すべてのおすすめ
わたしは
人になりたくて
生まれたのだろうか
なりたくて
生まれたわけではないのに
慰めてくれるのか
牛よ
休日の午後
息子と散歩した
飛行機を空に見つけて
あんなに飛んで
どこまで行くんだろう
と息子が言った
西の空を見ては
あそこに夕方みたいなのがあるよ
と僕に教えてくれた
....
わたしは
わたしという
のりものにのっている
わたしのなにが
のっているのか
みえている
わたしのからだに
こののりものに
とおいごせんぞさまの
みこころが
わ ....
きゅうじつ
のっぱらにねころんで
そらをみている
くもが
すこしずつ
かたちをかえながら
いそがしそうに
そらをながれていく
あれはあれで
しごとをしているのだ
....
いつからか
りょうしんのせなかに
はねがはえている
まだそらをとべるほどではないから
あんしんしてるけれど
それはすこしずつ
おおきくそだっていることが
あうたびにみてわかる ....
懐かしくて
よい匂いがしてきます
家の匂いによく似ています
目を瞑ると
窓から光がこぼれます
もういない人の
声もよく聞こえます
鳥籠で
キリンを飼うことにした
キリンは可愛らしくて
このまま鳥籠より
大きくなってほしくなかった
けれども心は違った
僕がいない時
沈む夕日にアフリカを見ている
....
冬の雪の下
土の中で正座していた足を
今ゆっくりとほどいていくように
私の足にも
春がおとずれている
痺れる感覚に
気を失いそうになりながら
すみずみまで血がめぐる
生 ....
透明な水槽に
きれいな水を満たしていく
やがて現れる一匹の魚を
妻と二人で待っている
数億と言われる精子は
あらかじめ神様が予想した
人の数かもしれない
水槽の向こう ....
まだ生まれていない
君を心配してる
生まれたら
誰も経験したことのない
君の人生が待っている
君が君であるために
僕は何度か死にかけたことがある
鼻先を
時速百キロ ....
母さんに
ブティックを
プレゼントしてあげたい
もう街にいかなくていい
大好きな洋服が
売るほどあるのだから
試着室で
好きなだけ
試着することができる
しば ....
正確な数値はわからないけれど
たぶん5%くらいになったあなたの体が
目の前に横たわっている
よほど熱かったのか
素手で触れることはできなくて
箸で摘まんでいる
かつてあ ....
高架橋のところまで
電車を見にいく
生まれる前から
そうすることが
決まっていたように
電車が来るのを
待っている
死んでしまったら
できな ....
七才のとき
斎藤内科の待合室で
はじめて死について考えた
三歳のとき
母の背中におぶられて
私はいま三歳で
母におぶられているのだと
考えていた
高校の入学式の帰り ....
父は風呂に入りながら
トランジスタラジオを聞いていた
湯船に落としてしまっても
乾かせば直ると言っていた
実際お湯に沈んでも
ラジオの音は止まなかった
僕も父の真似をして
....
今日もはみだしている
淀みのようなところで
濾過された水が
次の流れへとはみだしていく
必要のないものが残っている
昔大切だったなものが
今は地名のように残っている
....
恐竜の鼻先に
トンボが一匹止まっている
それはただの偶然
恐竜はトンボを食べないし
トンボも食べられるとは思わない
わたしたちは生きていくために
必要のないことばかりして
....
なんとなく
繰り返されていく今を
なるべく続けられるように
わたしたちは願い
歌うことさえした
歌うことよりも
大切な今があると知った
わたしたちは押し黙り
声を失いさ ....
七時には家に帰ると
公衆電話から連絡があったのに
まだ帰らない父と母
死にそうになって心配してる
僕を見て
祖母は何か知っているのに
おしえてくれない様子で
北上から ....
掌から零れていく
砂は一粒の記憶
思い出せば
波に洗われて
二度と現われない
小さな墓石
寄せては返す波が
足跡を消していく
やがて僕らは
指と指の隙間だけを残し
いつ ....
海岸に
たくさんの鏡が並び
かなしみの海から帰る人々を
心に写している
私たちは
あなたと同じ
かなしみがわかるのだと
言葉にして語っている
ほんとうは
正反対の姿で ....
高層ビルを
見上げながら
家路につく
街は高さを失いながら
広がっていき
やがて私は
空を見上げている
今日も日が沈む
路地を曲がり
その先に辿り着くと
温かい光が灯る ....
かつて人だったものたちの
声に耳を澄ましている
繰り返される
波の音は
そのようにも聞こえ
バスは子供たちを乗せ
茜色に染まりながら
海岸線を通り過ぎていく
....
鵜飼千代子さんの小川 葉さんおすすめリスト
(53)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
慈悲
-
小川 葉
自由詩
2
10-6-15
親子
-
小川 葉
自由詩
7
10-6-1
のりもの
-
小川 葉
自由詩
2
10-5-8
くも
-
小川 葉
自由詩
5
10-4-29
とり
-
小川 葉
自由詩
8
10-4-27
音楽
-
小川 葉
自由詩
4
10-4-24
鳥籠のキリン
-
小川 葉
自由詩
1
10-3-31
許せない春
-
小川 葉
自由詩
4*
10-3-28
水槽
-
小川 葉
自由詩
4
10-3-21
尊さのその先
-
小川 葉
自由詩
4*
10-3-13
ブティック
-
小川 葉
自由詩
3
10-3-9
5%のダイエット
-
小川 葉
自由詩
4*
10-3-5
高架橋
-
小川 葉
自由詩
6
10-3-4
帰り道
-
小川 葉
自由詩
3
10-3-1
トランジスタラジオ
-
小川 葉
自由詩
5
10-2-28
ふっとの
-
小川 葉
自由詩
3*
10-2-27
余生
-
小川 葉
自由詩
2
10-2-7
光
-
小川 葉
自由詩
4+
10-2-3
準備
-
小川 葉
自由詩
2
10-1-22
砂の記憶
-
小川 葉
自由詩
4
10-1-20
黙祷
-
小川 葉
自由詩
5
10-1-18
家路
-
小川 葉
自由詩
5
10-1-11
記憶の海から
-
小川 葉
自由詩
8
09-12-30
1
2
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