女の嗤う声がする真夜中の三時
この部屋の時計はどれも狂ってる
一年ほど開けたことないカーテン風に揺れ
玄関のドア閉め忘れたことに気づく湿り気
秋の長雨がすべて腐らすって
何かのせいにできたら ....
きのうにたおれたわたし
のうえふみこえいまあるわたし
めがないとふあんになるし
めがねないとふあんにもなるし
ないとまもられないからだ
わくないとこぼれるからだ
わくわくないとおちこぼれる ....
シャボン玉型に春を切り取った
樹脂製のペーパーウェイト
丸ごと閉じ込めたタンポポの綿毛は
吹けば飛んでゆきそうで
留められた時の重み掌に感じながら
透かして見た十月の光が
四月の温もりを帯 ....
前は子供なんてぜんぜん好きじゃなかったけど最近は他人の子供見てかわいいって思うのね、だって未来の塊みたいでしょ。

そんなふうに力説する人とランチを食べた

生物がなぜ子孫を残すようにプログラ ....
道の向こう歩く君に手を振ったら人様の庭先で掴んだ柿の実が落ちたのは水面を覗き込む犬が餌をくわえた自分に吠える話に似てわんと鳴けと命令する君なぜか三度回って楽しそうだからもういいや一緒に笑うと月も笑った .... 何色の積み木が好き?積み木に色があるの?
私のはプラスチックでピンクで水色で黄色で
振ると音がしたよちりちりそれに白猫のぬい
ぐるみは茶色くなってチクチクになって目玉
の黒が一つになって朱色の ....
電波がつなぐ僕と外界
外は嵐さでてはいけない
段ボール製の要塞の真ん中に
ペラペラな布団を敷いて
昼も夜もわからないまま
ボク、箱ハイリ息子

詩は黄色いと言った君を
忘れられない忘れ ....
そのキリトリ線は曖昧だから
うまく切り抜けたためしがない
だけど秋生まれはいつだって
短い季節に恋い焦がれてる

なんて半分は嘘
秋模様を切り取ろうとしたことは
後にも先にも一度しかない ....
1515イチゴ苺に圧倒されてワタクシ5ジに目が覚めましたメザマシより早く目覚めましたともソンナ朝に79円だなんてワタクシ目を円くしてしまいますひらたく円くしてしまいますのよ皿のようにして15イチゴ苺を .... 真っ白なノートの最初のページに
下ろし立ての鉛筆の先を押しつける
一文字も書けなかったとしても
はじまる はじまるよ
べっこう飴をなめながら
濃いめのコーヒーを口に含む
砂糖を切らしたわけ ....
白いとこ以外踏んだら爆発するよ!
真新しいしましまに夢中な君は
塀の上のよこしまな視線にもお構いなしで
肉球パンチでトラック止めてみせたって
今はきっと気づかないね

  緑の棒人間ペカペ ....
雨のなか傘を差す
魚みたいな子供たち
誰一人笑わないから
かえって可笑しい見開かれた目

視界に言葉が散乱する
散乱した言葉たちが産卵する
そこから魚たちが生まれてきては
身体をくねら ....
親指と人差し指と中指で
支えるように持つのは
箸と鉛筆と歯ブラシと
お道具箱のひきだしの中
噛み跡だらけにしたのはだあれ

初めて手にした六角形は
金色のトンボがついていた
削っていく ....
レベル7になりました/惑星報道をお伝えします/詩人を乗せたタイムマシン11号は地球から十一億光年の地点を通過しています/孤独に浸るにはあと九億光年ほどお待ちください/続報です/タイムマシン11号は旺盛 .... 鉱物ならダイヤモンド
水なら軟水
そんな硬度10の私の憂鬱

憂鬱なんてどよんとしてもったりしてのしかかってくるものだと思ってたのに硬さを計る基準があるだなんて知らなかった(でしょ?)
よく ....
モビルスーツって何?
って聞いたらあなた驚愕の表情で
それから蔑むよな憐れむよな目をして私、
ほんとうに傷ついたんだから
この車両に乗ってる人たちの
どれぐらいがあなたと同じ顔するだろね
 ....
浅草寺ほおずき市の七月
鉢植えの中で膨れる橙と
頭上につらなるガラス玉
風が吹くと一斉に揺れる
景色すべてが鳴っている
母にねだって風鈴ひとつ

更埴市稲荷山お花市の八月
妹と揃いの服 ....
向かいの席で麦わら帽に花柄ワンピのよく日に焼けた女がもたれて居眠りしてる大きなスーツケースの上にアイラブ沖縄と書かれた真っ赤な袋が南国のバカンスひと夏のロマンスなんて言葉連想させて涎が出るほど羨ましい .... さそりはいい虫じゃないよ
少年が立ち上がり主張する
だけれど姉さんは落ち着き払って
さそりが星になったときのお話をする

だからさそりはいい虫

空焦がす大花火
さそりは年中燃えている ....
安全な部屋から庭を眺める
緑色の雑草に当たって跳ねる雨粒
驚いたように飛び上がるアマガエル
裏返ったまま濡れていく黒い突っ掛け
畳に投げ出された妹の両足
夏休みの宿題を広げるだけ広げて
雷 ....
ただいま暑いと喚きながらドアが閉まるが早いかTシャツを脱ぐ。廊下を進みながらタンクトップに半ズボンと次々に脱ぎ捨てる。なにそれと咎めると笑いながらこう答える。
「それ? あたしのぬけがら」
少女か ....
埃まみれの10年ものの扇風機は部屋の片隅でいつ発火してやろうかと考えているよ

  毎日毎日遅刻ギリギリで飛び出すあの娘
  今日だってきっと、足の指で止ボタンを押すんだ
  どうしたって10 ....
裏側 裏側
なんの裏側
本の裏側 さしすせそ

咲いた咲かない あたしの才能
尻拭いばかりさせられる
水族館に住んでいた
セイウチみたいになりたいな あら
外はすっかり雨もよい

 ....
 正月なんてとっくに過ぎて豆まきもひな祭りも終わったけれど、幼い頃お正月前によく歌ったあの歌を、小さな声で何度も何度も口ずさみながら歩く。私は、わずかに何かを期待していた。
「もーいーくつねーるーと ....
 急な坂道の途中で立ち止まる人のように、左半身を下にして斜めに傾いでいる男と目が合った。あっと思って目を伏せたがもう遅い。空も電柱も道路もぐるりと回転して、私が斜めになっていた。
「あなた、斜めです ....
直線と曲線が折り重なり春がきました。そこは麒麟なんじゃない、キリンなんじゃない、きりんなんじゃない、夜のそこはまだ冷えるから

冷えたそこから声がする
長い長いきりんの首のそこから
聞いたこと ....
 苦渋に満ちたその顔を男は上げられず、休息をとるためとはいえ、瓶に詰めて保存していた『暫くの間』を使い切ることになるとは思いもよらず。さらにと求めて手探るが、あるのは潮の香ばかり。車体は喘息持ちの子供 .... 身体畳む。折り畳み式自転車さながらに、輸出品に紛れて大海原を渡る。船中、積み荷のひとやま数え終わらぬうちに異国の風が吹き荒れて、長い記憶の隙間を縫い合わしていく手元が狂う。皆が止めるのを振り切って単身 .... やっぱりシーラカンスは
水の中でじっとしている
静かな静かな海の底
エンジンが故障しているからだ

 わたくシの計算したところによりまスと
 マグロの三十倍ぐらいのガソリンを
 こやつは ....
ハリボテのビルの中 傘差して歩く
彼女はどしゃ降り
上方へ向かって広がりをみせる天井
あらゆるものが彼女の頭頂部へ
その一点へと集約する
聞き覚えのある声が降ってくるのに
傘は 骨ばかりの ....
こうだたけみ(312)
タイトル カテゴリ Point 日付
ひきだしにテラリウム/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩5*14/10/24 9:46
たまきはる/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩3*14/10/21 20:15
風のはじまりをあなたは知っていますか?/即興ゴルコンダ(仮) ...自由詩6*14/10/19 19:12
きみのすべてよ応答せよ/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩8*14/10/18 22:23
手を振った、実が落ちた/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩3*14/10/10 20:05
青が崩壊する。/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩2*14/10/6 3:58
外は嵐さでてはいけない/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩4*14/10/4 2:39
秋模様を切り取って/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩5*14/9/30 10:38
79円/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩5*14/9/26 20:20
新しい一日/即興ゴルコンダ(仮)投票対象外自由詩7*14/9/22 22:48
猫と信号機/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩6*14/9/19 23:28
雨中遊泳自由詩10*14/9/18 2:31
さよなら鉛筆、トンボ印のちびた秋/即興ゴルコンダ(仮)投票対 ...自由詩12*14/9/16 19:26
PLANET NEWS LEVEL 7/即興ゴルコンダ(仮) ...自由詩7*14/9/12 9:46
硬度10の憂鬱/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩4*14/9/9 11:33
モビルスーツを試着中/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩5*14/9/2 23:24
その日、風鈴の割れる音をきいた/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩7*14/8/26 0:41
ぼくらが旅にでない理由/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩6*14/8/22 22:39
さそりの星/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩4*14/8/19 16:38
夕立の後の香り/即興ゴルコンダ(仮)未投稿自由詩3*14/8/17 22:38
うまれたてのぬけがら/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩9*14/8/6 10:43
扇風機の口癖/即興ゴルコンダ(仮)投稿自由詩12*14/8/2 23:12
欲しいと言えなかったもの自由詩8*14/6/8 12:09
【小品】もういくつ寝ると散文(批評 ...1*14/4/8 16:05
【小品】囚われ散文(批評 ...1*14/4/8 15:43
きりん/リレー詩自由詩5*14/3/18 23:44
円滑水槽散文(批評 ...1*14/3/6 23:55
縫製を生業とした男とその解体自由詩0*14/3/6 23:14
春とバナナとシーラカンスの速さ自由詩8+*14/3/3 0:48
鳩は水色自由詩3*14/2/22 0:07

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