青ざめた喜劇役者が
陽気に痙攣している
何を間違えたのか
この照明はやけに明るすぎる

恐ろしい青空に
巨大な広告塔たちがそそり立ち
だだっ広い国道を車たちが
獣のように流れてゆく
 ....
断崖のふちに
ぽつんと一つ置かれた白いベッドで
僕は目ざめた
僕の上には
途轍もなく青く明るい空だけが
広がっていた

僕はベッドの上に坐ったまま
何も考えられずにいた
すると
空 ....
桃いろをうつす銀 青をうつす銀
たちどころにいりまじり 夢心地

    息づく闇の何処かで
    黒髪の 解かれる気配

ほのかに 立ちまようのは
知らない花の香と
やわらかな水の ....
それでもこの心は
果てしなく遊離線を描くのだ
そうだよ 憧れは遠いから憧れなのだ
君をとおしてその遥かさを見つめようとしていた
残酷なこの心よ
病院の長い待合い廊下に坐って
考えている
私の気はたしかなのかと
時々 呼び出しに応じて
いくつかの個室のどれかへと
人が 入ってゆく
そしてやがてまた出てくる
入ったまま
出てこない ....
いくつかの塔が
もの問いたげに立ちならぶ地平を見つめて
僕らは歩いた

いつからどこからこの旅がはじまったのか
その記憶さえ置いて

陽射しは遠く霞み
ピンクグレーの雲がたゆたっている ....
それは 破綻だった 小さな部屋で
はじまっていた 壁が不必要に白すぎて
かといって 何を置けば あるいは ただひとつの
窓に 何色のカーテンをかければ その白が
中和されるのか わからなかった ....
君にプリズムをかざして
分光する
白い壁に映るスペクトラムは
すべての色がほのかになやましく青らんで
僕をいつまでも
見つめさせている
窓をつくった
何に向かって開かれればいいのかわからないまま
そしてオブジェのように空間に散らばる
さまざまなかたちや色のCHAIRS

ふと気づくと別なのに腰かけてたりする

時計はもう ....
塔野夏子(459)
タイトル カテゴリ Point 日付
劇 場自由詩5*05/3/21 13:07
自由詩5*05/3/19 13:58
春夜彷徨[group]自由詩8*05/3/11 23:47
静かなる終景自由詩2*05/3/5 22:06
外 来自由詩11*05/3/5 22:04
自由詩2*05/2/27 15:53
カーテン自由詩8*05/2/25 23:03
放課後 ひとけのない踊り場で自由詩8*05/2/21 22:07
CHAIRS自由詩7*05/2/19 17:33

Home 戻る 最新へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 
0.07sec.