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つらつらと つららのことをおもってみていた
軒先に根をはやし
重力に逆らいながらも
きりりと尖ってうつくしい
冬がこしらえた期間限定のその造形は
猫とじゃれたあと
うつらうつらしているうち ....
春の約束
永遠に叶わない約束
散るときを知って
失墜しながらそれでも
対の自分をさがす
さがし逢えたら手を繋ぐよ
ひとのまばたきより短い時間を使って

もしも一対になれたら
空へはば ....
幾重にも重なったチャコールグレーの雲模様
ハッヒフヘホー
バイキンマンが登場する定型場面みたいな
重すぎて緞帳になれなかった布地みたいな
そんな今朝の空を額縁にかける

やがて大粒の雨
 ....
春が流れていく

みなもに降り立った
無数のひとひらたちは
いたづらに未来を占ったりしない
何にも誰にも逆らわずに
やがて
その先でひとつになる

裏もなく表もなく
命は等しく終わ ....
静けさという音が
降ってきて
{引用=それは
大人に盛られた
眠り薬}
影という影が
今という現実の
いたづらな写し絵になる


いつまでも暮れてゆかない夜があった
小さな公 ....
四方に充満した水の粒子が
わたしの髪の毛を
ちぢれさせてゆく
梅雨に不機嫌になるのは
そんな他愛のない理由だった

透明な傘を持ち
すれ違う人が
生真面目な歩幅で
人を殺す理由
人 ....
心を傾けたくて
首をかしげてみたりする

垂直を保っていた中身が
静かにあなたの方へ移動して

夜になれば
いっそう傾けたおして
すみずみまでもが水平になる

殻という
分岐を越 ....
海は優しい
もちろん
それだけではないことを
たくさんの人が知っている
海は荒れ狂う
そんな日は
早々に寝てしまうだけ
海鳴りを子守唄にして

たどりついた
ふるさとの
今朝の海 ....
今、私は冬の終わりと春の始まりのうすごおりのような、境界面にいる。(、のだと自覚する)

今日は暖かくなると天気予報が告げている。自転車通学をしている娘の防寒ジャンパーが玄関に置き去りされている。 ....
大きなひとかたまりの石の下
あたしたちはゆっくりと
水を
手放している

昨日より
今日
ことさらに
ひたむきに
あたしたちはゆっくりと
命というものを
凝縮させている
とりどりの人がいる

顔、瞳、髪の色はもちろん
おそらくは心の中や
境遇までも

透明の涙が私を取り巻く重いものを流してくれる日もある
透明の涙が
さらに粘度を増して醜いゼリイになって ....
私が不治といわれる病気になった時
学校のことや
子供会のことなんか
代わって引き受けてくれたママ友に
「いろいろごめんね」と謝ったら

事情を知っている彼女は言った
「そんなこと、気にし ....
外葉をめくったら
白い小さな亀がい
て、脱皮直後の未
防備ゆえのその純
真な甲羅にしばし
じいっと魅入る、
命あるものはみな
平等にそんな生ま
れたてがあった。
 ....
あなたのみらいのために祈らせてください

そう語りかける女の瞳は
目の前の現実であるわたくしではなく
どこか遠い国を見ているようでした

ミライは
いつの間にか
ミイラにすり変わってい ....
キミが放っておくから
ボクはすっかり錆びちまって
ダッシュボードの上は
白い埃が積もってるけど
ベイべー、雪合戦するほどじゃない
底意地の悪い奴は
どこの世界にもいるのさ
ヤワな雪玉に見 ....
誰もがあなたを甘やかすから
気づけばすっかりぜい肉がつき
顔の周りの
柔らかな毛をつまんでみる
味気ないドッグフードだけ食べて
長く生きるのと
体には良くないけれど
美味しいものを食べて ....
ほどよく乾いた小枝や
抜け落ちた羽根や
通り過ぎていった月日の
さまざまを
ちりばめておく
もうそこは
きみのねぐら以外のナニモノでもない

広い宇宙のなかで
ただひとつだけ
選ん ....
ねえ、知ってる?
氷河期はまだ終わっていないって

たとえば
冷凍庫の扉を
誰かが開けて
昼飯は冷凍パスタかそれともピザか
焼きおにぎりも捨てがたい
うーん、どうしようと
うっかり長 ....
取り忘れたのだろう
束ねられた
豊かであった髪を
解体しながら
(舞踏会は終わったわ)
ていねいに
抜き取ったつもりでも
女の指から
逃げおおせた
小さな
黒いそれが

おそら ....
今、空の底にいます
屈折した光に包まれて
案外うまく歩けています
地図を読むことは
相変わらず苦手だけれど
磁石を温めて
風を読むことが出来れば
目的地にはいずれ
たどりつくかもしれま ....
スーパーマーケットで、安寧芋という名前の芋を買ってきた。鹿児島の種子島の特産品らしい。
よく出回っている鳴門金時芋より少し高いけれど、トースターで焼くと黄金色の身は柔らかく溶けるようで、それだけでも ....
ヒョウ柄のブラジャーすれば少しだけ強い女になれちゃうのです

キャミソール細い肩紐に見せかけて女の紐はほんとは太い

ふわもこが恋しい季節になりましてしーんと冷えた足のゆびさき

てぶくろ ....
美しい言葉を
うすぺらいと
思う人もいる
人の心や現実というものを
わかっちゃいないねと
笑う人もいる
そこへたどりつくまでの
流した涙を知らずに
美しい言葉を
幻想だと
突き返す ....
もうそろそろだと
祖母は言う
おかいこさんのからだが透けはじめると 
そのうち糸をはきだして
楕円のおうちで
別者に生まれ変わるのだと

その不思議な虫は
一日中
桑の葉を食べている ....
秋風のなかに
ほんのわずかに残された
夏の粒子が
午過ぎには
この洗濯物を乾かすだろう

通夜、葬儀の放送が
朝のスピーカーから流れて
犬が遠吠えを繰り返す

香典の額を算段して
 ....
新米を握る母の手は
燃え始めたかえでのように色づき
かぐわしい湯気を蹴散らしながら
踊ってみせる
熱いうちに握らないと
美味しくないのよと
まつわりつく子に言いながら

端をほんのわず ....
大切な約束をしたことを
いいかげんなわたしは
いつのまにか
忘れてしまった
むきだしのアセチレンランプの猥雑さざめく夜市
腹を見せて死んだ金魚は
臭う間も与えられずに すばやく棄てられる
 ....
スキップが出来た日
ひとりの道を楽しむ会の
仲間になった

逆上がりが出来た日
さかさまを楽しむ会の
仲間になった

しびびーが出来た日
くさむらを楽しむ会の
仲間になった

 ....
草野大悟2さんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(28)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
つらつらつらら- そらの珊 ...自由詩9*22-2-4
対の羽- そらの珊 ...自由詩15*21-4-17
そういえばキミはバイキンマンが好きだったよね- そらの珊 ...自由詩9*21-2-15
a_piece_of_spring- そらの珊 ...自由詩15*18-4-3
きつねつき- そらの珊 ...自由詩18*17-6-12
パーマネント_ラビリンス- そらの珊 ...自由詩13*15-6-9
流動体_【詩人サークル群青_二月のお題_「岐」への提出作品】- そらの珊 ...自由詩14*15-2-26
さいはて- そらの珊 ...自由詩21+*15-2-25
うすごおり- そらの珊 ...散文(批評 ...11*15-2-23
樽の中- そらの珊 ...自由詩12*15-2-21
- そらの珊 ...自由詩15*15-2-20
明日は我が身- そらの珊 ...自由詩17*15-2-16
夢見るキャベツ- そらの珊 ...自由詩20+15-1-31
巴里、骸骨寺で- そらの珊 ...自由詩17+*15-1-17
コール_アンド_レスポンス- そらの珊 ...自由詩21*15-1-15
犬と鳥と猫と- そらの珊 ...自由詩13*15-1-13
おかえりなさい- そらの珊 ...自由詩23*15-1-8
冷凍金魚はいつか解凍される日を待っている- そらの珊 ...自由詩16*14-12-26
Uピン- そらの珊 ...自由詩17*14-11-20
この手の先にある空の果て- そらの珊 ...自由詩22*14-11-17
夜更けの紙相撲_霜月あるいは食物月(おしものづき)- そらの珊 ...散文(批評 ...15*14-11-15
ベッドでは香水だけをつけるなど、一生縁のない日々のつれづれ- そらの珊 ...短歌19*14-10-11
赤い月はノクターンを奏でる- そらの珊 ...自由詩17+*14-10-10
偏愛- そらの珊 ...自由詩2414-10-8
まえぶれ- そらの珊 ...自由詩2314-10-4
秋の抽斗- そらの珊 ...自由詩1814-9-28
あかい花- そらの珊 ...自由詩2614-9-26
お天気倶楽部- そらの珊 ...自由詩20*13-11-10

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