣かない水色はひっそりと
過ぎた時間に潜んでいる
ことばを持たず
それゆえ消えずにそこにあ ....
いたずらをするとすぐに股を開いてしまう君へ
薬指の付け根から手首まで透き通る火花が
異常にきれいだったりもするんだけど
もう少し僕は
不明瞭なスープを見ていたくて
あたりまえのように
あく ....
あの人は頭にツノがありました
ある日
頭にツノがあって大変ですね
と言うと
あなたはツノがなくて大変ですね
そう答えました
あれを初恋と呼んでいいものか
今でも戸惑います
ただ、あ ....
沢山の肌があって、沢山の息があって
電車の水疱まみれの窓硝子は、耐え切れず、つつ、と、壊れた
そしてまた、つつ、と、何度でも壊れた
沢山の肌があって、沢山の息があった
私わかってい ....
とても淋しい人と会って
とても淋しい話をした
とても淋しい店でした食事は
そこそこに美味しかった
それからとても淋しい歌を歌って
とても淋しいさよならをした
目の高さで手を振ると
そ ....
電車に乗ってるやつらの膝を砕き週刊プレイボーイの中吊り広告を見て勃起する
終電前の電車だ
吊り革の円がほんとに丸くて
消費者金融の広告の女のくどいほどの笑顔とホームの青葱まじりの大量のゲロ
役 ....
そうね 私間違ってた メール見ろよってさぁ 考忘
プライドも思想も簡単 初めから電話をかけろ えれ
超簡単に排気できるわ あ いや やっぱいい ろろ
自分凡人 タンカンよ 独りぼっちにし ....
「スネアヘッドってつまりすね、ドラムの一番こうなんていうか、つまりすね、基本的なリズムを刻むってか、つまりすね、そんな感じのやつをスネアドラムっていうんすけどね、つまりすね、その表面の皮のことなんすね ....
「メリーゴーラウンド」 10
メリーゴーラウンド
ようくんが死んでしまう夢を
わたし なんど見ただろう
そうやって
ようくんの命を ....
微笑みの匂いがする最後の頁を
めくるかのように
僕が女を忘れたころ
女はいつもと同じ場所で
いつもと同じ歌を
歌っていたそうだ
未明
人も車も動き出さない冷たい駐車場
空を見失 ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする
抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ
産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした
今も少し
する
....
「らりるれろ」
だけ
「らりるれろ」
ころころころころ
「らりるれろ」
なんてよい響き
「らりるれろ」
だけでいいわ
他はいらない
使 ....
お母さんボクは東大にいきます
やりたいことがあるとか、ないとか
これからは好きなことを仕事にする時代なのだ、と
そんな黄色いハローワークで
幸せになれますか
お母さんボクは東大にいきます ....
曇天の午後に
無地のワイシャツが眩しくて
コウモリ傘がひらく
つかめない顔
剥げたマーブルチョコになる
楽しげに理解不能な話をしている貴方が
少し憎らしく思えた
わたしはここにいるのにまるで空気
三歩の距離が果てしなく遠い
貴方の好きな音楽も
貴方の好きなコーラも
貴方の好きな中華料理も ....
桟のきしむ音のする
ほこりっぽい網戸をひくと
あごの線にそう
あどけないおくれ毛が
すずしく 揺れた
たとえば を
話すとき
そのよこがおは
やわらかそうに 笑うのだけど
うっか ....
うす紫に、きれいに染め上がった、
放課後の、
(優しい文脈を結んで)
ぼくは 図書館で、
大好きなきみの名前を、
水文字で書く。
水文字。
右でもなく、
左でもなく、
遠いほうの ....
スチュワーデスさん、とスチュワーデスに声をかけると
私にはケイコという名前があるんです、とそっぽを向かれる
今度こそ間違いの無いように、ケイコさん、と呼ぶのだが
ケイコは押し黙ってしまう ....
急傾斜
信号を待ってる間に
何度も死んだ
閉じたままの傘を
飽きて
植込みに投げ捨てた
車が走っている
牛丼屋のカウンターで
白のロング ....
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