母子家庭
外食帰り
春の夜
空を貫いてく流れ星
そう言えば
あの日
君のアヒル口が
とびきり可愛くて
今思い返すと
なぜあの時
君はアヒル口なんて
したんだろうって
よく考えると
君は
俺 ....
ぽかんと丸月の
薄雲る空に浮き出でて、
また不思議に甘やかな
にほひ辺りから漂い来て 、
あゝこの意識に時空の
溶ける融ける、蕩けゆく
駅までの道のりが
気怠い朝
右側に公園
木々から
ピヨピヨ
左側に民家
屋根から
ピッピッ
鳥たちは
何を話しているのだろう
ぼくは
真ん中で
おはよう
....
べいじょん
これはなんだ
アメリカ人だよ
べいじょん?
なに金持ちなの?
しらね
でなんだべいじょんつうのは
知らんて
お前が言ってきたんだろ
お前なら分かると思って
意味わからん ....
記憶はおそらくは戻らないだろう
泳ぎ去る魚がおそらくは戻らないように
春の大阪湾は
あまり悲しくなくて、いいな
バンコクハクランカイなんて
知らないけれども
夜 ....
「あした 先生はお休みします」
そういって以来さわぐち先生は
学校に来ない
もう二度と会えないんだという
くだらないうわさがガヤガヤと
一組と三組と四組には広まっている
....
ボーナス制度とは搾取ではないか。
封建制度の名残である。
賞与は褒美として渡される。
縛りつけるつもりなのだ。
(ボーナス入るまで、やめないでねって。)
給与だけなら12回の手 ....
すぐつもる
雨は
おととい
きのう
今日だよ
なあ
迷いに悟りまぜんな
何が?
もうええええて
かなしばり
目
横顔
それだと思ってたの?
あなた、ほ ....
そういえばあなたは 春がキライでしたね
春は余計に淋しくなってしまうからと
いつかぼそっとつぶやいてたのを
ぼんやり覚えています
今でもやっぱり 春は淋しいままですか
気 ....
○「愛情とは」
もっともっとあなたのことを深く知りたい
という欲求である
○「自殺予防」
踊りなさい
歌いなさい
飲みなさい
笑いなさい
○「理屈妻」
ああ言えばこう言う
....
人を処すのに刃物はいらぬ
リスパダールの3ミリもあればいい
毎日、微量の毒を盛り
病死に見せかけ死んじゃった
あ、歴史もびっくり現代の
やること変わらん人類史
隣りの国を嘲れば ....
香を焚き
花を散らし
夜は更けてゆく
想いは深く星空に消え
来し方を想いだす
きみと暮らした18年
時には重く
時には軽やかに過ごして来た
互いに栄華の時は過ぎ
これからは別 ....
井戸水で泥を払う
ラディッシュはたちまち濡れた肌に日差しを浴びて紅く輝く
まるでルビーのように
粘土のように粘りのある泥を深緑の髪とともに冷たい水で洗い落とし
さっぱりとした體でこちらを見 ....
こたつテーブルの上
底に茶色い番茶が残ったままの
少しだけノッポなグラス
パレメザンチーズと
粗挽きコショーの入れものと
メガネケースと黒い髪ゴム
それから雪男みたいな図体の
ウルトラ怪 ....
ようやく冬支度を始めた夜の気配は
肌冷たくひと撫でする
慌てて布団に潜り込み
達磨のように目だけギョロリと
外の気配を窺った
掛け布団の肌触りはまだ冷やっこく
徐々に体温で温められてゆくの ....
宇宙が誕生する前の話を今更していた
愛だと思っていた法則が
実は随分と前から正しさを無くしていたこと
君は気づいていたんだろう
初めてのオーロラは大切な人と見るものだから
鍵を失くして帰れな ....
陽気に囲まれて
気持ちが持ち上がっていると
釘のように刺す影
不安の裏地で
肌がかぶれる
絶望ばかりしていた
私にさようならしたのに
転落しそう
眩暈に揺れて
踏みとどまる
....
おとなうもの
波打つ光の流れに
私のいっとき入り込み
ヌメる肉の黄金、
宿る生命の身悶え、
光滴の飛沫ひびき立ち
時の一刻み伸びひろがる
意味の喪失された場所で、
私のとっ ....
闇は、やって来る
どんな
忘れたくないような最高の蒼空が
至天満面に広がりつづけるとしても
やっぱりしずかなかたちでまるで無音で
そのときになれば
闇は、やって来る
....
試されているのはいつも自分の方
相手が襲い掛かって来たら
防御はするけど
なぜ襲い掛かってきたのか
考え
質問をする
自分に非があれば直す
試されているのはいつも自分の方
桜の季節
....
風のこと 愛してる
良い空気も
悪い空気も
風がなければ 出会えなかったから
強い風は嫌味ったらしいし
弱い風は頼りがいないけど
遠くのものも 近くのものも
ここに届いたのは
風のおか ....
○「ガン」
人間不信は心のガンである
どんどん転移していく
○「人間理解」
一度でダメなら二度三度と
粘り強くやらねば
人はわかってくれない
ましてや動いてはくれない
○「終活 ....
たづなを握りしめて
人生って正しいことが何なのかどうすれば良いのか良かったのか
何年考えても答えが見つからず、見つからないまま、次の局面に
進んでしまう繰り返しなのかもしれません。悔いの残ら ....
ここ半年で二人の女性に片想いをした
妙なことに二人とも腰に複雑なボルトが埋め込まれ
夜のお付き合いは出来ないと言う
ぼくも薬の副作用で役に立たないでいる
精々がハグをしてキスをすることしか出来 ....
実家の垣根は汚れていた。
その汚れに入ってきて欲しくて寄り添っていた
あちこちで接木でもしているのか
いろいろな低木が混ざった垣根で
花も二、三種類咲く
そういうのは滅多にない
いっ ....
愛ってなんだろうなんて
だれもが顔をそむける問いは
むろん、忘れるべきだな
世の中に美しいものがあるならそれは
ぜったいの愛ではなく
煌めきの
恋
だから
光が踊って ....
寸前で止めてくれてる温湿度
脊椎管狭窄症となった母
腰から足先までの痛みを訴え
起き上がることも座ることもままならず
歩けば足を引きずっては立ち止まり
痛み止めを強いものに変えてもさほど効果なく
右足にきつく巻きつけら ....
春の夜はね、
「公達に狐化けたり宵の春」って句を思い出すけど、
思い出すだけ、
ここに狐はいない、
いても狸なんだよね、
それにきっと公達に化けるような、
そんな気の利いたモノノケはこな ....
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