二階の窓から曇る夜空を眺めている
kauzak

二階の窓から曇る夜空を眺めている
降りだしそうな雨をむしろ望んでいる
雨に撃たれてしまいたい

世界に射抜かれる前に
この街を焼き払おうか

*** ** *

持ちきれないほどの赤いダリアで
今にも泣きそうな顔をしてつっ立っていれば許されるとでも言うのか
そんな甘えを抱えたまま吹きっさらしの砂浜で波濤を見ている

薄暗い背景を感じて黙ったままで
押し殺された声に復讐される
だからと言って声を取り戻せるはずもなく
ただ黙って波を眺めて
雲間から光が射すのを待っている

* ** ***

風が強い
世界感まで吹き飛ばされそうになり
震える言葉を摘み取ってみる


 ※連なるだけの言葉シリーズ


自由詩 二階の窓から曇る夜空を眺めている Copyright kauzak 2010-02-27 23:47:22
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