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昨年のこと
とある詩のコンクールの審査を依頼されて
はい、はい。と気軽に引き受けた
どうせボランティアなんだから
身構えるほどの責任もないだろうし
兎にも角にも
年金詩人は暇だったのだ
....
海水浴場でバイトしている
七月の偶数日と
八月の奇数日が出勤日
つまり、各日ってこと
主な仕事は
海水浴場のトイレ掃除と
浜辺のゴミ拾い
朝八時から午後三時まで
三十分仕事して、三十分 ....
「もうこんな時間」とは
やることのない人の台詞ではない
それでも流れるものは流れる
誰も私に期待してないから
近所のレトリーバーにお願いして
遊んでもらっていたのだ
やることがないのは ....
サザエさんの一家ならソフトウェアにしのばせて歩けるやさしい世代だからわかるよね。 クレヨンしんちゃんのママなら浮気してもいいかな。セクシーで小股キレそうだから。あとで毒を盛られてしんちゃんのしてや ....
我慢し過ぎるというこれも眠りには良くないようだ。 失意は立案の乏しさを今さら悔やんでも仕方ないのだが、委ねた事への憤りはいまだに収まらない。 もう少し道幅を広く取ればよかったとか、遠慮してカーポー ....
ここらで
咲かんと
いつ咲くんや?
咲き時
間違えてまうねん
そんなん
命とりやで
つぼみのまま
枯れたら
どうすんねん
ドライフラワーにでもして
成仏させるんか?
....
心の片隅に置いていた
夢のカケラが
今 光出す 静かに
心から もれだす光に
ホタルが集まってくるよ
キミは永遠を信じてるかい?
僕はカンペキには信じきれていないのさ
この心 全 ....
傷ついたら こっちのもん
挽回して
もっと強くなっちゃおう
そう考えると
傷ついた時って
ある意味チャンス?
さらにパワーアップしちゃう!
そうなると
逆に傷つけてくれた人に
....
いかんせん この雨
出るに出られんわ 風
ますます出れんわ
カミナリまで
鳴る始末
今日は何して過ごそう?
コーヒーの中に浮いてみたい
角砂糖と場所取り合って
ゆらゆら揺れてた ....
毎日
踏んだり蹴ったりで
激し過ぎだわ
わし
そんな
かわいいんか?
そろそろ
認めてもいい頃やろ?
書類の山に
てんてこ舞い
これ今日中に
さばききれるんか?
無理やろ? ....
ペットボトルの口が開いて
水蒸気舞い上がればイルカが波に乗ってやってくる
街のカラスが餌を探す
幼虫は産声を上げるその時をじっと待っている
怪しくもない人々が夜を擽るのは 塵
....
濃度がさらに上がる
密なる関係
沸点こえそな
熱い熱い愛の渦中
それだけに
甘くとろける心
出し惜しみしてるの
いまだ
いまだ
キスしたら最後
愛のトリコ
....
やるせない日々に
孤独を何で
まぎらわせばいい?
傷つき合って
その傷をなめ合って
何がしたかった?
人はみな 孤独抱え
生きるのが定めと
愛に飢え
愛に走り
愛 ....
気づきやしない
アリバイも
ドアノブのない
扉も
全て全て
君が根源だから
情け無用の
降り様も
見ようとしない
現実も
なにもかもが
君が出した問いで
溢 ....
外野を抜けた白球を追って走る
走者が一掃して
試合が終了しても
ひたすら追いかける
悲しみも寂しさも
ただの退屈だった
人の形を失っていく
それでも最後の一ミリまで走る
(午前7: ....
クジラの胃の中で溶け始めたような、そんな朝だった。朝になりきれない重い空気の中、歩き出す。歩くことに違和感はないが、いたるところが錆びついている気がする。明るい材料は特にないんだ。アスファルトの凹ん ....
マシン 短くて気が遠くなる
長雨の季節には藍藻入りのスープで夜をやり過ごす ことになる
不 ....
高い夜空が澄み渡り
晴れてはいても、なんともさみしい
きらびやかなネオンサイン
きれいだけれど、中身はからっぽ
あゝどうしたらたどり着けるのか
あゝどうしたら充たされるのか
途方も ....
春の約束
永遠に叶わない約束
散るときを知って
失墜しながらそれでも
対の自分をさがす
さがし逢えたら手を繋ぐよ
ひとのまばたきより短い時間を使って
もしも一対になれたら
空へはば ....
連れてきて5年は経つだろうか
当初から敷き詰めた砂を蹴散らしては小さな魚を追い廻す
我が物顔で水槽の中を暴れ廻っていたおまえも
わたしの姿を見つけてはじっと動かなくなる
大きく成長するのも ....
誰かの風に乗り 誰かの声をきく
そうしたくないもの そうなりたくはないもの
覚えているかい
小学校の夏休み みんなで寝泊まりした教室の匂い 擦り切れた廊下の窓ガラスの向こう
お ....
闇市に西瓜を買いに出かけたよ
金脈が本物の黄金だとか噂話しで聞いたんだ
途中チンピラに追いかけ廻されては警官に発砲されたり
散々な眼にあったぞ* !あ、こんなところに…
板 ....
また一夜が明け
光溢れる一日が来たよ
風はそっと穏やかだし
空はぼうと水色だし
街は花の香に包まれて
実に飄々と軽やかに
ステップ踏んで春は行く
おれはのそっと鬱だけれど
六十一回目の ....
詩集を出したばかりの頃
卒業後初めての同窓会があった
みんなそれぞれの世界で活躍していて
「詩集を上梓しました」と宣伝すべき立場と
疎ましく思われる現実とに混乱した
高1で同じクラス ....
雨粒がポタリポタリと落ちるのを
ショッピングモールの四階の暗い駐車場で
一緒に見ていた
やわらかい君の太ももはあたたかかった
じっと雨粒を見つめているその長めの睫毛は
ぼくにとてもよく似てい ....
更けゆく夜はひたすらに
孤独の深い陰影を
白けた顔して曝け出し
薄い涙がつと流れる
薄倖の人、天破り
漆黒の闇に降下する
幼い記憶の光景が
眼前に広がり来たるまで
ひたすら遡行し孤 ....
塩水を買って帰る
安かったから、と妻に渡すと
またこんなもの買ってきて
そう言いながらも大事そうに抱えて
海に帰っていく
今日のおすすめはこれです
テレビの人が言った
(午前 ....
大好きな女と離島で暮らす
大嫌いな奴と仕事をする
愛情たっぷりの野菜を食べる
つまらないことでも悩むのだけれどもね
まあ確かにいいかなって
とても酷薄な人生のやり口だ
計画経済 ....
おとこが夜中にやってくる
そのおとこは生まれたことがないのである
いっしょにゆこう
どこへ
とおくへ
くちびるでかすかに笑っている
いそいそと身を起こして
服を着て出ていこうとすると
....
人が笑っている
人も笑っている
空は何もしない
近所の人が歩いている
犬を連れている
性別は男とオス
海は遠い
(午前6:53 · 2021年2月3日·)
椅子が眠っている ....
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