むしろ素麺が薬味だ
嫌なこと 辛いこと
ほじくり返して 気にしてる
それだけ 歩き出したら止まらないということだ
僕のケータイは
常時マナーモードだから
君からのメールが来れば
振動して知らせてくれるのだけれど
ポケットに君との連絡手段を忍ばせて
電子的お手紙を待ってると
振動するからパカッと ....
落とし穴 落ちたことは
他人(ひと)のせい
這い上がったのは 自分の力
雨の降る日に一人坂道を上る
先の見えない坂道をひたすら一人で今も上っている
君に会うために
痛みを乗り越えてきたことを思い出す
乗り越えた喜びに浸っても また痛みがやってきて
そ ....
真夜中に珈琲がきれる
煙草なら予測できるのに
インスタントの残りをよく忘れてしまう
一袋くらいパックがあるだろうと彼方此方を探しまわる
引き出しや鞄の中を探す
語れないひとときが ....
一日の終わりに感謝が募る
愚痴の可愛さは勝手に元の圏外に戻る
感謝は勝る 何よりも勝る
意図にせよ能動の自然にせよ
一日の終わりに感謝は募る
感謝はべきではなく完璧の地球色の空
....
縦横無尽の蜘蛛の巣に
きらり、とひかる
ひと粒の
朝
水に囲われ
ささやかに揺れている
ひとしずくの
時刻
断片的な
その美しさのかたわらに
白く包まれた命がある
....
大きなお尻が部屋を狭くした
裸足のあしあと
プールからあがって
シャワー室まで続く
誰かが忘れ
端で丸まった水着
外は小雨、傘を忘れ
しばし迷う
夏は去ったのか
知らない気持ちに塗る薬が愛で
もっとあなたを知りたい気持ちが夢で
愛し愛されることが現実で
離れないように君の手を繋ぐことが
人間関係なら
僕らは孤独を知らずにすんだかもしれない ....
食べたものがお腹に溜まってくると気持ちわるい
出そうか出すまいかと迷ってるのはボクと腹の虫
これは無理に捻り出せば後ろに残るし
といって出すのを止めればまた虫たちが布団の中で暴れだす ....
春になったら
冬は死んじゃうのって
おまえがあんまり悲しそうだから
ひとつ、翼をあげよう
冬とおんなじに
翼をあげよう
どこへでも渡っておいで
時が満ちるまで
空がめぐるま ....
そっと今も
地球に隠されている
新しい一日には
夜明けの太陽から
陽射しが煌めいて
鳥たちが
鳴き始める約束の朝
窓を開ける
君の微笑みに
旧来の知人から
感謝の手紙が届い ....
七色に輝く水しぶきを浴びて
キャッキャと走り回るあなたを
私だけのファインダーに
永遠に閉じ込めておきたくて
夢中でシャッターを押したのに
あなたのぶれた指先や
揺れるスカートのレースしか ....
ことしも彼岸花がきっちりと合わせてきた
さすがだ
車窓にゆきすぎる田んぼの風景
田のまわりを彼岸花が赤く彩っている
防虫効果でもあるのだろうか
彩りだろうか
刈り入 ....
呼吸をするように生きるんだ 息を吸ってはく
それを意識すると いつの間にか思ってもいないのに深呼吸をしていて
ほっと落ち着いている自分がいるよね
呼吸をするように生きるんだ 息を吸っ ....
呼吸をしていると
深く息深く呼吸をしていると
シンクロするように
君の鼓動が聞こえてくる
あたたかな
ひどくあたたかな眠りを誘う
愛くるしいメロディのよう
生きることはうたう ....
あたたかいところ
つちのなかで ねむってる
どんなに 外がつめたくても
くらいひとところにまるまっていると
自然と あったかくなってしまう
....
真昼の空気越しに見る空は青くて
目には見えない風がひんやりして気持ちいい
空気が透明でよかった
なんてね
でも
さっき君の声が僕を呼んでいるとき
君の声は透明で何も見えなか ....
あなたとわたしの汗が滴る肌 舌をはわせてあげる
あえぎ声 はてるまで
何もかも とけてしまうまで
僕が大真面目に詩を語るとき
きみは鼻で笑うかも知れない
確かに僕は馬を引き連れてオドケル
鎖につないだ烏帽子の猿たちを宙に回す
アンクルなつま先
底の抜けたブーツ
しかし考え ....
――K.F.へ
理由も目的もなく、理由や目的を作るためにあなたは生まれた。あなたはこれから生きるという不思議なめまいの中に巻き込まれていくが、全ては既に古く、同時にまったく ....
わあわあと脈略のない会話の後すとんと眠る君羨まし
悪夢でも構やしないと待ちわびる瞼を閉じてじっと堪えつつ
からからに渇いたのどを潤しに台所立つ顔青白く
そのままに今朝を迎える覚悟なく ....
月の柔らかな光 デコボコが妙に悲しい
群れを為し 水を求める 草食動物は
こんな夜をどう感じているのだろうか
憂いに耽りながらも我が子の為
草食動物を求める 肉食動物
強さを知っ ....
少し冷たい朝に
悪い夢を見て起きる
深呼吸で
心を落ち着かせる
坂を登る前に
嫌なこともあるけれど
深呼吸で
前向きになる
すれ違うあの人と
目を合わせるか合わせまい ....
そこには何もない だから懶惰に耽る
見えない現実に 見えない心を封じ込める
猫背になって 冴えなくなって
感じないことが増える事に 敏感になる
今 懶惰のサイクロン じわじわと壊してい ....
山脈や湖が私の臓器である
海流や雲海が指先から皮フに走り寄せる
各地の毛細血管で猫が平和に
寝ている欠伸している
私は月の鏡を覗きこみ、睫毛にこんもり
オーロラを ....
純度だけは
高かった
未熟な幼い
私の愛を
貴方は
シャーレに入れ
蓋を被せて
純粋培養しようとしたから
それは
純度の高いまま
根深い憎しみに
変貌しました
....
夜空には前夜があった。
液晶に情報が重なってゆく
それと同じように。
細かい星がたくさん生まれては
次々と死んでゆく
君に影響されて書いた詩で
照らせる事があるとして、
9月の液体、 ....
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