金の無い人間を殴りつけ

ときどき金を恵んでやり、
金のある人間には金をせびり

躊躇しないジャンキーで
金のある時は大盤振る舞い
金の無い時はけち臭く

外の乞食に金をせびる
育 ....
猫砂に埋もれた二人の思い出は
一部は綺麗に乾涸らびて
形だけくっきりと存在している

一部は砂がかけられずに
異臭を発して、未だ砂の上の鎮座する。


軋む心と身体を引き摺って
ほん ....
懐かしいという言葉を話すと
鼻の奥がツンとくる。

春はまだ来ないが、
冷たい風が吹いている。

君と二人、風に乗って行けるものなら、
君の生まれ故郷のこけし橋の欄干に行きたい。

 ....
川嶋医院の
門柱までの石の階段を
ケンケンしながら昇って行く
昇った先に待っている懐かしい顔
随分と草臥れたセーターを着ている子や
今日おろしたてのジャンパーが
砂や泥で白くなってしまった ....
空に向かって伸びてる道を
僕は一所懸命歩いていた。
歩いて歩いて歩いて歩いた
いつか空に着くもの
と信じて。

歩いて歩いて歩いて歩いたが
空は全然近よってこない。
そればかりか
空 ....
君が左腕を僕に差し出す。

痒いの、掻いて

君は右手が使えない

痒いのだが右手で掻けない

僕は指を立て君の左腕を掻く

とっても白い左腕を指で掻く

掻いている間中

 ....
遠い昔のことよりは
今の家族を思うとき
苛立ち不満を見るよりは
今の楽しさを感じて生きる。
不自由な君の手をさすり
冷たい君の手をさすり
世間話につい昔
未来の話は嘘になる。
今の楽し ....
冬空は鈍色の曇天
銀杏の並木は
隙間無く黄色の絨毯が敷かれ
気持ちよく歩こうとするが、
坂道は滑る
雨の坂道は滑る

人生の平面図には
坂道が読み取れず
確かに坂道があるのは
当た ....
頭が痛いと君は言う。

私が死んだらという話はしない約束だが、つい君は口にする。その度に僕の手に握られている砂粒が少しづつ隙間からこぼれ落ち、風に吹かれて飛ばされてゆく。
そのあと、僕の心は痙攣 ....
コンパスは嫌いだ
三角定規も嫌いだ
三〇センチの定規も嫌いだ

でも
雲形定規はどう使うの?
何故四角定規はないの?

何かを描くために必要なものか?
とくと教えて欲しい


 ....
菊一輪微笑む姉の一周忌

遠く聞く落ち葉踏む子のはしゃぎ声

長雨や語る昔の老夫婦

秋麗に言葉少なく過去を詠む
耳を澄ませてごらん

ほら雨がポタポタ漏れている
ポタポタポタポタ漏れている
そのうち空も枯れてきて
大きな空が見えるだろう

でも涙もポタポタ漏れている
ポタポタポタポタ ....
恐ろしいことに
半分の心で僕は君と付き合っていた。
そのことに気づいたのは漸く人生も終わりかけた今ごろ。
君は随分前から気づいていたようで
頭蓋骨を開けられてから
口に出して言うようになった ....
コクゾウムシの一亜種
体長3〜5ミリ程度の
半透明の短躯
頭部に繊毛が生え
触角の役割を果たしている
専ら樹皮の線維などを主食とするが、
近年木造家屋の柱などに付着し
家屋倒壊を招く害虫 ....
頭蓋骨にぽっかりと穴の空いた人は
心にもぽっかりと穴が空いたようで
表情は少ない。
手の震えは、脳味噌の痙攣で
その人の手の震えは、僕の心を痙攣させる

その人の無表情の時間は次第に長くな ....
秋の朝陽は低く輝き
燦々と紅葉を照らしている
頂きの前は
これ以上ない空の青さ
エッジの効いた青さで
山を目指す街の人たちには
これ以上ない休日の
癒される風景だ
まるで絵葉書のような ....
言葉に表せない思いは
ため息で足元に落とせばよい
言葉に表しても伝わらない思いは
自分で口を開けて呑み込めばよい

いつも思いを言葉で包み込もうとした
言葉に包まれた思いは変色してしまい
 ....
川嶋医院の
門柱までの石の階段を
ケンケンしながら昇って行く
昇った先に待っている懐かしい顔
随分と草臥れたセーターを着ている子や
今日おろしたてのジャンパーが
砂や泥で白くなってしまった ....
薄明かりの中
今日の一日がはじまる
何のことはない
いつも通りだ
いつも通り目が覚め
いつも通りトイレに行き
いつも通り猫と挨拶をして
いつも通り顔を洗い
いつも通り歯を磨き
いつも ....
三年前の揺れに閉じ込められた我々は
今こちら側の歪んだ空間からあちら側を眺めている。

閉じ込められたものは善意
解き放たれたものは相手の知れない戦意と
得体の知れない悪意

鏡や水たま ....
今まで歩いて来た道の途中に
弱くなってきた自分がいる
山が過ぎてしまえば忘れてしまうはずなのに
心の中に悔いが積もり積もってしまい
泣けてくるのはなぜだろう。

音のない木霊が聞こえる
 ....
何年ぶりだろう
二人で食べる黒蜜のあんみつ

手術前のある日の病室

老舗の和菓子屋の前を通り
ふと気づいて買った
お土産のあんみつ

あんみつの中には
紅白の求肥や赤豌豆
漉し ....
正義の上で踊っている我々はどこへゆく

世の中のクレーマーは正義漢だと自分で勘違いしている者が多い。
自分のけちな利益のために暇な時間を使って執拗に抗議しているのが現実的な評価である。し ....
(知人)

友人ではないが、親戚ほど疎遠ではない。

最近は特に犯罪報道でよく見かける

匿名性を条件で被害者との関わりを能弁に語る者

推理小説の真犯人ではない。

現実の世界で ....
昔々のその昔
東勝神州の小さな島国
国がとても若い頃
残虐な無残な報復の果て
滅びてしまった王家の話

青空見上げ兄は涙する
謀殺された父に涙する
暗い地面を凝視して
弟は疲れ果 ....
夏の陽射し

猫の影くっきり

耳をぴーんと立て

猫の影くっきり

二匹の影が重なり合う

世界中の地面や壁に

夏の陽射し

猫の影くっきり

尻尾をぴーんと立て
 ....
空港からへ
豪勢なバスに疎らな人々

錦江湾に屹立する桜島が背後から覆い被さる道
雄大な景色が灰色に押し潰される。
逃げるように疾走するバスは異様に速い
闇夜がとんでもないスピードで飛び去 ....
 風鈴の 脆き響や 平和の音 とりとるたらら
暑い中
とりりつぅたらら
汗を掻く
かすむ目の中
景色が揺らぐ
あたまがゆーらゆら
もやもやで
街路がユーらユら
ゆらいでる
並木がユーらユーら
ゆらいでる
身 ....
空を目指していた筈の
こころの滴が山の頂きにぶつかり、
雨となって地上に降り注ぐ

雨は山肌を通して幾筋もの小さな流れとなり
あるものは地中で濾過され清烈な泉となって地上に現 ....
……とある蛙(629)
タイトル カテゴリ Point 日付
チャーリー自由詩5*15/2/20 16:55
猫砂[group]自由詩11*15/2/17 10:43
思い出[group]自由詩11*15/2/15 16:32
年をとるといろいろ自由詩13*15/2/5 15:55
道のさき自由詩8*15/2/3 16:53
カイカイカイカイ[group]自由詩11*15/1/29 15:50
生活の隙間[group]自由詩20*15/1/17 8:45
平面図自由詩8*15/1/8 15:30
ため息[group]自由詩8*14/12/14 12:14
出会い自由詩11*14/12/6 14:39
あきふかし俳句4*14/11/25 16:51
哀しみの音自由詩7*14/11/5 16:40
中途半分[group]自由詩13*14/10/25 14:30
害虫自由詩8*14/10/17 16:53
その人の笑顔[group]自由詩18*14/10/9 15:30
木曽の御嶽山自由詩7+*14/10/8 11:48
言葉と思い自由詩8*14/10/4 13:14
意識のリセット自由詩9*14/10/3 17:07
あさ[group]自由詩10*14/10/1 13:19
現状認識自由詩8*14/9/25 17:20
木霊自由詩7*14/9/15 11:14
あんみつ[group]自由詩34*14/9/8 16:56
正義多面体自由詩13*14/9/2 16:53
ある人たち自由詩13*14/9/1 13:42
貴種流離譚 (きしゅりゅうりたん)自由詩6*14/8/22 17:19
夏・陽射し[group]自由詩12*14/8/18 10:10
闇夜のバス自由詩8*14/8/11 12:31
平和俳句6*14/8/4 14:55
夏・公園自由詩8*14/7/30 15:23
川が自由詩9*14/7/16 20:43

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