加湿器も咳をしている 私は去らねばならない
あなたの始まりを撹拌してはならないし
あなたの未来を逸脱させてはならない
いや、私は去ってはいけない
あなたの始まりを完遂させ
あなたを未来へと接続するため ....
  きみに
  話しかけることができない
  脈をうつこめかみに手をふれて
  ひとつめの言葉をさがしているのに
  どうしても話しかけることができない
  うまれて初めての夜がきた ....
山つつじの花が
ぷっくりぷっくり
つぼみをたくさん
春の風が嬉しくて
絵具で描いたみたい
彩る奏でる春の唄

私にもたくさんの
つぼみがあって
ゆらゆらと今か今かと
心が踊り華やぐ ....
あたいも
今年で48だからさあ
平均的に考えれば
折り返しは
過ぎつつあるわけだけど
相も変わらず
生活に追われてて
これっぽっちも
余裕はないのよ
そりゃあ
歳よりは若く見えるか ....
命日には 花が咲き始める
あの時のまま 時間は止まっている
部屋は汚れ果てた 誰も来なくなったから
すべてが汚らしく見えて 手ばかり洗っている


不安の海は時化て 人魚は深い水底へ
押 ....
ごめんね、は
狡い

甘くて
とても
狡い

ごめんね、は
優しい

冷たくて
だけど
優しい

ごめんね、と
涙を流す
わたしは
狡い

ごめんね、を
受け止 ....
こたつと蜜柑の季節が終わって
それでも フッと食べたくなる蜜柑
蜜柑産地のJAで赤い網袋に入って
300円の値札を付けて並んでいる
{ルビ寒=かん}の間{ルビ室=むろ}に貯蔵されていたものだ
 ....
川へと行く人たちに混ざれば
わたしたちの足取りは浮かび上がり
闇はますます闇に
わたしたちは手に提灯を提げて
川へと向かう
夏の夜は重なり
昨年の夏も、一昨年の夏も
隣どおし

自分 ....
「ほんとうは何処にある?」
探しても見つからない
探し続けるためには
生きねばならない
だから仕事につき
いつしか妻をめとり
まもなく子が産まれ
ようやく家を借り
中古車を譲り受け
 ....
乳白色に明るい空を見て
あの時はまだ青だったと言った
その背中はしっかり曲がっている
髪も目も灰色に染まっていて

天まで届けと願ったブランコ
この足の先さえ青にかかれば
跳んで跳ねてゆ ....
梅の香りに妻が風呂敷をかけた。風呂敷は青いビニールシート。数字が日にち。逆算しなきゃ。それさえも忘れた。子供たちがぼくとおなじ高さにいた。妻がタッパーからみそ汁。それをこぼす。ひるがえって青空。どきど .... 聴こえだす春の足音 耳ふさぎ二重にしてる遮光カーテン 人生の悩み・タメ息・悔し泣き ホップ・ステップ・ジャンプで前へ 私は折り畳み傘が好きだ
しゅっぽと傘を広げるとき
そうっとわくわくする

それはマジックのようで
手を広げれば花束や
白い鳩が出てきそうな予感がする

それはまた魔法のようで
手を広 ....
古色まぶしい
郷愁の地に

歴史と風雨を
たえぬいて

今もなお
多くの涙が
あるのでしょう

子どもらは
幾つに
なりましたでしょうか

孤独に歩み
すすめたことも
 ....
夏の夜には
哲学者がやってくる
重たく湿った空気を裂いて
纏わり付いた夏の残滓を背負いながら
のっそのっそとやってくる
窓の格子がぼんやりと
月の明かりで光っていた
乳母車を引く質量の響 ....
あした を はちどりがついばむように
きたい を もりがふきなでてくように
みらい を 嗅いでみたい

めをつぶって
はなで
おおきく
おおきく
いきをすって

あかはらとほおじろ ....
そうかと思う
そうかなとも思う
「何のために生きてるの」
「何のために生きてると思う」
時計を見る
時間が
文字盤の隅に取り残されて
うずくまっていた
風が吹いている
いつかは
む ....
バスの座席に身を沈めると
自分の居場所を見つけた気がした

乗客は疎ら
誰もが無言で
窓の外を見つめている

赤いテールランプの川
灰色のまま濃くなる空に
星のように瞬いてとび去る
 ....
あたまの声は
なかまの声だ

あたまの痛みは
あなたの痛みだ

  ☆

抒情を排し
饒舌さを避け

なにものでもない
言葉の羅列

  ☆

僕たる僕の
僕 ....
成長し花を咲かせてまた枯れるその繰り返し自然の仕組み

若者が好む形の家多い古い住宅街若返る

夢を見た永遠探す君の姿終わらない愛いっぱい送る

テレビ見て家の近くのカフェを知る昔ながらの ....
無影灯の下で
 (あるいは 河原で 砂漠で)
鶯色の神々にかこまれ
 (あるいは 烏色の悪魔に)
無防備に横たわる

切り裂かれる皮膚
晒し出される内臓
 (生きものの命を掴んだ少 ....
綺麗にくるまれた布団の中で
ぬくぬくと眠っている 恋の神様

想いが濃ければ 薄着をしている間に
願いを唱えなければ いけません

人肌抜いて 誰かの助けに ならんとす
逆に ジャマをし ....
ひとりの女が 
ひとりで参道をあるき
ひとりで何を祈ったのだろう
あの雨のなか

紅いろの
垂れ梅は
傘もいらない
跳ねる雫石は
わたしの小指にとまる

素朴な路地の乾きとともに ....
戴いた命を
ほんとうにいつわりなく
わたしはつかって来ただろうか

戴いた時間を
無駄と、間違いとから、
せいいっぱいまもって来られただろうか

戴いた体は
このたましいで良かったと ....
     まっしろなカップに
     夜が満ちる
     からっぽなわたしは
     真っ暗な部屋で
     夜を見つめてすごす
     安堵のなか
     ごくり ....
鉛のようなゾウが大きな鳴き声をあげて、この施設にやってくる。
ゾウは、黒い足で緑色の廊下を歩き、黒くネバネバした汚れを残していく。
ゾウが歩き去ったあと、君はあたりまえのようにモップを取り出し、そ ....
要らない人間に
選ばれると
赤い色の車が
家の前に止まり
赤い服を着た
屈強な男が数人
家に乗り込んできて
要らない人間を
力ずくで連れだそうとする
要らない人間は
何のことだか分 ....
かぞえきれない かなしみを

りょうてで かぞえて みてみたい

ゆびおり かぞえる ここのつ とお

そしたら いちから また はじめ

それぐらいで ちょうどいい

かかえきれ ....
金子茶琳さんのおすすめリスト(549)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
加湿器も咳をしている- 北大路京 ...自由詩315-4-4
去る- 葉leaf自由詩115-4-4
話しかけることができない- 草野春心自由詩515-4-3
山つつじ- 灰泥軽茶自由詩515-4-3
ちつのひだ嘗子の冒険- 花形新次自由詩115-4-3
花の色は- 藤原絵理 ...自由詩715-4-3
ごめんね- 小原あき自由詩8*15-4-3
三月の蜜柑- イナエ自由詩15*15-4-1
- ゆきむし自由詩3*15-3-4
HONTOU- やまうち ...自由詩5*15-3-4
変色カメレオン- 這 いず ...自由詩3*15-3-4
8ジグソーみそ汁- 吉岡ペペ ...自由詩415-3-4
聴こえだす春の足音_耳ふさぎ二重にしてる遮光カーテン- 北大路京 ...短歌415-3-3
人生の悩み・タメ息・悔し泣き_ホップ・ステップ・ジャンプで前 ...- 北大路京 ...短歌315-3-3
折り畳み傘- 灰泥軽茶自由詩1215-3-3
連詩〜とよよん様と〜「被災地を知らない私たち」- 黒木アン自由詩8*15-3-3
孤独なこころ- 迷亭うさ ...自由詩2*15-3-3
みらい- コトバス ...自由詩3*15-3-3
そうかと思う/そうかなとも思う- めー自由詩3*15-3-3
夕暮れのバス- Lucy自由詩14*15-3-3
- シホ.N自由詩7*15-3-3
若者- 夏川ゆう短歌115-3-3
幻死_- イナエ自由詩8*15-3-3
注連縄の如く- 藤鈴呼自由詩3*15-3-3
参道のひと- 黒木アン自由詩2*15-3-3
2015.03.03(独白「さやかなる翼を」)- もっぷ自由詩415-3-3
月なしの夜に- 石田とわ自由詩19*15-3-3
ゾウの詩- 宮木理人自由詩8*15-3-3
要らない人間- 花形新次自由詩315-3-2
ちょうどいい- コトバス ...自由詩2*15-3-2

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19