{引用=これは 稀少なる学位をば修めたる優秀なる雇われ人である。名を小波と申し候。さても遠江の国、自動2輪跨車を製作する工場なるところの職をば拝命せし候。久しく留め置き候ところに、家うちへのいたはりと ....
部屋の白い壁に虫の卵が無数に生みつけられている。
卵は、こげ茶と灰色の縞模様のふわふわの米粒状で、9つずつ規則正しく円形を作っている。一面に散り、つぶれたような虫のしたたった跡もある。厭わしさに背 ....
とあるスレッドに高校生自殺事件に関連する人物の名前が挙げられた。
ほどなく削除されるであろう、実名の記述である。軽く検索を行うと、まとめ掲示板が
あり徹底的な叩き書き込みが行われているのを見 ....
hot hot hot tabasco
hot hot hot-chri papper
あつい あついよ、 ぎんぎん かんかん
ぶん殴るときゃ親指はそと 石ころにぎって 息をためろ ....
夏の終わりに
巨大な鳥の夕焼け空で
大きく開けた嘴の中に 夕日がおちた
巨大な鳥は 薔薇色の雲にちぎれていって
後ろむきの 月が
踊る
白い原稿用紙に痩せた象を書き、 赤い紐で閉じた
「日曜日は父親と遊園地に行こう」
手で触れるような不満とか憤りとか不安とか(怒りもかな)、が生きてうごめいてみえる。イマジネーション化された描写は、アバンギャルドな(このいい加減な形容詞w)ア ....
「美しい日本」
{引用=
トランペットの軽やかなメロディーとエイトビートのパーカッション。転がりそうなベースラインと和音を刻むピアノ。40度の灼熱の外気をよそにクーラーの効いた部屋に寝そべって氷 ....
「きゃああ」よりも「ぎゃああ」がぴったりくる土曜日の昼下がり 、外気温は35度をこえ、道は渋滞 熱い空気は苛々と音をたてて地上へ押し寄せられてくる。 こんがりと焼け焦げた人々は、黒い顔をさらしたまま ....
ドロドロの田んぼの中をはいつくばって
生き物の猥雑さの
皮膚と鼻と口と目からしみこんでくる緑と汚濁に
わずかに厭う潔癖さをかなぐりすてて 染まるにまかせると
肉体が饐えた深いため息をつく ....
何かを創るときに使うエネルギーというのはどうもかなり種類が似ている。
詩がいったい何を記述するかといえば、どんな種類であれ、エネルギーなのだとすると、創る行為そのものも、すでに詩である。
....
金曜日の青ピーマン
尖らない鉛筆の先っちょで
膨らんだ水風船の腹を押す
明日からはお休みで
学校は眠りについて
笑い声の記憶にまどろんでいく
廊下の本棚の辞書が流す涙は ....
◆詩集は目につかない?
あたしなんざこの年になるまでほとんど詩なんぞ読んだことはなかったわけですが、その理由の最たるものは、「詩集は簡単には手に入らない」これにつきたように思います。
まず書 ....
■内閣総理大臣緊急演説
年間3万人以上の自殺者がでるようになって、もうひさしい。 この10年けの累計で25万人を超える自殺による死者がでているということになる。我々は、自殺という犠牲を伴う戦争を ....
#10
花
呼び鈴が鳴った。古アパートの玄関を振り返る。こちらが開けるのを待たずに硝子戸がガラガラと乱暴にひかれた。
女が一人立っていた。
赤子を背負っているようでねんねこ ....
#7
夏の雨
少年の夏の葉には蛇の抜け殻の模様がついている
彼があの時流した涙は自己嫌悪の錆びた味がした
乳飲み子の口に含んだ乳は黄色くて甘い 母からもらう最初の贅沢
一 ....
#6
屋根裏の姫
廃屋となった古い旅館を安価で買取り、なにやら得をしたような気分で引越しをした。築100年の余を越え、廊下の椋の板も黒ずみ真ん中がへこむ。梁や柱の材も曲 ....
#5
一対の腕
それは決まって一対の腕で、上腕の真ん中あたりから唐突に存在していた
人のものより少し大きめの掌とごつごつした指と固い筋肉を持ち、
丁度そこに人が一人いるよう ....
#2
雨の魚
雨に濡れながら歩いていると
死んだ魚の匂いが漂ってくることがある
湿った空気が ねっとりとまつわりつき
地球が水の星だったことを思い出す
そんな時、あたし ....
ー盲目ー
まだ陽の上らぬ未明の朝
風紋が鮮やかに浮き出る灰色の砂丘を
暁の月へとむかう 黒烏
凄絶な月の海に至る道は
煌々と白い光に照らされて
泥だらけの足で踏みこんで ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=119535
葬列の中に見る生の祝祭と、その列にまだ入ることができないが、何かを感じる自分。 そして、生のための詩を ....
常に読み手の読みは一方的かつ独善的であるのだから、読み手として評(感想)を書くときは、その範囲で読んでいるのだという意識が必要で、それ以上は踏み込めない。
だけどまあ 愚かな思い込みも含めて全て ....
床下の古い梅酒の甕の中に
老女が一人 ちんまりと正座している
皺だらけの顔でにこにこと笑いながら
一匹の小さな透明な竜と遊んでいる
琥珀色に澄んだ酒の中で 軽く竜を弾く
竜 ....
「何を書いているのかい」と、聞くこともなく傍らに座っている
「何を考えているの」と 尋ねることもないままに
凍っていくのか、温まっていくのか
と
触れて
....
雷が鳴って
雨がひとしきり降ったら遠足日和
道端の公衆トイレ前
黄色い帽子のリュックサックの群れ
カラフルなお弁当とお弁当とお弁当とおにぎりと水筒と
得意げな顔 ....
卯の花と牡丹と金盞花
目の下の黒いくまと日焼けのしみと
赤茶けた髪の毛と手の皺の灰と
磨いた鍋底と花の終わったシクラメンと
藤とシャガとあやめと
終わってしまった菊桃と枝垂 ....
まず蕗の薹
雪が溶けて、側溝に水が流れたら大根を
切干しに干せるのは寒のうち
あとは塩して、漬けものの樽
味噌を仕込むのは
麹菌が繁殖するほどにぬるく
雑カビがさほどには混 ....
この文章は、1月の後半に書いたもので、原口さんの一連の抗議文を読んだことによる反応です。私自身は1月の半ば、一連の抗議が始まる前に既に退会していたので、個人のブログに書いておきました。もう3ヶ月も前の ....
砂原を歩いていると、人間の手が蠢いていたので、掘り出した
父だった
父はこんなところに埋まっていたのだ
途中から誰かがわかったので、指先でなでるように、焦って掘り出した
息をし ....
昨日の月は
尖った 細い 月爪だったので
夜を枕でくるみこんで
空を引掻いてしまわないように
唄を歌って
ふかい、ふかい 息を吐いたら
枯れた冬 ....
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