雑踏で喫煙をしていると
衛生的な感じの服を着て
酸素マスクを付けた人たちが
群れを成してやって来て
あなたはどうして煙草を吸うのか
と言う
くちごもっていると
健康の為に今すぐにやめ ....
いつもなら
真横から朝日を浴びる時間に
ライトを点灯させた車が
飛抹をあげて通り過ぎていく
ふいに
まだ夢が続いているような
不安にかられる

クレーンを折り曲げた重機が
ごうごうと ....
きみの魚にふれたくて
えら呼吸を切望したら
肺が痛んだ
朝への開口を防ぐように
その
呼吸のひとつ
くちびるを
置いていく


きみの鳥をとびたくて
背中にそらを作ったら
煙に ....
草野球のナイターが終わり
管理人が外野の照明灯を落として
軽自動車で市営球場を後にするのを見届けると
僕はいつものようにフェンスを乗り越えて
雇われマインスイーパーのような面持ちで
慎重にピ ....
太陽    なのか?

がのぼったまんまだ

もう ずっと

ぐっしょりと潤んで


乾かして

からからに

ぼくらを

見上げない
滅多にぼくは
ちかごろ

 ....
頭の中につまっているよ
つららのように出来たんだろうねこの
目にうつるものたち
首の後ろがちりちりしてるんだ
太陽にあきらかにされた
急勾配の斜面の野原を
こわれかけているしずくがたくさん ....
まるで横断歩道みたいにされたら
間違えて踏んじまうのも無理ないさ
いて、って声が聞こえなきゃ
あんただってすぐには分かりゃしないよ

鏡の中で色を合わせて
おんなじ姿をしてみるの ....
ある日
贈り物をしようと出掛けた
セーターを買いに行き
サイズを聞かれた
わたしは答えられない

靴屋に行き
やはりサイズを聞かれ
答えられない

ネクタイを買いに行って
好みの ....
嫁の腹が日に日に膨らんでゆく。
検診に行くたびに倍の生命力で大きくなってゆく。
嫁は四六時中続く気持ち悪さを懸命に我慢している。
風邪を引いてもなるべく薬を飲みたくないという。
嫌いなニンジン ....
メガネをはずした
わたしの素顔
おとこのひとにはじめて見せた

胸ボタンの間にネクタイを押し込め
腕まくりした。あなたは
同僚を叱咤激励して
そんな。あなたに恋焦がれていた

それで ....
帰宅ラッシュだった
階段で圧力に耐えかね
ひょろ長い女の背を
あわあわと胸で押してしまった

(押すなよおっさん!

おっさんではない
武士である



{ルビ法度=はっと}に ....
6時15分
目覚まし時計が鳴る
たぶんあの世とこの世の間にいるみたいな顔をして煙草を吸う
それから秒針がちかちか聞こえだす
引力に引かれるように瞬速で作業着に着替える
タオルと靴下を2セッ ....
フ と目の前に綿毛が飛んでいたので

ク とつかまえて離して見ると

それはチカリと赤い血の玉で

もう一度握ってはなすと

{ルビ捩=よじ}れてつぶれて菱形のいのちに変わった ....
亡霊を手に指揮棒を振るう老人の
ずれ落ちた眼鏡に映っていた。
風が鳥を離さないと同様に、鳥もまた
風から離れようとしなかった。
「魂のつがい」と題された音楽が聞こえた。
風の鳴らすシンバルと ....
亀を背負って
懐かしい人の苗字を呼びながら
塩を舐め続ける
水が飲みたい

+

かまきりの新しい
亡骸を
司書は黙って
見ている

+

カンガルーが直立したまま
波音 ....
ウィスキーを舐める

回想を重ねる

画像が荒れてゆく

煙草がスカートの端を燃やす

後頭部にあてがわれたあなたの手を想う

耐えられなくなり、誰かと営む

営みは儚く、 ....
授業中。昔の話をしていると
いい加減馬鹿馬鹿しくなってくる。
それでも、無地の黒板と、無地のノートから
何かしらの兆しを感じているけど

叶うなら授業中に片思いの時間をつくると
口にしてか ....
むかしある男がある場面で
海を二つに割りその真ん中に道を作った
それは奇跡だった
その場にいた人々は驚愕し
うわさに聞いた人々は私たちも体験したいと叫んだ
男は皆を集めもう一度海を割り道を作 ....
耳の中に何か忘れ物をした気がして
振り返ってみるけれど
耳の中に帰る道を忘れてしまった
どうにかしようと耳を澄ましても
聞きたくない音や言葉ばかり聞こえてしまう
まもなく桜がきれいに咲き始め ....
「春待ち」


春を待っています
もうずいぶん長いこと
幸せとか よろこびだとか
そうゆう精神的な春じゃなくて、

もう今年は十一月から待っています
つまり、去年からずっと
暖冬と ....
   やさしさもみんな抜け落ちて
   そいつはセーヌの流れに消えた





キリストマリアを引っかいて
破れた爪で十字を切った

 ....
別れの朝はなんて適当で
あっさりマグカップなんか洗ってる
もう触らないでって言ったのに
角ばった手は真っ直ぐ頬に触れてた

寝不足な顔してる
あなたの眼はそう言っていて
心配そうな顔 ....
日曜の朝
一人の娘が固まっている
俺の妻だ。
枕元に携帯電話が二つある
電池パックを入れ替え
その機種でしか出来ないゲームをするらしい
いまはモンスターハンターというのをしている。
雨が ....
ぽちむは家を出ました
モスクワに行きました
それで売春婦に会いました
自分もなろうと思いました
その売春婦にいくらって言えばいいのって聞きました
売春婦ははっきりしたことは何 ....
※いちにちめ

朝起きたら
靴から花が咲いていた
綺麗な花ではなかったが
あんまり堂々と咲いていたので
迷った揚句に仕方なく
会社へは裸足で行くことにした

※ふつかめ

朝起き ....
白髪を掻いて
新聞を読んでいる
あなたは
岩だ

猫を
下手くそに撫でる
次郎丸は
僕が名づけた

うちで生まれた猫たち 三匹
母親にとって
あんなに大切だった ....


好きと嫌いが
ギアの上で揺れていました
わたしはちょっと迷いましたが
結局どちらとも決められないまま
右手で好きも嫌いも
すっかり覆い隠して
細心の注意を払い
 ....
庭で子どもたちが泣いている
ちいちい ちいちいと泣きながら
翼をぱたぱたさせている
それだけで 私ももらい泣く
私は狂ってしまったんだと思いながら泣く

そして何を悲しんでいたのか わから ....
「おじょうさん、金魚すくいをやってみないかい。とれてもとれなくてもサービスするよ」

金魚すくい屋のおじさんに声をかけられた。

「いいえ、うちには水槽がありませんから飼えません」
「そうか ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。

そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。

「わたし、電車が大好きなん ....
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