砂糖菓子のような
夢のかけら
そっと口に
ふくんでみる


舌にとろける
甘美な余韻
目眩がしそうな
媚薬の効きめ


たちまち身体が
熱くなり
カオスの世界に
堕ちてい ....
そっと目をとじて

心臓の拍動にあわせて

ゆっくり

   やさしく
  
      あたたかい振動

          背中に感じるでしょう?



疲れた身体
 ....
その時 目を細めて わたしを見た
鋭い欲望と鈍い光を発する目
どうしてそんな目でみるの?
今まで見たことがない 
瞳の表情


視線にからめ捕られて動けない
友情 でも
愛情 でもな ....
濁る世を
  我が身をもって鎮めれば
    いとも艶やかに
         花は咲きけり
あなたが見せたかったという
教会は
天草のひっそりした漁村に
静かに建っていた


教科書でしか知らない
隠れキリシタンの弾圧が
この地であったというのか


何ごともなかったか ....
さよなら 
と言ったはずなのに
あなたは笑って許してくれた


ピンクの薔薇の花束と
なくしてしまった
パールのピアス


差しだすあなたの優しさが
ナイフのように
わたしを貫 ....
遠い山の稜線が
水墨画のように
かすんで

ゆるゆると
時間だけが
澱のようにたまっていく

さがしているものは
光りにはじける 青
とろりと熟した 赤

なげだされたキャンバ ....
そこは新宿の雑居ビルが立ち並ぶ一角の
地下にある場末のバーだった
薄汚れた階段を下りていった記憶はあるが
すでにかなり酔っていたので
なぜこんな場所で飲んでいるのかわからなかった


そ ....
五線譜に引っかかっている
音符をひとつ 
つかんで
鍵盤に落としてみた


小さく高く弾んで
涙のしずくに
変わってしまった


やさしく
なにか語ってくれると
思ったのに
 ....
「貴女はご自分に酔っていらっしゃるのです」


思いがけない言葉に顔を上げた

彼は静かに私を見つめて煙草に火をつけた


(どういうこと?)


いぶかしげな眼差しの私に彼はこ ....
鍵爪のような細い三日月の夜
ある人妻は魔王メフィストと約束を交わしました
禁断の恋の成就を願い
その代わりにメフィストの言うがまま
魂を売ることにしたのです


ただ一つだけ月の出ない闇 ....
愛のかたちってどんなもの?
触れるとやわらかくて 弾力があって
姿をかえていくの?

愛に種類はあるの?
色や 大きさや あたたかさで
区別できるの?

愛ってつかめるの?
とらえど ....
青白い紫煙の行方を目で追う

あなたは煙草をくゆらせながら

目をとじて流れる音楽に聴き入っている

ゆっくりとした甘めのバラード

暗黙の了解の時間・・・

わたしはあなたとの距 ....
なんでこんなに苦しいんだろう

ふうっと息をゆっくり吐いて
何事もなかったように
凛然として前をむく

まなざしは遠くを見つめ
キッとむすんだ唇
力が入ってしまう肩

ヤセ我慢をつ ....
さっきから訳もなくティースプーンでカップの中を掻き混ぜてしまう
そんなにしたら紅茶が冷めてしまうのがわかっているのに
渦を巻く琥珀色の液体をじっと見つめる


「黙っていたらわからないじゃな ....
それは波状的に 
ワタシに繰り返し降ってきて


そのたびにワタシは
戸惑い 恐れ
そして
喜び 酔いしれた


歓喜の雨は
最初は小さな透き間から
だんだんと浸透して

 ....
溜め息でできた曇りガラス

微妙に感じる温度差

胸の中にぽっかり現れそうな空洞



もう囀れない歌えぬカナリア に

なってしまうのだろうか



味わってしまった夢は ....
あれは数年前  今でも脳裏によぎる

テロリストの哀れな末路か
成田空港に降り立ち
手錠を高々と挙げ
カメラに向かって
不敵な笑みを浮かべる
かつての“女戦士”


バブルも 不況 ....
朗々と響きわたる


近代文学の子守唄


木漏れ陽の差す教室


初夏の午睡の時間


嬉々とした休講の掲示


なくしてしまったカレッジ・リング


合コンとい ....
漆黒の闇に今日も
電波にのせた言葉がいきかう


誰かが誰かのために
ほとばしる想いが
零れないように


いつでも切れる
儚い琴線
そっと握りしめ


かぎられた空間の余 ....
闇の中に光を見いだせるのか




そのしなやかな旋律の調べは


木々のざわめきを語り


小川のせせらぎを歌う


繊細な指先から放たれる色彩


鼓膜を通して描 ....
{ルビ玩具箱=おもちゃばこ}をひっくり返したような

ガラクタみたいな現実の数々

散乱して  壊れていて

どれから片付けるのか

しばしの間  眺めている



ゆきずりア ....
古びた大学ノート
色褪せたページに
静かに眠る
言葉たち


何年も前に
走り書いた
ほとばしる
想いの数々


作品と呼ぶのには
あまりにも
ふぞろいで


できそ ....
さっきから閉めるのが緩かったのか
水道の蛇口からポタポタと
水滴の落ちる音が聞こえる


微熱のせいか身体がダルくて
息苦しい感じがする
数時間前に見せられた
エコーに映ったアメーバー ....
あれは何年前だっただろうか?
思いがけないケータイ購入から
アナタも私の領域に参入することになった
すでにモバイルにはとっくに慣れてる私には
別に 何のこともないのだけれど

《メールうつ ....
少女のころに作った 綺麗なビーズの首飾り
無垢だったあの日の記憶をたどり
ひとつひとつ 大事に
糸に通すように 言葉をつなげる

どの色のビーズにしようか
迷いながらも 真摯に選んで
こ ....
:早弁したからお腹すいちゃった!

:昨日バイクで事故ってさー

:ライブ行って来たんだって?

:それで車の中でねぇ〜

:オレ、禁煙してるんだ

:ウイングスのコンサートが・・ ....
見果てぬ夢を抱いたまま
いくつもの夜を越えて巡ってきた


摂氏34度
陽炎のような曖昧な輪郭
記憶と現実が交差して
今 密やかに始まる
8月の同窓会


かくせぬ僅かな緊張
 ....
おめかししてまいりましょう
からす瓜もほんのり色づいて
アザミの花が熱いため息ついたから
あなたに逢いたくなりました

おめかししてまいりましょう
赤いカエデに負けないように
くちびるに ....
遠い日の母の実家の飾り棚

なだらかな曲線で凛と立つ

重く押し黙る青磁の器


威厳と寛容をたもちながら

静かなまなざしを光らせていた


つるりとした青い光沢

ひん ....
渡 ひろこ(144)
タイトル カテゴリ Point 日付
砂糖菓子のような夢幻自由詩8*07/8/20 0:07
淋しい大人のための子守唄自由詩4*07/8/12 23:48
瞳の抵抗自由詩6*07/8/10 23:50
妖艶な桜の独り言短歌3*07/8/9 0:26
彼の地 天草にて自由詩9*07/8/8 19:19
別れのティアドロップ自由詩8*07/8/2 19:41
夏の残像自由詩16*07/7/25 19:24
甘く危険な香り(妖精篇)自由詩4*07/7/17 20:16
五線譜からの囁き自由詩14*07/7/11 19:58
恋愛遊戯自由詩7*07/7/3 20:33
月夜の逢瀬自由詩7*07/7/1 0:35
自由詩4*07/6/28 23:48
音楽と紫煙とあなたと自由詩9*07/6/25 23:42
体温自由詩5*07/6/24 23:11
琥珀色の悲恋自由詩9*07/6/23 19:42
メールの雨自由詩4*07/6/22 17:47
不安の輪郭自由詩6*07/6/20 0:34
汚れた革命自由詩6*07/6/16 22:36
キャンパスをめぐる残像自由詩6*07/5/29 20:47
メールが織りなす心模様自由詩4*07/5/26 23:29
盲目のピアニスト自由詩10*07/5/25 19:24
恋愛戦線(男性篇)自由詩5*07/5/23 20:42
零れた言葉をすくって自由詩8*07/5/19 0:41
雷雨に浮かぶ幻想自由詩5*07/5/15 20:29
メール初心者症候群自由詩7*07/5/15 0:54
言葉のビーズ自由詩6*07/5/10 19:17
80’Sグラフィティ未詩・独白3*07/5/7 20:17
8月の同窓会自由詩5*07/5/4 20:52
茜色の慕情自由詩11*07/4/24 23:56
青磁の記憶自由詩5*07/4/19 20:08

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