泣き顔が
僕の世間の片隅で
次第次第に数が増え
しかも奴らはでかい顔
僕の居場所を奪ってく

泣き顔が
僕の世間の真ん中で
どんどんどんどん数が増え
しかも奴らは湿っぽく
僕の顔も ....
滝の駐車場前ひょこひょこと

破れ傘にジャージ姿 

相模のかっぱが、現れる

器用に操る軽自動車から

爺が降りるが 相模のかっぱ

先の見えないトンネルを

越えると足下に ....
多くのスクウェアな図柄に囲まれて
負債を踏み倒しに行く
老獪な白熊一頭
笑顔には愛嬌
獲物を貪り喰らう凶暴さは健在

整った図柄の中央に
消えつつあるアルファベット
 三 ....
絶望的な奴って

絶望的な奴と何かを食べることは出来ない。
栄養を取る必要がないからです。

絶望的な奴と勝負事は出来ない。
失うものが何も無いからです。

絶望的な奴と酒を飲めない。 ....
辺境を目指して隊商は
何も遮蔽物の無い太陽の炎の先を歩く
必要以上に熱い砂の上を
ただひたすら駱駝とともに
テクテクのテクテクのてくてく
歩いて歩いて歩いて歩いた

目的地はバスラ
ロ ....
カウンターの背の高いスツールに腰掛け
グラスに注がれたバーボン
氷のゴツゴツした表面を覆いながら滑り落ちる
琥珀色の液体にジッと
視線を這わせ

すでに結露したグラスを捧げ
グビリと ....
沼田城址公園の猫

その猫はチャトラ
顔は大きいが痩せていて
バランスが無い。
愛想が頗る良いが、下品ではない。
飼い猫にしては痩せている。
野良であろうか がっついてる。

のっそ ....
京成金町の駅看板
その間のアーケード
寂れた一角に
金モールの看板

ケバイ電飾に縁取られた
ストリップ小屋
ケイトさんの薄汚れた
衣装とすらりと伸びた両足の間に
はげかかったおやじ ....
僕は今両手を差し出して
広い大きな空を掴もうとしている
それがとても滑稽に見えても
そうしなければ
自分が消えてしまいそうな気がして

僕は今両腕を空に向かって突き上げ
広い大きな空に飛 ....
川の岩盤を流れる水は
岩盤の裂け目から
襞の入った白いレースのカーテンとなり
直下の岩盤に落下した水はまた元の流れとなり

水は岩肌を滑るように流れ
そのぬめぬめした岩底には
泡一つ遠目 ....
臨月でお腹の大きい妻が呼んでいる。
僕はいつもの公園で二日酔いの頭を抱えながら、
三歳の息子と遊んでいる。

繰り返し繰り返し
同じ砂山を作っては壊し作っては壊し、
何回作っても彼の作 ....
歩き疲れて立ち止まる
道に雨が降り出して
静かに静かに降り出して
道に輝く石畳
次第に次第に濡れてくる
並木の青いプラタナス
静かに静かに濡れてくる

歯を食いしばり空を見る
見 ....
蒸気機関車の車窓から
景色が後方へ飛んで行く
山は碧から朱に変わっており、
山肌には不気味な道が這い回る。

しゅっしゅらしゅっしゅっしゅ
しゅっしゅらしゅっしゅしゅっしゅらしゅっしゅ
 ....
産婦人科の女医の
知り合いもいなければ
メメクラゲに左腕を噛まれた
覚えもありません。
しかし、左腕が痺れてます。

左腕の痺れは
ネジの絞めすぎだと
何かの本に書いてあったので、
 ....
他人の死は見ることができ、
自分の死は見ることができない。

他人の表情は見ることができ、
自分の表情は見ることができない。

自分の何かはすべて想像だけで、
鏡に写った自分が本当に自分 ....
真冬の寒い日
葉がすべて落ちて
魚の骨が起立する
銀杏並木の坂を
ゆったりと降りて行く

僕は何の理由か気づかずに
気づかないまま
躓いてしまった
小石一つ無い道だったはずなのに
 ....


その大いなる人々は
歌声と一緒にやってくる。
峰峰に雪を戴いた白い山並を越え
覆い隠すような人数で
その歌声と一緒にやってくる。
誰かのために歌う訳でも無く
止むことのないその韻 ....
街灯の先にある交差点、ボーッと浮かび上がる黒い物体 誰も顧みることの無い深夜 行き交う車も無い漆黒の深夜、黒い月

それは奇妙な物体、人体様のものだが、部位それぞれが異なる。体毛はうっすらと生えて ....
(暗転)

して突然明るくなった部屋には
一体の死体
もちろん部屋には内側から鍵が掛かっており
完全密室殺人事件

窓枠の中の夜空には
取って付けた様な満月
(なぜ夜なのだ)
 ....
 何となく最近書く気がしないので、改めてに最近詩について考えていることをアトランダムに書いてみます。

飯島耕一の詩集「バルセロナ」を読んで

題材は身辺の見聞、私的個人的な記憶→語法も日常的 ....
お茶の水橋から聖橋
まぁるい大きな輪っかが見える。
下半分は揺らめいて
昼間に鎮座する月のよう

にび色の神田川は足がすくむほど
高い地点からしか眺められな

その水面をじっと見つめ ....
部屋にぽつんと一人
歩き始めるための外出をするには
外の空気は不当に暑い。

アスファルトの上で血液が沸騰する
サニーサイドアップをアスファルトで、
だが、外出のための条件は整った。

 ....
かんかんかんかん
かんかんかんかん
赤い光の警報機
降りる遮断機の
その先は
急行電車が
飛んで行く。

かんかん手を振る
二歳の子
電車を見ながら笑っている
夕日はとっくに夢の ....
キューブの内側は白い部屋
上の面は解放されていて
太陽の光が
四十五度斜め上方から降り注ぎ

部屋の内部は
濃いグレーの三角柱と
白い三角柱に二分され
その中央に球体の女が
在る。
 ....
太った女の子が座る
通勤電車の車両接続部
近くのシルバーシート

彼女の平面図は四角柱。
正方形二枚で蓋をした
立方体に近い六面体

車内温度は高い
弱冷車両だが、人の数は多い
 ....
大きな空の真ん中に
言葉にならない穴があって
その奥の色は群青色で
いろいろなランプが
つり下がってる。

いつでも自分は一人なのですが、

このごろますます一人なので、
言葉に ....
夏休み
坂の途中の煉瓦塀
遊び疲れて帰る途

突然、夕立の中
古いモノクロフィルムの
縦縞ノイズのような雨が降る

崩れかかった煉瓦塀の
裂け目から洋風の庭に
飛び込む
そこは荒 ....
ふぁ〜あ
Wake Up This Morning
朝だ 朝のブルース聴いとくれ


歪んだ空間に像を結んだ視線の先に
必ず潜んでいるネズミにご挨拶
ネズミの寝起きは良くない。
  ....
 
お茶の水橋を医科歯科大学の方向に渡る と
すぐ聖橋の下を潜って秋葉に抜ける道へと右折する。
途中、神田明神から降りてくる坂の方向に左折し、
秋葉の方向へ右折する 
と いつもの明神下の路 ....
チェロが重低音を響かせる中
正座した理屈が
墨を含んだ筆をとり
大きな美濃紙の中央に
ごつごつとした岩山を

描く



モノトーンの岩山は
山肌の陰影だけ 浮き上がり
山の際 ....
……とある蛙(629)
タイトル カテゴリ Point 日付
泣き顔自由詩5*10/10/15 16:06
さがみの河童自由詩8*10/10/12 10:15
小さな正義自由詩8*10/10/10 14:40
絶望的な奴自由詩13*10/10/7 16:35
隊商1ー躊躇自由詩7*10/10/2 13:05
バーカウンターの蛙[group]自由詩10*10/9/30 16:39
沼田の猫[group]自由詩13*10/9/29 9:54
ぐるぐる自由詩4*10/9/27 22:45
ポジション自由詩8*10/9/26 12:29
吹割の滝自由詩10*10/9/22 10:22
自由詩14+*10/9/17 13:12
雨が身体に自由詩9*10/9/13 14:45
登山列車自由詩8*10/9/11 12:30
ねじ式変身自由詩12+*10/9/9 9:40
鏡に独り言自由詩8*10/9/7 12:01
友ー躓きー自由詩9*10/9/5 21:18
歌声[group]自由詩16*10/8/30 14:32
かいだん自由詩5*10/8/22 22:37
探偵ー朔太郎さんに捧げるー自由詩5*10/8/18 9:52
暑い中、最近詩について思ったことなど散文(批評 ...6*10/8/16 10:00
お茶の水橋から自由詩15*10/8/11 12:17
酷暑自由詩13*10/8/7 13:18
かんかん踏切自由詩6*10/8/6 10:16
ブリキ部屋の悲しい女自由詩7*10/8/2 9:59
ブリキ電車自由詩7+*10/7/29 12:04
けっかんしゃ自由詩12+*10/7/25 13:24
お化け屋敷[group]自由詩8+*10/7/20 12:59
朝のブルース自由詩6+*10/7/15 16:33
いつもの酒[group]散文(批評 ...6+*10/7/13 12:23
自尊心自由詩10*10/7/11 23:29

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